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読書や映画鑑賞、ジム通いが趣味。英語、中国語、プログラミングを勉強中。アウトプットの場を求めてnoteに登録しました。 短文はtwitter(@15Tomsong)に投稿しています。

最近の記事

他人の同人小説を読むー『文と生活』

前回の記事に続き11月23日の文学フリマにて購入した本について書こうと思い、何度も書き直している。何度書き直してもあまりにも強い言葉になってしまい、それ以上にこの本について語る価値を見出せなくなってしまった。 そこで要点をまとめて、書き捨ててしまうことにする。 ・編集されているのか内容以前の問題である。算用数字と漢数字の統一ができていない。文頭の字下げができていない。 まるで一夜漬けで提出される学生のレポートのような出来である。それはつまり、単位の提出期限に間に合わせる

    • 知人が書いた本を読むー『彩宴VOL.2』

      彩ふ読書会のメンバーが書いた『彩宴VOL.2』を読みました。小説、エッセイ、評論、推し本紹介など読書会の色を感じられる一冊。 本記事ではそれぞれの作品に対して、完全に個人的な感想や意見を書きます。著者の気分を害してしまう可能性がありますが、全くの個人の主観による感想に過ぎないと流していただければ幸いです。また、ネタバレも含まれるので、未読の方は先に本誌をお楽しみいただければと思います。 ・鋤名彦名「サン・ジョルディの日」題名と同名の文学系アイドルグループが解散する。それが

      • 等速で進む時間ー《ドライブ・マイ・カー》

        村上春樹の小説を基にした映画《ドライブ・マイ・カー》を観た。夏ごろに上映されてから気になっていたものの、約3時間の上映時間がネックで敬遠していた。 映画を観るときに何を求めるかは時によって異なるだろう。感情を揺さぶられたいとき、爽快感を得たいとき、ただただ時間をつぶしたいとき。 様々な映画がそれぞれの上映時間を持っている。しかし、観終わった後に感じる体感時間は上映時間と異なることが多い。ハリウッド的アクション超大作であれば退屈な導入部分は長く感じ、見せ場となるアクションシ

        • 劇場版《映画大好きポンポさん》-映画は誰がために

          先日、《映画大好きポンポさん》を観に行った。前評判も高く、はやる気持ちを抑えるために漫画を3巻まとめ買いして予習をした。漫画は申し分なく面白く、映画への期待値は否が応でも高くなった。 そして、いざ映画を鑑賞した。基本的には1巻の内容をベースに、90分の中に映像的楽しさだけではなく、心に響く作品となっていた。 劇場を後にして新宿の街を歩きながら胸に宿った思いは、漫画を読んだ時とは異なる感情だった。 この記事では漫画と映画を比較する。そのため、どうしても内容に触れざるを得な

        他人の同人小説を読むー『文と生活』

          PDCAサイクル?--樺沢紫苑『アウトプット大全』

          以前、読書会で紹介された『アウトプット大全』を読みました。電車内広告や書店の売上ランキングでもよく見たビジネス書。読む前は「どのようにアウトプットするか」という技術を説明するハウツー本と予想していたのですが、読後には行動を促す自己啓発本という印象を受けました。 https://www.amazon.co.jp/%E5%AD%A6%E3%81%B3%E3%82%92%E7%B5%90%E6%9E%9C%E3%81%AB%E5%A4%89%E3%81%88%E3%82%8B%E

          PDCAサイクル?--樺沢紫苑『アウトプット大全』

          名前のついた関係

           人間関係には様々な名前がついている。例えば家族や恋人、友達、先輩後輩などが挙げられる。どうやらその名前のついた関係の中には役割があるらしい。  学生時代に運動部に所属していた人にとっての共通認識は、先輩からの理不尽な「シゴキ」ではないだろうか。これが嫌で部活動をやめる人もいるくらい意味不明な行為である。さらに、練習の準備は1年生が担当するが、練習自体には参加できない(球拾いをする)なども意味がわからない。  恋愛関係においては、(日本では多くの場合)男性が支払いを行う。

          名前のついた関係

          再開された図書館へ

           6月に入り、自粛期間中に休館していた図書館が開館された。予約していた本が届いたと連絡があり、受け取りに行った。  図書館へ行くのは約3ヶ月ぶりだろうか。休みに入る直前には予約の受け取りのみの対応となっていた。今回、再開されたのも受け取り業務のみだった。  図書館に入ると、受け取りと返却レーンがそれぞれ作られていて、滞在させない対策は十分取られているように感じた。  しかし、本棚の間を歩き回り、興味があるジャンルの棚から予想外の一冊と出会う機会はまだ先になりそうだ。それ

          再開された図書館へ

          誰かのために生きる--『むらさきのスカートの女』

           今村夏子の『むらさきのスカートの女』を読んだ。語り部の女性が近所に住むむらさきのスカートの女と友達になるため、ストーキングをし、自身の職場に来るように誘導する。  仕事を始めては止め、しばらくは無職で過ごし、また働いてはやめる生活を繰り返すむらさきのスカートの女。見た目も不潔で、暗い雰囲気をまとっている。  彼女が語り部の職場に入ると、先輩たちと交流をもち、仕事もテキパキとこなしていく。その姿は冒頭で語られたイメージと異なる。やがて、上司との不倫などと通して調子にのるむ

