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伊佐 知美
2020年8月13日 19:38
人は、生きていかなければならない。感情が水たまりのようにこぼれ落ちていく悲しみを経験しても、その悲しみが時間とともにゆっくりと霞んでいったとしても、しっかりとまだ心の奥に残っていて、ふとした折につんと胸を苦しくさせること。捨てられなかったプライドや見栄、大切にしたかった記憶、間違っているとわかっていても、この道ではないのだと「物分りのいいほうの私」は自覚できていたとしても。それでも手放した