
子育てって「エモい」。人生って「エモい」。
私はとてもとても流行に疎いので、「今さら!?」と思われてしまうかもしれないけれど、「エモい」という言葉を最近知った。
You Tubeで適当に音楽を聞いていたら、「エモい曲」というワードが目にとびこんできて、「エモいって何だ?」と思ってググったのがきっかけだった。
若者の間では、
・感動したとき
・なんとも言えない気持ちになったとき
・悲しい気持ちになったとき
・懐かしい気持ちになったとき
などなど、心が大きく動いたり、複雑な気持ちになったり、ちょっぴりおセンチな気持ちになったりしたときに使うそうな。
かなり幅広い場面で使われるからこそ、私にはまだ使い方がよくわからない。
でも新しい言葉を知ると、「使ってみたいな」と思ってしまう。
というわけでこの場をかりて「エモい」という言葉を自分なりに使ってみるとしよう。
以下、最近の「エモかった話」を4つほど。
最近のエモかった話①
幼稚園の先生から電話がかかってきた。電話の最後に、先生が笑いながら言った。
りんたろうくんが私にね、「ぼくの母ちゃん、めっちゃかわいいねんで!」って言ってましたよ〜。「母ちゃんのどんなところが好きなの?」って私が聞いたら、「ぜんぶ!」って言ってました。「たとえば?」って聞いたら、「頭と、目と、鼻と、首と・・・」って体の部位を上から順番に全部指さして説明してくれて、笑っちゃいました!
「体かーい!」とツッコミながらも、そんなエピソードをきいてうれしくないはずがない。
大きな目をほめられることは多いけれど、息子は私の太い眉毛や、低い鼻や、小さい口や、小さい胸や、くびれのないポヨンとしたお腹や、大きなお尻や、セルライトいっぱいの太ももや、子持ちのししゃもみたいなふくらはぎも好きでいてくれているんだ。
どんなに両思いでラブラブだった彼氏からも、結婚までした旦那さんからも、こんなにまるごと好きになってもらえたことはないような気がして、なんだかエモい気持ちでいっぱいになった。
最近のエモかった話②
朝、幼稚園の支度をしていると、息子は私をうらめしそうな目で見つめながら言った。
「母ちゃんはずるいよね。幼稚園に行かなくていいから。」
「母ちゃんも昔は幼稚園行ってたよ。」
「幼稚園休んでいい?」
「うーん・・・母ちゃんもバーバのことうらやましいって思ってたなぁ。バーバはずっとお家にいれていいなって思ってたなぁ・・・」
「幼稚園休んでいい?」
「うーん・・・今日母ちゃんめっちゃ忙しいねん。ぜんぜん遊んであげられないから、幼稚園行った方が楽しいと思うで。」
「・・・」
私は別に毎日幼稚園に行かないといけないとは思っていない。休み休み行けばいいと思っている。
でも私はその日、どうしても1人でゆっくりやりたいことがあった。
とっさに、息子にやさしい嘘をついてしまった。
しょんぼりと幼稚園バスの階段をあがっていく息子の背中を見ながら、なんともエモい気持ちになってしまった。
最近のエモかった話③
「父ちゃんとねる気分ない。父ちゃんはここ(リビング)にいてね。」
息子は私だけを寝室にさそった。遠回しに「父ちゃんはこっちに来ないでね」と言ったのだ。
リビングに残される父ちゃんのせつなそうな顔を脳裏に残したまま、息子と布団にもぐる。
「母ちゃん、大好きだよ。」
「母ちゃんもりんりんのこと大好きだよ。」
そんな会話を交わしながら、「不倫しているときってこんな気持ちなんじゃないかしら」とボンヤリ妄想してみる。
不倫中は、隣に不倫相手がいるけれど、脳裏には夫がいる。家に帰ると、隣に夫がいるけれど、脳裏には不倫相手がいる。
そんなのエモすぎる。
やっぱり隣にいる人と脳裏にいる人が一致している方がいい。
不倫の予定もないくせに、「不倫はエモいから、不倫はしたくない」と勝手に結論づける私。
それにしても、わが家はオスばかり。夫も息子も猫2匹もみんなオスで、メスは私1人。
私は今、人生で1番モテている。
最近のエモかった話④
「街の様子を見てから、歯みがきするー!」
夜ごはんの後に歯みがきに誘うと、息子は最近そう答えるようになってしまった。
歯みがきをしたがらない日があって、私なりになんとか息子をもりあげようとした日があった。
「あ!街の様子を見てから、歯みがきするのはどう?」
別に大したことじゃないのにノリノリの息子をおんぶして、大きな窓の前に立った。マンションの8階に住んでいるので、箕面の街がわりと一望できる。
そして、息子が赤ちゃんだった頃の2年間、住んでいた家が見えるのだ。
「りんりんが赤ちゃんだったころ、あそこに住んでたんやで。」
私が遠くの方を指さしてそう言うと、息子は「ぼく赤ちゃんだったからおぼえてないわ!」と言った。
「母ちゃんは今の家の方が好きやわぁ。」
私がそう言うと、息子は「ぼくも!」と言った。
2年前くらいに箕面市から箕面市に引っ越した。名付けて、"1キロメートル引っ越し"。
駅から10分間坂をのぼり続けた場所に、そのマンションは立っていた。マンションのすぐ裏に森があるような場所だ。リノベーションをしてくれていて新築同然だったことと、その家からの景色が美しすぎたことと、猫2匹を飼ってもいいマンションだったこともあって、そこに住むことを決めた。けれど、スーパーに行くたびに「下界に降りる」という言葉が頭によぎるような生活に限界を感じて、引っ越しを決めた。
今の家に引っ越して、生活が3倍くらい楽になった。
総合的に今の家の方が気に入っている。
でも前の家を思い出すと、1つだけすごく懐かしくなることがある。
朝起きて窓を開けると、"森のニオイ"がするのだ。
「朝起きて窓をあけるとさ、林間学校を思い出すニオイがするねん。あのニオイ、キュンっとする。」
わかってくれる人とわかってくれない人がいたけど、私はよくそう言っていた。
息子と毎晩「街の様子」を見にいくと、「前の家」が自然と目に入る。
そのたびに、あの森のニオイをふわっと思い出して、なんだかエモい気持ちになる今日このごろだ。
以上、最近のエモかった話。
子育てって、毎日エモいことの連続だ。
子育てに限らず、人に囲まれて過ごす毎日はエモいことの連続だ。
子育てってエモい。
人生ってエモい。
そして
子育てっておもしろい。
人生っておもしろい。
しみじみとそう思う。
・・・ただ「エモい」という言葉を使いたいがために書いた文章に、ここまでお付き合いいただいてありがとうございます。
使い方があっているのかはさておき、若者言葉を使うとちょっぴり若返ったような気がするものです。
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