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ロシアにとっての第二次世界大戦がわかる戦勝記念日

今日はヨーロッパの終戦記念日、ロシアの「戦勝記念日」だ。そういえばロシアは戦勝国なのである。ソ連からの貧しいイメージが、他の戦勝国であるアメリカ、フランス、イギリスと大きく違うということもある。

ドイツでは敗戦の日だし、祝われていなかったわけだし日本ではもちろん何も関係のない日だからこの祝日を体験するのは初めてのことだった。

盛大に祝われる戦勝記念日

ロシアでは1か月ほど前からずっとこの祝日にむけて積極的なプロモーションがされてきていた。毎年街では大規模なパレードが行われ盛大に祝われるそうだ。今年は残念ながらそれができない、というニュースを何度も見た。

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劇場の前にはこんなモニュメントのようなものも設置されていて、いかにこの日が大事なのかよく伝わってきた。

スーパーに行ったらなんとロシア国旗をもらったりもした。

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結構大きい。

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オーケストラのグループチャットには戦勝おめでとう!といったメッセージやこのようなステッカーがたくさん送られてきた。がっつりソ連なのはちょっとおもろい。

ロシアでの戦勝記念日の認識

ロシアでは、「ロシアが2000万人の犠牲を払ってナチスを打ち破ったおかげでヨーロッパ・世界全体が救われた」

という感じだ。元はといえばソ連とドイツがポーランドに侵攻したことで第二次世界大戦始まったやん…とは思う。だが兵士たちはただただ国のために戦うことを強いられたわけだからその先祖たちの犠牲に対して敬意を払うという気持ちは理解できる。

オーケストラの同僚はFacebookにも結構な長文で

「今の平和な世界があるのは身を賭してナチスから国を守ってくれた偉大な同胞たちのおかげで…」ということを書いていた。その中には

「日本との戦いでは256人のブリヤート人が犠牲なった」と具体的に書いてあったから驚いた。

印象としては、あくまで防衛戦だったということを言っている。日本人からするとよくそんなことが言えるなあとは思うが。これに関してはヨーロッパ諸国との認識の差がある。戦勝国もロシアとチームだったとは思っていないだろう。

戦争を肯定するという違和感

戦勝記念日に大規模な軍事パレードをしたり、当時の軍服のコスプレをして写真をとってSNSにあげたり、軍歌のようなものを歌ったり。

思いっきり

戦争は正しかった!そのおかげでこの平和な世がある!これからも軍隊に感謝しよう!

と戦争を正当化したり肯定していく姿を目の当たりにすると、やはりロシアは軍事国家でいきなりウクライナに攻め込んで占領する国なのだと実感する。

日本では子どもの頃から「二度と戦争をしてはいけない。戦争に正義はない。」と教わってきたし、ドイツでも戦争を肯定するような考えは絶対に持ってはいけないという教育がされている。

しかしたまたま「戦勝国」になった国が、戦争を肯定してパレードしていては世界は進んでいかないのではないだろうか。勝っても負けてもやったことは同じわけなのだから同様に反省するべきだし、そういった認識が現代の人類化と思っていたがそうではないようだ。

久しぶりに見た同僚の姿

ネットのニュースで、「ブリヤートで小規模の軍楽パレードが行われました」という記事をみて、動画を再生してみたら同僚がうつっていた。

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指揮をとっているのはトロンボーンの同僚だ。真面目な表情でなんだか笑える。

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この3人も同僚。ちなみにトロンボーン奏者はとても几帳面で「結婚できない男」の主人公にそっくりなため「桑野さん」と呼んでいる。

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そして首席ホルン奏者がなぜかシンバルを叩いていた。普通にうまくておもしろかった。

1か月以上見ていなかったがみんな元気そうでよかった。


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