          誰かのために生きる--『むらさきのスカートの女』

          自己紹介をゲーム化する

           始業式や入社式、転校や転職、はたまたイベントなどで初対面の人と会った時、どのように自己紹介をするだろうか。一対一の場合、互いに質問形式にしたり、共通の知人などを話題にして会話を繰り広げていくだろう。  では、多人数の時はどうだろうか。これまでの経験では、一人ずつ短い持ち時間の中で名前や出身、趣味などを発表する形式が多いように感じる。この形式でも面白い話をする人もいるが、大半の人はありきたりな自己紹介になってしまう。  そこで、やってみたいなと感じた自己紹介を紹介したい。

          自己紹介をゲーム化する

          「こども」だけが持つ幻視の力--『くるみ割り人形とねずみの王様』

           TVアニメ《PSYCHO-PASS 3》の敵役・梓澤廣一が劇中に読んでいた本、E・T・A・ホフマンの『くるみ割り人形とねずみの王様』を読んだ。チャイコフスキーの有名なバレエの原作であるらしい。  クリスマスプレゼントでもらったくるみ割り人形。乱暴な兄によって壊されてしまったそれをお世話する少女・マリーが、深夜に出会った人形たちとねずみの戦争。熱病で寝込む彼女に叔父さんがくるみ割り人形のコンテクストを物語る。  叔父さんの物語と熱病でぼんやりとした頭が見せた幻想か、不気味

          「こども」だけが持つ幻視の力--『くるみ割り人形とねずみの王様』

          夢の中のあの場所

          夢の中で行くあの場所は、その景色の細部を思い描けるほど何度も行っている。しかし、実際には存在しない場所。 誰もが持っている夢の中の自分だけの場所。その夢をまた見てしまった。 私の場合、夢の中の場所のひとつに中二階があるプールのような施設がある。そこは幼い頃から何度も訪れているため、懐かしさを感じる。 懐かしさと温かみを感じる心の故郷のような、なくしてはいけない場所を皆もっているのだろう。

          夢の中のあの場所

          断捨離とメルカリとメンタルと

           断捨離を始め、捨てるのも気が引けるが、リサイクルショップへ持ち込むのも迷ってしまう物がある。  モノによっては買い取ってもらえないこともある。例えばノーブランドの衣服や文具などが挙げられる。他にも外国語の本(輸入本)は、一般的な古本屋では値がつきづらく、取り扱いがない店も少なくない。  手早く手放したいものは最低価格を設定するものの、発送の手間を考えると普通に捨てたほうが気楽だと感じる。  また、新古品を出品する際には、値段を高めに設定する。すると値下げ厨が湧いてくる

          断捨離とメルカリとメンタルと

          制限されているからこそ--「停電の夜に」

           先日読んだインド系アメリカ人のジュンパ・ラヒリの短編小説「停電の夜に」について、最近の出来事から様々なことを考えている。  この作品は、妻の流産を期に夫婦の間に亀裂が生じていた。そんな時、電気工事のため、夕食時に停電することを知らされる。普段とは異なる状況、暗闇の中でロウソクを灯して向き合う。そのような非日常空間で、普段は口にしなかったことをお互いに暴露し合う。  すると、それまでのギクシャクとした感じが薄れ、話をすることができる。やがて、停電の夜が終わる=工事終了の知

          制限されているからこそ--「停電の夜に」

          劇中バンドが好き

           映画やアニメ、ゲームの作中に登場するバンド作品が好きだ。例えば、赤西仁が主演した映画《BANDAGE》に登場するLANDSや《Angel Beats!》のGirls Dead Monster、《DEAR DROPS》、《カノジョは嘘を愛しすぎてる》のCRUDE PLAY。  どれもいわゆる劇中バンドで実際には存在していない。そのため、定期的な新曲やライブなどの活動は行っていない。そのため、ある意味では「今しか見れない」バンドなのである。  その魅力は何か。その一つは物語

          劇中バンドが好き

          本当にほしいモノ--断捨離とミニマリスト

           最近、NHKの番組「世界はほしいモノにあふれている」にハマっている。三浦春馬とJUJUがMCで、毎回海外へ商品開発や買付を行うバイヤーを招き、彼らが様々な国で見つけた魅力的なモノやスタイルを紹介する。  そこで紹介されるのは、最新のトレンドから掘り出し物まで幅広い。ミニマリストまで極端ではないが、断捨離をしている私は、本当に素敵なモノに囲まれる生活に魅了される。  登場する人たちは限られたこだわりの一品を使い、モノに溢れた生活とは一線を画している。既製品でも豪奢な高級品

          本当にほしいモノ--断捨離とミニマリスト

          新たな日常へ

           「満員電車が戻ってきた」と言うと、「緊急事態宣言下でも満員だったのだが」と反論されてしまう。しかし、3月ごろから目に見えて乗客が減っていた。  図書館やスポーツジムも再開し、来月にはプロ野球が開幕する。日常にかつての余暇が戻ってくる。しかし、その形は元通りではない。例えば、施設入場にマスクが必須である点やプロスポーツの無観客試合といった形に変わっている。  ありきたりな言葉で「かつての日常(ビフォア・コロナ)」、「新たなる日常(ウィズ・コロナ)」、「未来の日常(アフター

          新たな日常へ