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ともなん
2024年7月16日 14:47
#創作大賞2024 #お仕事小説部門 【エピローグ】 えーと。ゆりかもめに乗り換える方って言ってたからこの出口?あっ、あのエスカレーターか。 上りエスカレーターを降りると円形の広場に出た。お店も円を囲むように並んでいて、天井はドーナツのように真ん中だけ穴が空いた形になっている。穴からは真っ青な空が見える。 広場には白いテーブルセットがいくつか置いてあって、その一つに薄紫色のワンピースを着
2024年6月28日 15:47
#創作大賞2024 #お仕事小説部門 消灯時間になったので、私たちは病院を後にした。帰り途のコンビニでそれぞれが食べたいものを選んで買って帰った。「コンビニのお弁当っていうのも何か味気ないな」「たまにはいいじゃん」「俺は食べられればなんでもいい」「和兄はすぐ、なんでもいいって言うもんね」 よし、切り出そう。「……ねえ、パパあのね」「ダメ」「えっ?だって」「ダメなものはダメ」
2024年6月23日 17:13
#創作大賞2024 #お仕事小説部門 さて、今日はこの後恵比寿のカフェで、三女のえりの婚約者を紹介される予定。「ねえ、えり本当にいいの?」「大丈夫だって、絶対分かるから」 ゆり、ゆか、えり、三人とも同じ服と同じ髪型。本当に大丈夫かなあ。怒って帰ったりするよね、絶対。だって、今までパパ以外に見分けがついた人は一人もいなかったのに。「おまたせ」 振り返ると……おおイケメン!歯が真っ白でス
2024年3月28日 15:30
#創作大賞2024 #お仕事小説部門 バスに揺られること20分、いつものように学校に到着した。あと二週間ちょっとで冬休み。それ以降は他の大学を受験する人は自宅学習期間になるから会えなくなっちゃう。この教室ともあと三ヶ月でお別れ、三年って長いようで短いなあ。そんなことを考えながら我がA組に到着。「あ、有希。おはよぅ」 杏花ちゃんが何か隠したみたい。なんだろう。「杏花ちゃんおはよう。それ