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「池上彰の世界の見方 東欧・旧ソ連の国々 ロシアに服属するか、敵となるか」を読んで

モスクが美しいウズベキスタンに最近とても惹かれてます(^o^) 

でも、ウズベキスタンについてあまり知らないので、池上彰さんが書いた「池上彰の世界の見方 東欧・旧ソ連の国々 ロシアに服属するか、敵となるか」を読んでみました。

2022年4月初版本なので、2022年2月のロシアによるウクライナ侵攻についても言及されてます。

そうだったのか・・・。と色々参考になりました(^o^)

ちなみに、ウズベキスタンについては第4章「スタン」の名がつくイスラム諸国、の章に書かれています。

以下は自分のための要約。

●スタンはペルシャ語で、「◯◯の土地もしくは国」の意味。ウズベキスタンはウズベク人の国(ただし、パキスタンは例外)。

●中央アジアの「スタン」の名がつく国は、トルコ系民族でイスラム教徒(タジキスタンを除く)。

●ロシア帝国は領土拡大のため、南下政策を取り、ウズベク人のブハラ、ヒヴァ、コーカンドの3つのハン国(君主国)を制服した。
→つまり、当時からウズベク人の国は栄えていて、今も中央アジアの国の中では人口は最大級です。

●ソビエト連邦ができる時、スターリンが中央アジアのトルコ系イスラム教徒を分断して、複数の国を作った。理由は、トルコ系イスラム教徒達が団結してロシアに歯向かわないようにするため。

●ソ連は、各国を「ひとつの産業しかない国」にして、力を弱めていた。ウズベキスタンは綿花栽培など農業中心、カザフスタンは天然資源が豊富。独立後、天然資源がある国とない国で、貧富の差ができた。

●トルクメニスタンは「中央アジアの北朝鮮」「豊かな北朝鮮」と呼ばれる国らしい!(天然資源が豊富だから)
→同国に燃えさかる「地獄の門」がある理由がわかった!!

●ソ連の無謀な開発で、ウズベキスタンとカザフスタンの間にあるアラル海が1/10に干上がった。現在、回復途上。

●スターリンは少数民族を強制移送した。今も各地の紛争の種。

●1999年、経済援助のためにキルギスに出張していた日本人4人が、武装ゲリラ組織の人質に!後日、無事に解放された。
→この事件の内幕については、当時のウズベキスタン大使だった中山恭子さんの「ウズベキスタンの桜」に書かれています。ぜひ読んでください(^o^)

当時の日本政府および外務省の方針には、私は非常に憤りを感じます。大使館員達や関係各国の多大な尽力のおかげで、人質が無事に解放されたようです。

1996年に起きた「在ペルー日本国大使公邸占拠事件」への日本政府の対応と同じ構造だな、と悲しくなりました。

※中山恭子さんは、北朝鮮に拉致された方々の問題を担当する首相補佐官を何度も歴任された女性です。穏やかな外見の方なので、「なぜこの方が拉致問題担当に?」とずっと思っていたのですが、ウズベキスタン大使だった頃の経験を買われての事だったのかな、と合点がいきました。

・アフガニスタンの地理的な悲劇
 どうしてアフガンで紛争が起りやすいのか?と疑問に思っていたのですが、欧米やロシア等の大国同士の覇権争いの緩衝地帯だから、のようです。自分が生まれた国がどこに位置するか?で、自分の運命や人生が変わってしまう、という事は怖いですね・・・。

東欧や旧ソ連の国のことは、今まで良く知らなかったのですが、背景と歴史がよくわかりました。一読だけではまだ理解は薄いですが、非常に参考になりました!

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