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【続】ビートルズ「ヘイ・ジュード」セッション動画を追う
(続き) https://note.mu/tonrecobran/n/n29665e560417 さて。 引き続きRevolverTVがジョージ・マーティン追悼で出してきた「ヘイ・ジュード」のセッション動画。 https://www.youtube.com/watch?v=tPZunQG7kyY 1968年7月30日(火)のレコーディングセッション映像の謎に関してであります。 検索で追っても、 「1968年7月30日(火)の『Hey Jude』のレコーディングの様子が英国音楽協会制作のドキュメンタリー・フィルム「Music!」のために撮影がされた」 という「ビートルズレコーディングセッション」(シンコーミュージック)以上の情報になかなかたどり着けず、途方にくれたのですが、ようやくGibsonのサイトの記事「40 Years Later: The Story of The Beatles’ ‘Hey Jude’」 に、下記の記述を見つけました。 ============= Fortuitously, filmmaker James Archibald captured some of the July 30 Abbey Road rehearsals, including six minutes of it in his documentary Experiment in Television: Music!, which aired on NBC in February, 1970. ============= http://www.gibson.com/…/features/en-us/40-years-later-the-s… James Archibaldという撮影者名。収録時間6分。 そして「Music!」は1970年2月にアメリカの放送局NBCで放送されたとあります。 James Archibaldという名を得て検索を続けると、英国映画協会(BFI)のサイトのデータベースに彼の名と「Music!」の詳細にぶつかります。 http://www.bfi.org.uk/films-tv-people/4ce2b6cb9257b 作品の概要に関しては、 ============= Documentary on music in Britain, sponsored by the National Music Council, it covers all types of music from opera to pop, from brass bands to folk, from old-time dancing to pub sing-songs. ============= 英国音楽協会の提供(制作)で、1960年代後半のオペラからポップ・ミュージック、ブラスバンドなど英国の様々な音楽シーンを撮影した作品とあります。 キャスト欄には・・・ ============= Cast performing "Hey Jude" (circa 6 mins) The Beatles Musical performer John Dankworth Participant Tony Blackburn ============= とあり、「ヘイ・ジュード」セッションの模様が6分収録されているとあります。 ジョニー ダンクワースは、ジャズのアルトサックス奏者、クラリネット奏者。 https://www.youtube.com/watch?v=Tke9GhqY78g 実にかっこいい。 さらに詳しいクレジットを見ていきます。 ============= Direction:Michael Tuchner Production: James Archibald Productions National Music Council of Great Britain James Archibald Writing:James Archibald Photography:Ian Wilson Editing:Gregory Harris Sound:Kevin Sutton ============= だいぶ「Music!」の全貌が見えてきました。 この辺の情報をもとに検索を続けると、アメリカはボルチモアのイーノック・プラット自由図書館に「Music!」の16mm フィルムでの所蔵があるという情報にぶつかりました。 16mm Film Collection Highlights http://www.prattlibrary.org/locations/sightsandsounds/… 長いですが、引用します。 Music! (1968) dir. James Archibald ============= Great Britain’s National Music Council produced this1968 film as a documentary record of their nation's music and it was later broadcast on American television in 1970 as part of NBC-TV's short-lived Experiment in Televsion series that was aimed at youth culture. It uses quick-cut montage techniques to survey the many and varied roles of the music maker in Britain, including opera singer, street musician, school and military band, electronic musician, jug band, folk singer. But the film is most famous for six minutes of rare footage showing The Beatles rehearsing "Hey Jude" at Abbey Road Studios. The take is preceded by an odd 24-second clip of a printer spewing out a list of Lennon/McCartney song titles. Paul McCartney is first seen scat-singing some Little Richard lyrics with John throwing in a refrain from “Drive My Car," before Paul announces “‘Jude’ in A minor”. Partway through the take, the scene cuts to George Harrison in the booth discussing various forms of music with George Martin. Further takes ensue, with Ringo complaining that he caught his pants in his bass drum pedal and John sarcastically suggesting that Ringo solve the problem by removing them! (James Archibald, 1968, 50 minutes, color, 16mm) ============= 「Music!」