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いつもの国道を運転中だった。

いつもの国道を運転中だった。何気なく左手を向いたら、亡父と同居した半年間に柴犬モコとよく散歩した住宅地の路地が見えた。
あの期間が無ければ、近所をあちこち歩き回ることはなかった。
犬を飼っている人は近所の小路に詳しい。

3ヶ月限定の初めてのマンション暮らし。朝晩のエレベーターやごみ置き場での簡単な挨拶は、「私は怪しい者ではありません」の確認合図。来週もう引越すが、今だに何度目かの人より初めての人と挨拶を交わす日常だ。

プロミュージシャンの幼馴染に、まあまあ呑んだくれながら聞いた。
「歌ってどうやって上手くなるの?」
「テレビ見て、声の出し方とかを真似たり・・・」
以前はボイストレーニングを受けていた彼が、そう答えた。
そういうものなのか。

ひさしぶりに会う外国人の友人との待ち合わせ。
僕がチャットで送った待ち合わせ時間の確認に、再会が楽しみとメッセージが返ってきた。
この電車に乗る、と書かれた到着時間は待ち合わせ時間のあとだった。

娘に教わってコカ・コーラのアプリをインストールした。
目標歩数をクリアしたら飲み物が無料になる。初めて数日経つがスタンプが増えない。かなり歩かない自分を再確認。

あと50メートル。停車していた駅行きのバスの左ウインカーが消えた。
ダッシュし、車体後方に着いたら閉まったドアが開いた。
終点で4、5人の乗客が降りるのを待って、30歳代運転手に「さっきはありがとうございました」と言って降りた。

考えるより感じよ。

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