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またワインの話。

もう4年前のこと。
夜、ベネチア空港に迎えに来てくれたイタリア人青年Fさんの車でホテルに向かった。
僕は、Fさんとは来日中に知り合いその時が2度目で彼の地元での再会だった。
日本から空路乗り継いだ長旅で早くベッドに横になりたかったけど、空腹はどうにもならない。
ホテルは、Fさんが予約した農村を走る街道沿いの古い屋敷を改装したような風情。
ささっとパスタを食べて、ということになって他に客がいないホテルのレストランに入った。
再会に乾杯。
その時に飲んだ白ワイン。
なんとも言えない幸せな気分になったグラスワイン。
「これは?」
「ソアベ。ここベネトのワイン」

翌日のランチは、Fさんの叔父さん宅のダイニングで、自家製のプロセッコを頂いた。
手書きラベルのボトルから注がれた優しい微発泡。
また嬉しくなった。

イタリアはこの時が初めてだったわけではないけど、その体験はワイン好きの僕にはエポックメイキングな出来事だった。
食べ物でも地の物が美味しいというのはわかっていたはずなのに。
それまで意識していたワインの銘柄や品種などへの思い込みのようなものから解放されたような気がした。

そういえば、ボローニャでは、ホテルで飲むワインを買おうと、大きめの酒屋で「サンジョベーゼでおすすめは?」と店員に聞いたら「ここはエミリアロマーニャだよ」と言われたことがあった。

写真は贔屓のローカルワイン、ベローナのガルガーネガ「MENTI」。
黄色く濁った酸味のある個性的な白。
久しぶりに飲めて良かった。
書きたくなった。

#読書 #旅行 #ワイン #世界史 #エッセイ #サッカー #menti #イタリア

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