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絶妙におしい日本語の落書きとシベリアの梅雨明け

シベリアの梅雨…と書いたばかりだったが一瞬の雨季は終わったらしく、これからはずっと晴れるようだ。気温も一気に25℃くらいになり日本よりも暑い日々になる。

シベリアにも蜜蜂が

緑が深まってきた木もあれば、やっと花が咲いている木もあるしたんぽぽもまだ咲いている。この個体差はなんなのだろう。日向はびっしりと雑草が生い茂っているのだが、すぐ横の木の陰になる地面にはほとんど何も生えていなかったりする。この土地の太陽の光は本当にすごいエネルギーだ。

最近咲き始めたこの黄色い花には蜜蜂が来てせっせと花粉を集めていた。シベリアは極寒の地だが春から夏はとても気温が上がるために虫は多い。

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蚊もたくさんいるし、ゴキブリも出るという話だ。北海道にはいないというからゴキブリは寒さに弱いものかと思っていたがそうでもないらしい。暑い時期があれば冬はどこかで生き延びることができるのだろうか…

どこからやってきたのだろう。

シベリアの抑留体験記を読むと、「空を覆いつくすほどのブヨの大群に襲われた」など恐ろしい記述もでてくるほど、ここの人たちは蚊やブヨなどに悩まされているようだ。しかし網戸はない。

ぜひその技術を日本から持ってきて広めたい。窓を開けても虫が入ってこないというのはとても画期的だ。誰でも思いつきそうなものだが、ドイツでも網戸はなかった。

兄の誕生日

兄はバレエダンサーで、ここの劇場でもう6年働いているベテランだ。10代の頃から留学していたが、谷桃子バレエ団に在籍していた23歳の以来ずっと誕生日はロシアで過ごしているらしい。

というわけで兄を家に招き久しぶりに誕生日を祝った。しばらく人と会っていなかったし兄と会うのも2か月ぶり。

妻がご馳走もケーキも作ってくれたのにサラダ以外写真を撮り忘れてしまった。3人でも撮り忘れた。

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そういえば自分も19歳の誕生日以来一度も日本で過ごしていない。20歳の誕生日はドイツに住み始めてばかりで、ベルリンコンツェルトハウスでショスタコービチの交響曲第5番を聴いた。しかしそれ以外は特に記憶にない。

日本で誕生日をむかえるのはいつのことになるだろう。

セレンガ川

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最近行っていなかったセレンガ川はまた風景が変わっていて、水面に緑が反射していてきれいだった。空の向こうに雲がカーテンのようになっていて不思議だ。

今までにないくらい本当にたくさん人が歩いていた。みんなアイスを食べ歩きしている。ようやく外でアイスが食べられる季節だ。コロナウイルスのことなどみんな忘れているような雰囲気。

日本語の落書き

日本車はよく見るから町中で「ヤマザキパン」などよく日本語は見るのだが、落書きは初めて見た。

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実に惜しい。甲斐という難しめの感じは大体書けているのになぜ「生」が「牛」になってしまったのだ。横棒一本足すだけなのに。

ただなぜ「生き甲斐」を選んだか気になる。なんとなく漢字がかっこいいからという理由で書く場合は「愛」「台所」「極度乾燥」などが多いが、ひらがなが混ざるものは珍しい。

やはり意味を知っていて書いたのかもしれない。このなんとも言えないいびつで不完全な「牛き甲斐」が大きく書かれているのをみるととんでもない嘆きのように見えてくる。「私の生き甲斐はなんだ」と言っているような。

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その前にはお化け屋敷のようなロシアの伝統的な木造住宅があった。こんなに寒くなるのになぜ木造なんだろう。

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そして日本ではあまりみないこの雑草がやたらと生えている。全く水分のなさそうな砂漠のような地面にもピーンとまっすぐ生えてくる不思議な植物。

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