【詩】ロスト
悲しみは両手いっぱいに抱えた
喜びはお預けを食らっている
同じ朝 何も変わらない日々を
神様は平等に願っただろうか
白い息が溶けていく
さらさら落ちる雪に紛れて
紫に染まる夢の中へ飛び込む
目を閉じたらこのまま醒めないで欲しい
誇り高い愛を擦り減らしてきた
いつしか欲しがる事さえ辞めた
空っぽの身体に何を詰めて歩こうか
踵を鳴らして此処にいることを確かめる
歩道橋 流れゆく感情を眺めながら
一歩を踏み出した
空を踏みしめて 宙を舞った
静かに目を閉じて
このまま醒めないようにと願った
神様 わがままを言って良いのなら
願いを叶えてくれるのなら
私に愛を分けた与えてくれた人には
私からの愛だけを残してください
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