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「呼吸」による人と植物の共生〜歴史が育んだ吉野の手漉き和紙のすごい力〜
昨年から始めた味噌作り、今年は4月に作り、その様子をレポートしました。
その際に、蓋がわりに瓶の中に入れた和紙がすごい仕事をしてくれたので、ちょっと報告させていただきます。
和紙のこと
前回もチラッと紹介したのですが、この和紙は、奈良県吉野町の宇陀紙(うだがみ)と呼ばれる1300年の歴史を誇る手漉き和紙。
壬申の乱のとき、勝利した大海人皇子(天武天皇)を匿ったため、お礼に和紙づくりを伝授された(と、役場の方からは聞きました)とか、推古天皇の時代の611年に高句麗か墨作りと一緒に伝えられたとか、諸説あり!な、とにかく古くて由緒正しい和紙です。
*吉野手漉き和紙の歴史など、ここに詳しく書いてありました。興味ある方どうぞ:
中でも、唯一化学薬品を一切使用せず、1300年前と同じ製法を守っている福西和紙本舗さん。以前障子紙として購入させていただいたものが余っていたので、味噌を作った時に、ちょっと使ってみようと思い立ちました。
カビがない!
この季節、味噌の表面にカビが生えるので、取り除いてケアしなければなりません。今年の梅雨はご承知の通りの雨量、加えて鎌倉は元々湿気がひどいので、きっとカビだらけに違いないとビクビクものでした。
ところが、開けてみたらなんと、カビ皆無。チラッとも生えていませんでした。
例年と違うのは、蓋に和紙を使わせてもらったことだけなので、和紙がカビを防いでくれてるのかな!としか思えません。
めちゃくちゃ感動したので、和紙を購入させていただいた福西さんに報告させて頂きました。
すると、こんなお返事が。
嬉しいご報告有難うございます😀
それこそ、呼吸なんですよね!薬品使わず昔ながらの作り方の和紙は呼吸をする事によって永く持つ訳です‼️
なるほど、和紙自体、呼吸によって長持ちするし、そのおかげで人間も快適ってことなんだ。まさに持ちつ持たれつ。よく考えたら、植物と人間との関係って、そもそもそれでしたね。
うまく出来てるなぁ。
呼吸する和紙
本当は邪道な使い方だとは思うのですが、家庭での味噌づくりで、カビが生えないなんてかなり嬉しいし、和紙が呼吸してくれてるおかげで周りも快適、という図が一目瞭然で分るので、よかったらぜひお試しください。
ちょっと上の年代の方曰く、昔は味噌作りにはラップじゃなくて和紙を使ってたんだけど、和紙の製造に化学薬品を使うようになったため、ラップに移行せざるを得なくなったとのこと。
化学薬品を一切使用しない福西さんのところでは、原料のコウゾから作り、糊も「糊の木」という木から採取された原料を用いるそうです。
福西さんの和紙、実はメトロポリタン美術館など、海外の美術館にある日本画や書などの修復に使用されています。ちょっとでも化学薬品を使用すると、美術品の修復には使えないとか。次に修繕する際、前回使用した和紙が剥がれなくなってしまうのだそうです。
すごい話ですよね。
でも、そういった手間がかかっているからこそ、和紙の呼吸もごく自然に行われるのだと思います。
和紙でできた家があったらさぞ気持ちいいだろうな。
などと、夢を見ながら、まずは半年先の味噌の出来栄えを今から楽しみにしています。
*福西和紙本舗さんの紹介動画を以前作らせていただきました。よかったらぜひご覧ください(2分)
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