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言葉の意味

昨日友達と4時間くらい喋ってて(主に喋ってたのは友達)、私は言葉の意味について考えすぎだし、それに反して、言葉の意味を深く考えてない人が多すぎることに気づいてしまった。

まず、ここ数年思ってたことは、「簡単に謝る人が多すぎる」ということ。「日本は謝罪文化である」こと。

分かりやすいところで言うと、芸能人の不倫。不倫をしたことについて、世間に謝る意味が全く分からない。応援してくれているファンへの謝罪なのか?本当に謝るべき相手は奥さんだけだし、何なら奥さんへの謝罪も必要なのかというのも疑問。だって、謝って許されるべきことではないから。

よく、「悪いことをしても謝らない人=最低」、みたいに言われるけど、じゃあ謝って許してくれるの?って思う。私自身は「謝ることなんて簡単」と思っているので、むしろ、謝罪の言葉なんかより行動で現したいし、現して欲しい。

例えば、待ち合わせに毎回10分遅れる人がいる。その人は毎回ちゃんと謝る。「ごめん!10分遅れる」そしてご丁寧に理由もつける。「道が混んでて」とか「仕事が終わらなくて」とか。それが10回に1回ならいい。じゃなくて、毎回遅れる。そして毎回謝る。この場合、私としては謝罪の言葉は要らない。要らない代わりにたまには時間通りに来てくれるかな?って思ってしまう。

謝罪の言葉って、謝る側の罪悪感という荷物を下ろすことができるもので、謝られた側にその荷物を許容という形で委ねてるように感じる。

常々そう思ってるからか、ドラマなんか観ていても、謝罪のシーンが出てくるとそこに注目してしまう。謝られた側は「謝らないでくれ」とか「謝られるとツラい」とか「なんであなたが謝るの?」とか「謝って許される問題?」という風に謝罪を受け入れるパターンはだいたいない。いや、100%と言っていいくらい、ない。

もうこんな風だから言葉の意味合いについて考えてなさすぎる人との会話が面倒くさい。相手も面倒くさいだろうし、何より自分が面倒くさい。

昨日喋ってた友達に、「私が結婚決めたとき、おめでとう言ってくれなかったよね」って言われた。10年近く前のことを掘り起こされてそう言われた。その時のことは私もよく覚えている。

その友達は当時バツイチで、離婚して2〜3年だったかで次の彼氏(一回り下のイケメンくん)が出来て、その人と5〜6年付き合って結婚するときのこと。

その間、彼女は「もう結婚なんて二度としたくない」「私は一人が向いている」「今の彼氏とも遠恋だからそれがちょうどいい」と言っていた。当時の私も結婚願望がゼロで、なんなら結婚にメリットを一ミリも感じていなかったから、彼女の意見に賛同していた。

ところが、彼氏のほうから結婚したいと言ってきて、猛烈アプローチ。彼はどうしても彼女と結婚したいそうな。プロポーズされてからの話もずっと私は聞いていて(聞かされていて)、初めのうち、彼女は「籍を入れずに今のままでいい」「離れているのがちょうどいい」と、彼からのプッシュを跳ね除けていた。しかし、彼の度重なる猛烈アプローチに根負けして、結婚に対してのいくつかの条件を呈示して、それでもいいなら、と結婚を決めた。

そんな感じだから、私は友達が「本当は結婚なんてしたくないけど、彼氏がどうしてもしたいって言うからしてあげることにする」という風に受け取った。だから、私は「おめでとう」を言わなかった。言うべきではないと思った。

彼女はそれに対して、あの時私はショックだったと。友達なら嘘でも「おめでとうと言ってほしかった」と。そうなの?!嘘でもいいの?!おめでとうという言葉ってそんなに欲しいもの?!と心底驚いた。

そこで私は分析した。彼女はきっと不安な結婚生活に対して、友達からの「おめでとう」という言葉で自分の決意が正しいことを確認したかったんだろうな、と。もしくは、嫌だ嫌だと言いながら、彼からのプロポーズはやっぱり嬉しかったし、一回りも年下のイケメンくんに私はこんなにも愛されているということを惚気にならないように愚痴という形で私に聞いてほしかったのかもしれない。私が愚痴を装った惚気が一番嫌いということも知らずに・・・。当時の私はマウンティング女子という存在を知らなかった。

そんなことなら、「二度と結婚しないと決めてたけど、この人とならまたしてもいいと思えたし、私の条件も飲んでくれたし、この結婚で幸せになるね!」と晴れ晴れしく言ってくれたならちゃんとおめでとうが言えたのに。そう言ってみても、昨日の彼女は「んー・・・別に結婚したいっていうのも違うし、かと言って無理やり結婚した訳でもない」と、未だにそんな感じだったので、「今思い返してもあのときの私の対応は間違ってなかった」と言い切ってしまったのでした。

昨日の4時間は本当に心底疲れたし、色々考えさせられた。とてつもなく頑固者に見られてると思うし、頑固者なんだろうけど、こうして振り返って、世間の一般的な言葉遣いに多少歩み寄ろうとはしているし、相手次第では反論せず自分の中に留めていることもたくさんある。

本当に日本語って難しい。歳を重ね、経験を積めば積むほど難しく複雑になる。言葉の表面的な意味合いに頼らず、違う言葉でしっくりくる言葉を見つけたり、適切な言葉が見つからなければ、稚拙でもいい、諦めずに伝えたいし、伝えてほしい。

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