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MaaSモビリティ革命⑧都市のリ・デザイン

<MaaSが都市にもたらすもの>

現在の地方都市中心部は、2~4割近くが駐車場スペースであり、1台のマイカーを維持するためには駐車場の確保で約3倍のスペースが必要。

車の電動化、自動運転だけでは根本は解決しない。そこで、自動運転とシェアリングが融合したSAVという乗り合い型の自動運転車両が期待される。

MaaSを通して、人々の意識や行動を変え、地球環境や安全に配慮した行動を促していく。現代の多種多様な価値観に合わせて賢く上手な移動を実現を目指す。

過度なマイカー依存の社会から脱却すれば、車で埋め尽くされた空間は人中心の町に生まれ変わっていく。

米国オハイオ州コロンバス市では、積極的にMaaSを取り入れていく都市として全米で注目を集めている。

医療・福祉サービスが充実し、経済格差の改善に力を入れている。住民や来訪者に対し、移動手段の計画予約から支払いまでを一括で行う。


<都市のリ・デザイン>

【住宅開発】
自分のライフスタイルに合致したMaaS付きの住宅を選択できるようになる。自転車シェア付き、カーシェア付きなど住宅デザイン変化していく。所有をしない新たなビジネスである。

【駐車場】
外回りに使う車を減らす「企業向けMaaS」を取り入れる。企業が交通事業者と契約しカーシェア、タクシーを利用し放題にする。

路外駐車場は別の空間に生まれ変わり、カーシェアや配車サービスの待機スペースとして路上駐車場が増加する。

【街路空間】
人口減少では、街中の自動車交通量が減少し街路空間が変化していく。

近年は、配車サービスの急拡大で配車サービス待機スペースとして路肩の価値が非常に高い。

【交通結節点】
モビリティハブの整備、チケットレス、キャッシュレス化で物理的効果が課題になっている。改札がなくなれば新幹線から支線への乗り継ぎが簡略化できる。


<産業別アクションプラン>

【自動車・部品メーカー】
大きな課題は「車の所有から利用への進化が一足飛びに起きること」である。

すべてをMaaSを取り入れた形で考えなければならない。車両の開発から外部とのシステム連携までを考えるのが重要。

【自動車ディーラー】
モビリティサービス向けの車両販売、メンテナンス、カーシェアなどの交通サービスを提供する拠点に変化。

車内空間をニーズに合わせて変化させるため、ディーラーの役割は拡大していく。また、MaaS車両の稼働率増加によってメンテ需要も増加。

【鉄道】
利用者の増減に応じて、柔軟にダイヤや車両の変更ができないのが課題。

駅から駅の輸送+「ファーストワンマイル」「ラストワンマイル」の組み合わせることで利便性が向上。

しかし、現在の日本の人口減少局面では鉄道利用者増加は期待しにくい。

【バス】
人口減少と高齢化により収益面でマイナスになるのが課題。

MaaS実現によりバス経路の「見える化」と複合経路に組み込まれることで利用促進効果が見込まれる。

地域内の多くの交通を安価に提供する担い手として中心的な役割を果たす。

【タクシー】
ドライバー不足、免許制度が課題。

タクシーは、より利用者に密着してサービスを展開できる最もパーソナルな移動ニーズを満たせる。

高密度都市や過疎地域などに対し、特性に合わせたサービスを組み替えていくのが重要である。


<MaaSによる変化のポイント>

これまで話してきたように、MaaSが世界に導入されることでさまざまな変化が起きる。

ポイントを3点にまとめると
①移動のパーソナライズ化
➝ニーズに合わせた移動手段
②都市・交通の全体最適化
➝交通以外のビジネスとのワンパッケージ化
③都市や場所の再定義
➝駐車場の削減で空きスペースの有効活用
となる。

これらの変化に乗り遅れることのないように、MaaSについて考えて行動していくことが大切なのではないかと思う。


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