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続く海岸線と、日焼けの止まらない肌なのに【オーストラリア・ゴールドコースト】

朝起きたら私は知らない人の家で寝ていて、そこがゴールドコーストだってことに、気が付く。

Airbnbで泊まる家は、割と吟味する方だと思う。できれば女の子のホストの家、難しいならばせめてカップル、代理店などお店を営んでいるおうち。

中でも今回のおうちは、かなりの当たりだな、と朝6時の朝日の中で思う。

ゴールドコーストの中心部、サーファーズパラダイス近郊。海までは徒歩5分。駅まで2分。悪くない外観の、3階テラス付き。

ここからがなんとなく当たりだな、と思うゆえんなのだけれど、キッチンは広くて清潔、調味料はもちろんタオル洗剤各種アメニティが一通り揃っていて、もちろんと言う感じで洗濯機乾燥機は完備だった。ちなみに朝食も付いていた(今日は夕食も作ってくれるらしい)。

なんでも使ってね、と昨夜彼女は説明してくれた。カナダから今年の1月にゴールドコーストへ移り住んできた、私と同じくらいの世代のカップルだった。

隣の部屋には、別の旅人。こうやって異国の人を受け入れながら、ゆるりゆらりと、ウエイトレスなんかをしながら今は暮らしているという。

暑かったら掛け布団を調整してね、今は湿度が高いから。もう、嫌になっちゃうくらいにね、と彼女は言う。

けれど私は、へ?何が?と言う感じだった。からりとした空気は少しひんやりと感じるくらいで、ケアンズより気温は5度くらい低い気がした。実際、年間の平均気温はそれくらいゴールドコーストの方が低いらしい。

※『ことりっぷ』情報。私は『ことりっぷWEB』のライターもしているのだ。みてね!

【連載】旅暮らし系ライター伊佐知美の世界一周さんぽ|ことりっぷ

目が覚めてしまったのなら、出かけようか、と思い立つ。ここから6日、ゴールドコーストで何をするのかはやっぱりまだ決めていない。今日も、起きた時の気分と天気で行き先を決めようと思っていた。

まずはこの街の海が見てみたい。

晴れているならばと顔を洗って、歯を磨いて、すこしだけメイクをして、日焼け止めを塗って。パソコンを開いて音楽をかけて、ちらりとメールや何やらのチェックをする。

時差がないと言うのは、すばらしいものだなと時折思う。しかも私の旅では珍しいことに、オーストラリアの方が1時間早いのだ。今は7時前。時差は1時間だから、日本は6時前。まだ日本は起きてない。出かけてしまおう、と扉を開ける。

いつも思うが私は地図にとっても弱い。そのくせあまり地図を見ないから(それは防犯上の意味も込めて…!紙の地図なんて開かないし、私はスマホをすられてから異常に街でスマホを出すのを怖がっている)たまにやっぱり遠回り。けれどこの街は大丈夫そうだ、とふらふら歩く。

50キロ以上続く、真っ白で真っ直ぐなビーチ。海岸線沿いに街が作られているから、迷いようがなさそうだった。

「サーファーズパラダイス」。なんてチャラい名前だろうと思い返す。サーファーの、パラダイス? その名に恥じず、街にはサーフボードを持った男性、女性、おじさまたちがちらりほらりと、という表現以上に歩いていた。

ビーチへ行く道は分からなかった。けれど、彼らの辿ってきた道を、私も行けばビーチに辿り着くだろうと思って進む。

確かにそこは、気持ちが良かった。ワイキキに似た、世界屈指のリゾート。前評判に違わず、明らかにここはビーチリゾートのようだった。


ふむ……

なんとなく分かっちゃいたけど、ここ、ひとりで来るところじゃないな……

………(笑)。


街を適当に、繁華街に沿って歩く。ハワイに似ているよ、とケアンズのダイバーが言っていた。残念ながら、ワイキキの圧勝だけれどね、とも言った。変な先入観を持ってしまったじゃないか。たしかにそう、見えてしまう。

もともとミーハーだから、こういう街に来るのはきらいじゃない。けれど、一通り街を歩いてみたところ、この街にはそんなに長くいないかもしれないな、と思ったりする。

ブリスベン、サンシャインコースト、調べてみたら、バイロンベイもこの街からすぐだという。

どこへ行こう。なんだろう、この違和感は。旅はたのしいはずなのに、なんかじつはイマイチ、ときめききれない10日間を過ごしてる。理由は、まだ、知らない。煮え切らない、くそう。という美しいゴールドコーストの街での雑記。


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