劇中バンドが好き

 映画やアニメ、ゲームの作中に登場するバンド作品が好きだ。例えば、赤西仁が主演した映画《BANDAGE》に登場するLANDSや《Angel Beats!》のGirls Dead Monster、《DEAR DROPS》、《カノジョは嘘を愛しすぎてる》のCRUDE PLAY。

 どれもいわゆる劇中バンドで実際には存在していない。そのため、定期的な新曲やライブなどの活動は行っていない。そのため、ある意味では「今しか見れない」バンドなのである。

 その魅力は何か。その一つは物語とのシンクロ性だ。劇中の重要な場面での楽曲は、そのシーンを想像しながら聴くことができる。歌詞には物語への暗示が含まれていることがあり、そこから歌い手=キャラクターへ感情移入することもできる。

 では、その作品自体見ていなければ、楽曲を楽しむことができないか。その答えは否だ。私は最初の例にあげた《DEAR DROPS》のゲームをプレイしたことがない。それでもバンドにバイオリンを入れている特殊性や、歌手のハイトーンボイス、ビブラートした歌い方を十分に楽しむことができている。

 《カノジョは嘘を愛しすぎてる》の主人公のバンド・MUSH&Coの楽曲「明日も」は、後に主演の大原櫻子自身の名義でも歌っているように、劇中歌の枠を超えている。

 アニメだけでも、劇中歌手を挙げていけばきりがない。中には、作品を見ていないからと敬遠してしまう人もいるだろう。しかし、その条件は必要条件ではない。確かに作品の内容を知っていればより楽しむことができるだろう。だが、知らなくても十分に楽しむことができる。

 まずは楽曲を聴いてみて、興味があれば作品にも触れてみる。このような流れができれば、劇中バンドも市民権を得て、実世界での活動を続けていけるのかもしれない。そのような世界は楽しそうだ。

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