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純粋歩行会

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隅田川の河川敷を中心に、ただ歩くことを目的とした会「純粋歩行会」歩いて見つけた気づきなど
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羽田空港方面へ歩く

羽田空港方面へ歩く

近年わたしの主な歩くルートは浅草からお台場周辺の隅田川沿いだったのだが、参加メンバーからの提案があり、羽田空港周辺エリアを歩いてみることにした。

そもそも歩くルートを浅草からお台場エリアに絞っていたのは、単純に住んでいる家からアクセスしやすいというのと、体験を積み重ねることで場を稽古場にするといった狙いもあった。実際通い続けてみると、隅田川沿いの遊歩道に降りるとからだのスイッチが入るようになった

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都市の川沿いを歩く

都市の川沿いを歩く

実家にいたころ、最寄り駅から電車に乗ると数駅先に大きな川があった。
大学や稽古やバイト先どこへ行くにもその川を電車で越えて出かけていた。川を渡る数秒間、視界が開け空が広くなり遠く先まで川が続いている。そのわずかな間に出かけるぞといった気持ちや帰ってきたという安心感など心の切り替えがあったように思う。

いまでも電車で川を渡る時は、顔を上げ外の風景を眺める。その瞬間、なにかを越えて別のどこかへ運ばれ

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遠くを眺める

遠くを眺める

わたしの地元は畑や田んぼがたくさんある。
田畑のある空間は高い建物や壁がないので、空が開け遠くまでよく見通せる。綺麗な三角形の大山と、丹沢の山並みが静かにそびえ立つ。

田んぼが一面に広がるエリアに3年間通った中学校はあった。高い建物、というか建物自体その古びた校舎以外にほぼ何もないので、遠くからもその古びた校舎がよく見える。

家から片道30分の道のりを歩いて登校した。その道のりの大半は田んぼの

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吸い寄せられるように河辺へ向かう

吸い寄せられるように河辺へ向かう

悲しかったり落ち込んだ時、ざわざわしてしょうがない時、そうでもない時も、昔から吸い寄せられるように水のあるところへ行く。

水辺の場にある海や大きな川の風景、そこはわたしにとって日常ではない景色が広がっている。
いま自分がどこにいるのか、次元的に分からなくなるというような感触。
この世とは別のところのような。

水面が揺れている景色の中に立つと、日々堅いものだと疑わずに歩き過ごしていた地面がゆらゆ

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