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シベリアにもついに新緑が…/ ブリヤートでクラスター発生⑳

気温が20℃を超えて雑草は生えてきても木はずっと冬の姿のままで、あまりに急激に変わる気候についていけていない様子だった。日本で20℃をこえる頃になると桜も咲いて新緑で溢れ、たんぽぽがやシロツメクサが見られるわけだがブリヤートは違う。

サングラスをしないと目を開けられないほどの眩しさとこの気温で緑がなかったのはとても寂しかった。

ついに新芽が…

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そんな初夏のような陽気なのに冬の景色という違和感満載の時期も終わりを迎えたようで、ついに道端の雑木に新芽が付いているのを見ることができた。

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いつもと違うスーパーにいったがこちらの方は随分草木が芽吹き始めている。

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久しぶりに見るこの黄緑…。とても感動的だ。雑草が生えてきたときも感動したがそれ以上にうれしい。

砂漠のような不毛の土地にしか見えない地面にも雑草がどんどん生え始めた。-40℃で氷に閉ざされ続けていた土地が、こんな一瞬で草が生えるようになるというのは本当に不思議だ。

ブリヤートは本当に雨が少なく乾燥しているから、なぜ草が生えてくるのかよくわからない。シベリアの雑草は強い。

枯葉も冷凍保存されていたから、氷が溶けて春になってからそれが分解されて栄養になったのかもしれない。なんというところに住んでいるんだ。

実に5か月間ずーーーっと冬だったからこのまま永遠に冬なのではないかと思ってしまいかけたがちゃんと季節がいくことは感動的。ブリヤートの真冬は南極の夏よりも気温が低い。

南極も真夏なら全然生きていけるということがわかっただけでもここに来た価値があるというものだ。

ブリヤートでクラスターが発生

ブリヤートでは毎日5~10人程度の感染者の増加だったが、ここ数日は一気に20人近く増えるようになった。

第4市立病院というところで医療従事者が感染を隠して働いた結果、患者に移してしまったのだ。それだけで数十人に上っている。

そしてモスクワから戻ってきて郊外に住むブリヤート人が陽性。これで農村部にも感染が拡大した。モスクワから戻ってきて自主隔離をしないで逮捕された人もいるそうだからこれからどんどん増えていく気がする。

こうした事態に伴い、ブリヤート政府は緩和した規制を再び強化すると発表。理髪店や通信業者も再び閉鎖することが決まった。

じわじわ増える中でこのタイミングでの規制緩和は楽観的すぎると思っていたからこれで良かったと思う。

今後の制限措置の発表

ロシア全体の発表はまだだがブリヤート政府は”5月1日の終わりまでに情報を開示する”と言っている。

外出禁止は4月30日までなのだが1日はとりあえず休みということなんだろうか。劇場は3日までと余裕を持って設定しているからいいものの、本当に雑だ。

戦勝記念日に音楽家に演奏要請

劇場にプーチン大統領から直々に「戦勝記念日の5月8日の12時から音楽家は窓から”勝利の日”を演奏してそれをSNSなどに投稿するように」というお達しがきた。ちゃんと書面だ。

ドイツでは第九を演奏したりイタリアではオペラを歌ったりと素敵な感じだったが、

戦勝記念日に軍歌

というところがロシアらしすぎてやばい。やっぱりそういう国なんだよな、と実感した。

マンションの横にはソ連兵が赤い旗を掲げている像があるのだが、小さい子どもが軍服をきて親が写真を撮っているのをみて

「おおおう・・・」

となった。普段生活してると何も感じないがロシアはいきなりウクライナに攻め込んで半島を占領してしまうような国なんだった。

その連絡がオーケストラのグループチャットに送られてきたら、ホルンとトランペットの同僚たちが

「1か月も楽器吹けてないのにそんなの吹けるわけない」

と書いていた。本当にそう。

自分はそもそもその歌を知らないし、国歌ならまだしも戦勝の歌なんて絶対に演奏する気はないな。






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