は50分の映像作品で、英国の様々な音楽シーンが撮影されており、ビートルズの「ヘイ・ジュード」セッションは6分収録されている。 冒頭24秒ほどレノン&マッカトニー作品の曲名がタイプされる映像のあと、ポールがリトル・リチャードのフレーズで叫び、ジョンが「ドライブ・マイ・カー」の「ぴぴ、ぴぴ。ぴぴ、ぴぴ、イェー」の合いの手を入れてのおふざけ。そして「行くぜ」とばかりに「ヘイ・ジュード」へ。ジョージは卓からジョージ・マーティンと打ち合わせと指示をしている。 これぞまさに今回のRevolverTVお蔵出しの「ヘイ・ジュード」セッション動画と合致するのではないか?? 「ビートルズレコーディングセッション」にある「このカラー作品<Music!>には、この長いセッションの間に撮影したフィルムを2分32秒にまとめたビートルズの登場シーンが含まれていた。」とは、合致しないのですが、英国映画協会(BFI)のデータベース、イーノック・プラット自由図書館所蔵フィルムの解説から見るに、50分の映像作品「Music!」には6分のビートルズのセッション画像が収録されており、それこそが今回のRevolverTVお蔵出し映像であった。 しかし、1970年2月にアメリカの放送局NBCで放送された際は、ビートルズ登場シーンは2分32秒にカットされて放送されたという可能性があるのではないでしょうか? となると件のRevolverTVの6分の映像は、然るべき段取りを踏めば誰しもがたどり着ける映像であったという結論になるのでしょうか?? いやぁ、面白い。
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初見!ビートルズ「ヘイ・ジュード」セッション動画を追う
「な、なんだこの映像は!?」 と混乱と勘違いとびっくりでひっくり返ったのが数日前。 先日RevolverTVがジョージ・マーティン追悼で「ヘイ・ジュード」のセッション動画を出してきました。 https://www.youtube.com/watch?v=tPZunQG7kyY でも 「ここで出てくるピアノに陣取るジョンを正面からとらえた映像って、どこかで観たことがあるはず!」 と昨晩、寝りゃあいいのにビートルズのプロモ探し始めて、「アンソロジー」プロジェクトの一貫である1996年の擬似(?)ビートルズシングル第2弾「Real Love」にその断片を発見! これだ! http://www.tonreco.com/images/12805724_1093723580694607_7716907849234670469_n.jpg でも「なんでピアノ前のジョンは左右反転されてるだろう」という謎を残しつつ、 「いや、でもさ、『Real Love』のプロモで初出ってわけないよな・・・。『アンソロジー』本編だ・・・」 とブツブツ言いながら眠ったのが昨夜。 さてさて今夜。 「金曜の夜だ。とことんやるぞ。」 と、まず当たったのが、「ビートルズレコーディングセッション」(シンコーミュージック)。ビートルズの録音記録を詳細に綴ったEMIの公式記録の定本であります。 「ヘイ・ジュード」の最初のレコーディングは1968年7月 29日(月)。第1〜第8テイクがアビーロード第2スタジオで録音されています。しかし、この日はジョージ・マーティンは不在とあります。 続く7月30日(火)。同じくアビーロード第2スタジオ。この日はプロデューサのジョージ・マーティンのもと、 「第7〜第23テイクを録音。第23テイクをテープ・リダクションして第24及び第25テイクを作成。ステレオ・ミキシング:第25テイクよりリミックス1」 とあります。当日の詳細記録を読み進めます。 「このセッションが組まれたのは、単にリハーサルのためだけでなく、英国音楽協会制作のドキュメンタリー・フィルムを撮影するためでもあった。このカラー作品<Music!>には、この長いセッションの間に撮影したフィルムを2分32秒にまとめたビートルズの登場シーンが含まれていた。大部分が第9テイクの録音風景で、ビートルズは楽器をもてあそび、話し合い、リハーサルを進める。この日の録音テイクにフィーチャーされたのはピアノとドラムス、アコースティック・ギターだけで、ジョージ・ハリスンはプレイしなかったため、<Music!>はジョージ・マーティン、ケン・スコットと一緒に第2スタジオのコントロール・ルームにいる彼の姿を捉えている。」 ビンゴ!! これは間違いなくこの日の映像でしょう。 そして次に「アンソロジー」を見返しました。 「アンソロジー8」冒頭。 リンゴ脱退宣言引き留めなど少しバンドに不穏な空気漂う中、行われた「ホワイト・アルバム」のレコーディングの模様。 レコーディング・セッション音源をバックに、この映像がふんだんに使われてました。 ・ピアノに陣取るジョンを正面からとらえた映像 ・ドット柄のシャツ着たポールがピアノで歌う姿 ・紫のシャツでドラムを叩くリンゴ ・アコギジャカジャジャのジョン ・コントロール・ルームの2人のジョージ ブックレットにも 「ここから使われている動く映像は、7月30日に全英音楽協会が制作したドキュメンタリー映画『ミュージック!』のために撮影された'Hey Jude'のレコーディング風景から」 とあります。 すべてが繋がりました。 私がこの映像を初見したのは、これ「アンソロジー8」でありました。 (でも、「アンソロジー8」にはエレキ・ギターを弾くジョージの姿も捉えていて「ビートルズレコーディングセッション」と若干の相違もあります。おそらく『ミュージック!』収録の2分32秒への編集前の映像には、ジョージのギターを弾く姿もあったのでしょう。) さぁ、次は英国音楽協会(british music right)制作のドキュメンタリー映画「Music!」の探索でありますな。 沼はまだ続く。。 http://www.tonreco.com/archives/5748
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