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【読書感想】あなたは誰かの大切な人

今回は、久しぶりに原田マハさんの作品です。
タイトルが素敵で、思わず購入したのですが、お値段以上の素敵な内容!
短編なのですが、どのお話も素敵で、読んだ後、身近にいる大切な人に会いたくなるようなお話です。


あらすじ

勤務先の美術館に宅配便が届く。差出人はひと月前、孤独のうちに他界した父。つまらない人間と妻には疎まれても、娘の進路を密かに理解していた父の最後のメッセージとは……(「無用の人」)。歳を重ねて寂しさと不安を感じる独身女性が、かけがえのない人に気が付いたときの温かい気持ちを描く珠玉の六編。


心に残った文章5選

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人は必ず老いてしまうもの。私にとって母は一人ですが、いつまでも「私が小さい時の母」のままなんですよね。
準備が遅いと怒る母、頭痛がして少し機嫌の悪い母、「おかえり」と言って優しく迎えてくれる母…。私にとって色々な顔を持つ母がいます。
母に対してイライラすることもたくさんあるけど、こんな自分を受け入れてくれる人、私の最高の母でもあり、友人でもあり、家族でもある存在。
そんな母も、年々年を重ねていき、老いてしまっている。人が老いるということは、どうしても「死」に近づいているということ。
限られている母との時間を大切に過ごそうと思える一文でした。

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自分にとっての「好き」が誰かにとっての「好き」とイコールとは限らないんですよね。もちろんその逆もあります。
私は「ファッション」が大好きで、お洋服に投資してしまうことが多いのですが、お洋服が苦手な人ももちろんいますよね。
でも、それは個人の自由なわけです。誰かの「好き」を否定する権利なんて誰にもないんです。だから、他人の「好き」を受け入れてあげて、「あの人は、〇〇が好きだから、自分にはない△△を持ってるんだな」と考えるようにしようと思いました。


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「自分の好きな人と過ごす」―これは、私の人生のテーマにしたいと考えてます。
私は、自分の価値観と合う人と一緒にいたいんですよね。人間は各々、価値観が違います。私の価値観が絶対正しいとは限らないし、A子の価値観が絶対に正しいとも思いません。
「みんな違って、みんないい」本当にその通りなんですよね。「この人の〇〇なところいいな、尊敬できるな」と思える相手に出会えて、一緒に過ごせるなんて、とても幸せなこと。
自分の人生も有限です。貴重な自分の時間を、大好きな人とだけ過ごしていきたいと思える一文ですね。


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誰かに必要とされる、って本当に嬉しいことですよね。自分を必要としてくれる人が、他人からはクズであっても。
そもそも、その人がクズかどうかは、他人が決めることじゃない。自分が決めること。どんなにクズってあっても、自分がその人と一緒にいて幸せだったら、もうそれで良いのではないでしょうか。
自分を必要としてくれる人がいると、人はきっと使命感を持てる。そして、生きる意味が見出せるのかなと思いました。


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自分のやっていることが無意味に感じることありませんか。「こんなに頑張っているのに、なかなか評価されない」って思ってしまうことありますよね。
でも、きっと誰かが自分の頑張りを見てくれてるんですよ。それは、友達かもしれないし、親かもしれない。SNSを見てくれてる人かもしれない。
それは誰なのか分からないけれど、自分の頑張りは、いつかきっとわかってくれる人がいる。そう思って、やる気がない時はモチベーションを上げていこうと思える一文でした。


まとめ

原田マハさんの本は大好きで、久々に読みました。
ああ、やっぱり良いなあと思える一冊でした。また他の本も読もう。

個人的には、「月夜のアボカド」「皿の上の孤独」の話が好きです。原田マハさんは短編の作品も多いので「何か本読みたいけど、時間ないなあ」という方にもとてもおすすめです。
ぜひ読んでみてくださいね。

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