【コンビニ人間】村田沙耶香
こんばんは、となカエです。
気になってた本。
kindle unlimitedの対象になってたので
いそいそとダウンロードして読んだ。
表紙の印象から、
「世にも奇妙な物語」系かな?と思って読み始めたけど、
全然ちがった。
主人公の言動から、少し発達障害(診断つかないグレーゾーン)やアスペルガーがありそうな印象。
三大欲求も薄く、言葉をそのままの意味で受け取ってしまう。
周りの人を模倣して、普通になじもうとしてる姿が淡々と描写される。
仕事はコンビニのバイト。
コンビニのバイトによって、主人公は「生きている」。
まさに天職なのに、周囲の《普通》の人たちがそれを良しとしない。
それは主人公の年齢が、
世間的にはターニングポイントが多い30代だから。
ずっとバイトでいいのか、
何も変化はなくていいのかと迫ってくる。
仕事して自分の食いぶち稼いでるのに、周りは何が不満なんだ!
十分ちゃんとしてるじゃん!
《普通》が押し付けられて、息苦しさを感じる。
話の中で、コンビニが細胞の入れ替わり/循環に例えられるシーンがある。
誰しも一度は考えたことがあるんじゃないだろうか。
途中から、ネットの嫌な部分を煮詰めて凝縮させたような「白羽」という男が出てくる。
とにかく嫌な奴。
それでも主人公は淡々と接する。
この主人公のブレなさに、少し恐れを感じた。
それと同時に、「その発想になるか?!」という提案もする。
その提案から、この白羽と最終的にどうなるのか、
ソワソワしながら読み進めてしまった。
主人公に対しても
周囲の《普通》の人たちに対しても
誰もが体験したり、共感したり、思うところがありそう。
最後は人によってとらえ方が異なるだろうけど、
私は「生きられる」場所があるなら、最高だなと思った。
今は【生命式】を読んでる。
まだ途中だけど、面白い。
短編集。
今とは違う常識になってる世界線のお話。
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