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創作言葉遊び「二字の掛け葉詩」

今回紹介するのは「二字の掛け葉詩」です。「にじのかけはし」です。

捻り過ぎてて満点のタイトルではないですが、我ながら絶妙なところに目を付けた言葉遊びです。

二字の掛け葉詩ルール
2・2・2のリズムで、二字のうち片方の文字を、50音順にひとつずつずらして詠む詩。


言うまでもなく、短歌は5・7・5・7・7、俳句は5・7・5。そして先日は3・3・3の詩を紹介しましたが、ついに2・2・2です。ひょっとして日本語詩の最短ではないでしょうか。
もっとも、僕の尊敬する放送作家、倉本美津留さんの企画で「ヘル俳句」というのがあり、くじ引きの数字によってだんだん文字数を減らした俳句を詠む、というのを見たことがありまして、それは最終的に1字でしたが。

さあ、ルールを読んでもらっただけではイマイチわかりにくいでしょう、というわけで今回も具体的な作品から披露させていただきます。


海女 網 編む ( あま あみ あむ )

海岸で、海女さんが漁のための準備をしている様子ですね。

この文章、1文字目の「あ」は固定されており、2文字目は「ま」「み」「む」と、50音順でひとつずつずれています。

ルール上、ずらすのは1文字目でも2文字目でもいいし、ずらす向きは逆向きでも可とします。
すなわちこういうのも可です。

恋 系 悔い ( こい けい くい )

恋愛の類の経験に後悔が残っている人物。

2文字目の「い」が固定、1文字目が「こ」「け」「く」と50音を逆順にずらしています。

そんな感じで、いくつか見ていきましょう!



坂 先 咲く ( さか さき さく )

あの坂の上にいい感じの花の名所があるんですよ

歌 得た オタ ( うた えた おた )

サイリウム握って踊りまくりますぞ!

馬 今 天 ( うま いま あま )

空を翔ける伝説の聖獣

今朝 芥子 消す ( けさ けし けす )

ガサ入れの情報があったので

テク 付く 地区 ( てく つく ちく )

貧乏で治安も悪かったかもしれねえが、この街で生きたことが俺の才能を目覚めさせたのさ



ルールの補足について

補足①:50音順ということで、行をまたいでも良いかどうかは検討中です。
例:お→か→き、み→ま→ほ など。例えば、

過去 傘 貸し ( かこ かさ かし )

などが思いつきますが、子音が途中で変わるのは美しさが少し下がるかな、と。それでも、めちゃくちゃ綺麗な内容が思いつけばそれは捨てるのはもったいないし、別の部門として認めても良いと思います。
回文やいろは歌に、濁点の付け外しを認める派と認めない派がいるようなものです。

補足②:2・2・2と言いましたが、繋げられるならもっと増やしても良いと思います。最高で2・2・2・2・2の作品は一個だけ思いついてます。

秋 意気 浮き 益 起き ( あき いき うき えき おき )

秋になり気分が上がっていたら、良い出来事に巡り合った。という内容です。難易度の高い作品って、不思議と内容も普通に良いものができることが多くて面白いです。


以上、「二字の掛け葉詩」でした。

トップ画は、別のオリジナル言葉遊び、「名まま絵」の一つの「ニジ」。色を付けて縦書きにした「ニジ」という文字です。

名まま絵シリーズの中では強引な方ですが、カタカナの「ニジ」は線7本でできていることに気付いて作っちゃいました。

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