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黒板を写すのが苦手な子どもたちに簡単な支援ツールで学習をサポート

黒板が写せない子どもが抱える悩み

授業中に前列に座る一人の子。

その子は、先生の書いた内容を
黒板からノートに写すのがとても遅く
誤字や脱字が多くありました。

字の読み書きはできます。
読み上げてあげれば書くことはできます。

どうして黒板を写すのがこんなに
苦手なんだろう?

黒板を写すことが困難な原因

黒板を写すという行動は、4つのステップ
に分けられます。

  1. 黒板を見る

  2. 文字を覚える

  3. ノートに目線を移す

  4. 覚えた文字を書く

この子は、1の「黒板を見ること」
2の「文字を覚えること」はできます。
でも「言葉のまとまり」で覚えることができていません。

例えば、「こくばんをうつしてみよう」という文章
普通は「こくばんを」、「うつして」、「みよう」
と覚えて書きます。

この子は「こく」「ばん」「を」「うつ」
「してみ」「よう」
といった具合に「言葉のまとまり」
として覚えられません。

また、黒板からノートに目線を移したときに
書く場所を間違えたり、覚えられる文字数が
少ないために時間がかかりすぎてしまいます。

「書くこと」に時間をかけると、先生の話を
聞き逃してしまいます。

なので途中からは私が代筆し
話を聞くことに集中させたこともありました。

問題解決に向けて

「一番前の席」なのに
視力には問題なく、きちんと見えています。

黒板とノートの距離が遠すぎるのかもしれない。
同じマス目のノートを用意して
私が板書したものを子どものノートの脇に
置いて写させることにしました。

これでも情報量が多くて書き間違える子も

しかし、それでも書く行を間違えたり
抜かして書いてしまうことがありました。

どうやら情報量が多すぎて「どこまで書いたか」
「どこを写すのか」がわからなく
なっているようでした。

解決のカギ「読み書き用スケール」

そこで思いついたのが「読み書き用スケール」です。

ノートのマス目に合わせてサイズいろいろ


このツールは、黒板を写す際に余計な情報を
隠し「今、書くべき文字だけ」
に集中させるものです。

材料

  • 色紙もしくは厚紙

  • カッター

  • ラミネート(色紙の場合)

作り方

  1. 色紙もしくは厚紙をノートのマス目に合わせて「枠」を書きます。

  2. 枠をカッターで切り取ります。(色紙の場合はラミネートすると丈夫で使いやすくなります)

使い方

  1. 写しておいたノートの「今、書くところ」にスケールをあてます。

  2. スケールの空いた部分から見える文字だけを写します。

  3. 1行書き終えたら、スケールをずらします。


窓から見えるところを写す

これにより、余計な情報が目に入らず
「今、どこを写しているのかわからない」
ということがなくなります。

実際の効果

このスケールを使うようになってから、
「写す」ことがスムーズにできるようになりました。

使い続けることにより
自信がつき、黒板を見て短い文ならば
スケールを使わなくても
書けるようになった子もいます。



今まで勤務してきた学校では特別支援の
先生にも好評で「簡単に作れていいね」
と厚紙で作り、使っています。

音読にも使用され、読むのが苦手な子には
家での音読の練習用としても利用されています。

おすすめのポイント

  • どこでも安く手に入る材料で簡単に作れること

  • ノートのマス目に合わせて作ることができること

よかったら試してみてください。



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