初見!ビートルズ「ヘイ・ジュード」セッション動画を追う

「な、なんだこの映像は!?」
と混乱と勘違いとびっくりでひっくり返ったのが数日前。

先日RevolverTVがジョージ・マーティン追悼で「ヘイ・ジュード」のセッション動画を出してきました。
https://www.youtube.com/watch?v=tPZunQG7kyY


でも
「ここで出てくるピアノに陣取るジョンを正面からとらえた映像って、どこかで観たことがあるはず!」

と昨晩、寝りゃあいいのにビートルズのプロモ探し始めて、「アンソロジー」プロジェクトの一貫である1996年の擬似(?)ビートルズシングル第2弾「Real Love」にその断片を発見!

これだ!
http://www.tonreco.com/images/12805724_1093723580694607_7716907849234670469_n.jpg

でも「なんでピアノ前のジョンは左右反転されてるだろう」という謎を残しつつ、

「いや、でもさ、『Real Love』のプロモで初出ってわけないよな・・・。『アンソロジー』本編だ・・・」

とブツブツ言いながら眠ったのが昨夜。

さてさて今夜。
「金曜の夜だ。とことんやるぞ。」

と、まず当たったのが、「ビートルズレコーディングセッション」(シンコーミュージック)。ビートルズの録音記録を詳細に綴ったEMIの公式記録の定本であります。

「ヘイ・ジュード」の最初のレコーディングは1968年7月
29日(月)。第1〜第8テイクがアビーロード第2スタジオで録音されています。しかし、この日はジョージ・マーティンは不在とあります。

続く7月30日(火)。同じくアビーロード第2スタジオ。この日はプロデューサのジョージ・マーティンのもと、

「第7〜第23テイクを録音。第23テイクをテープ・リダクションして第24及び第25テイクを作成。ステレオ・ミキシング:第25テイクよりリミックス1」

とあります。当日の詳細記録を読み進めます。

「このセッションが組まれたのは、単にリハーサルのためだけでなく、英国音楽協会制作のドキュメンタリー・フィルムを撮影するためでもあった。このカラー作品<Music!>には、この長いセッションの間に撮影したフィルムを2分32秒にまとめたビートルズの登場シーンが含まれていた。大部分が第9テイクの録音風景で、ビートルズは楽器をもてあそび、話し合い、リハーサルを進める。この日の録音テイクにフィーチャーされたのはピアノとドラムス、アコースティック・ギターだけで、ジョージ・ハリスンはプレイしなかったため、<Music!>はジョージ・マーティン、ケン・スコットと一緒に第2スタジオのコントロール・ルームにいる彼の姿を捉えている。」

ビンゴ!!
これは間違いなくこの日の映像でしょう。

そして次に「アンソロジー」を見返しました。

「アンソロジー8」冒頭。
リンゴ脱退宣言引き留めなど少しバンドに不穏な空気漂う中、行われた「ホワイト・アルバム」のレコーディングの模様。
レコーディング・セッション音源をバックに、この映像がふんだんに使われてました。

・ピアノに陣取るジョンを正面からとらえた映像
・ドット柄のシャツ着たポールがピアノで歌う姿
・紫のシャツでドラムを叩くリンゴ
・アコギジャカジャジャのジョン
・コントロール・ルームの2人のジョージ

ブックレットにも
「ここから使われている動く映像は、7月30日に全英音楽協会が制作したドキュメンタリー映画『ミュージック!』のために撮影された'Hey Jude'のレコーディング風景から」
とあります。

すべてが繋がりました。
私がこの映像を初見したのは、これ「アンソロジー8」でありました。

(でも、「アンソロジー8」にはエレキ・ギターを弾くジョージの姿も捉えていて「ビートルズレコーディングセッション」と若干の相違もあります。おそらく『ミュージック!』収録の2分32秒への編集前の映像には、ジョージのギターを弾く姿もあったのでしょう。)

さぁ、次は英国音楽協会(british music right)制作のドキュメンタリー映画「Music!」の探索でありますな。

沼はまだ続く。。
http://www.tonreco.com/archives/5748

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