見出し画像

エッセイは構成が命。作品を最後まで読ませるには

たとえばエッセイ1本を書こうとするとき、
皆さんはどんなふうに構成を作るのだろうか?

実用やノウハウの記事とは違い、
エッセイには書き手の心情や、そこにしかない視点があって、

こうやったらこうなりますよ

のような順番で語られるものではない。

今日は本ゼミでnote創作大賞に向けたミーティングがあった。
創作に取り組む方々と一緒に、「最後まれ読まれる工夫」
について考えてみた。
そして終わってからも一人悶々と。

その大きなテーマの一つがやはり、「構成」だ。

繰り返すが、エッセイには構成における
型のようなものがあるようでない。
王道のストーリー構成ではつまらないし、
意外性があるから面白くなるわけでもない。

淡々とつづられる日記やメモの方がなぜだか読み進めてしまう・・
そんなパターンもあるだろう。

はて、私はエッセイを書くとき、
いったい何を考えながら取り組んでいるのだろうか・・・

と思って気づいたのは、

そうだ、エッセイには臨場感が欠かせない、

ということであった。

これは、現時点の私にとっての解であり、
また変化していくものでもあろう。

けれど、私が”おもしろいものを書きたい”と願う時、
一番注力するのは構成。そして構成にこだわるのは、
どんな文体であれ、そこに「臨場感」を乗せたい

と思ってるからだ。

文章における臨場感、いうまでもないことだが
文章にこれがありすぎると胸焼けします。
ずっと感動クライマックスだと、体がもたない。

だから、構成によってバランスを保つ。メリハリ効果を持たせる。
構成と内容、この相互依存な感じ。

さらに言い換えれば、臨場感とは、
そのエッセイでもっとも読者と共有したい「感情」のことではないか、
と私は思っている。

何があったか、どうなったのか、
という事実を正確に伝えたいのではなく、
私たちはエッセイによって何かを共有しようとしているのだ。

それはつまり、コミュニケーション。
コミュニケーションがもたらすのは、
きっと感情の交換=つまり「共感」なんだ。

そういうエッセイでない限り、
いいね!は起こらないし、コメントする義務もない。
共感が生まれるから、シェアもされる。

なんか、そういうこと。まだぼんやりしているけれど。

こちらの本を参照するに、

※アソシエイトリンクです。


クリエイティブディレクターという、
広告キャンペーン全体を統括する立場に立つと、
まずやるのは「イメージの設定」なのだそうだ。

この商品や事業を通じて、
生活者に、どんな企業イメージを持ってもらいたいのか。
そこを設定し、チームを引っ張っていく。

・・・私はイメージを決して軽く扱いません。その広告に接した時に、どんなイメージを生活者に持ってもらうのがその商品や企業にとっていちばん得なのか、それを最初に設定して仕事をしてきました。それが大切な理由は、繰り返しになりますが、人はコミュニケーションに接したときに、そこから伝わるイメージで共感したり反発したり、自分との関係性を判断するからです。

「なんだ、けっきょく最後は言葉じゃないか」(伊藤公一著、宣伝会議)P96-97


コミュニケーションに接したときに
そこから伝わるイメージで共感したり反発したり、
自分との関係性を判断する。

これは、私程度の書き手にとっても
同じレベルで大事なことやと思った。

こうして書いている文章でも、
今、私の目の前には見えない読者を、

・いったいどういうイメージを持ってもらいたいのか
・どんな気持ちを共有したいのか

私という作家自身が、それらを設定するところから書いている、
これは常々意識していることでもあるから。


言葉そのものに意味はそんなにない、と私は思っている。

意味ではなく、音のつらなり。
私には、そう感じられる。

では、音を紡いで何をしとるのかというと、

ただその振動を伝えているだけだ、
つきつめれば。
結局、心地いいか、悪いか、その振動。

そんな振動にもできることがある。

それは、「共振」を起こすことだ。
揺れている大地に立つと、私も揺れるように、
森の中に入ると心が落ち着くように、
共振は起こる。

だからこそ、

我々は、言葉を使って、
意味を共有してるんじゃなくて、ただ

イメージを共有している

と言えるんだろう。


ノウハウを正しく伝えるのが目的でもなく
事実関係を正確に捉えたニュース記事でもなく、

エッセイのような心象風景を伝えるものなら尚更、

今は私だけに見えているイメージを、
誰かと共有する。
読者と共有する。

言葉で。

言葉や文章はそのために活躍し、
またイメージが伝わるその時、
欲しかった臨場感がやどるのでは?

と思ったりします。


本ゼミではもうちょっと具体的に話したり、
作品を共有したり感想を伝え合ったり、
表現すること、そして本づくりを一つの目標に
ワイワイとやっています。

本づくりに関心がある方、書くことが好きな方、
どなたでもいつでもウェルカムです。
お待ちしています。




★本ゼミお試しには、こちらのマガジン!ホンづくりの基本、準備編が全8本で1980円。参加費1ヶ月分の半額で本ゼミの雰囲気お試しできます。

シン文章塾「伝伝塾」オープン!
自分の文章が見違える!基本から応用まで3ヶ月でマスター。次回は秋ごろ募集開始です。私も「本づくり」テーマに一コマ担当します。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?