見出し画像

自分で見つける勉強法こそが、クリエイティブを高める最強のツール

今オーストラリアに留学中の長女は、小学校には1年生の1学期しか行ってない。正確には、学年が上がって担任の先生が変わるたびに2、3日行ってみてたから、1学期分と2週間程度だろうか。

親である私たちは「別に学校なんか行かなくてもいい、自分でやりたいことが見つかれば、その時は一生懸命やるだろう」くらいに思っていたので、学校に行かなくても特に気にしてなかった。

ただその頃、私たち夫婦はNPO法人を立ち上げ、国際映画祭の主催やら緑化プロジェクトやらとアレコレ忙しかった。だから、こんな条件をつけた。

「家事は手伝うこと。勉強は、やっといた方が後で自分が楽だと思う。ただ、お母さんは忙しいから、自分で勉強してみて、分からないことがあったら声かけて」

こういう呑気な雰囲気だったから、長女はまるで勉強しなかった(笑)

ちびまる子ちゃんの百人一首をきっかけに

まぁ、そのうちに興味が湧けば、自分で何かやり始めるだろう、と思ってはいたけれど、いつまで経っても絵を描いて、ビデオを観て、お菓子を作って…という生活が続いていた。

2年生になった頃、流石に何か教材くらい提示した方がいいんじゃないかという気になってきて、ちびまる子ちゃんが解説する百人一首の参考書を買ってみた。

ちびまる子ちゃんは大好きだったから、よく眺めてはくれたけど、和歌の横にくっついている、4コマ漫画だけを楽しんでいたらしいことが後で分かった(笑)

ただその後、「読んでるより、自分で作りたい」と言ってきたので、「じゃあ、まずは短い俳句から」と難しいことはヌキにして、五七五で作ることだけを教えた。

すると彼女なりに考えながら、1日2本、3本と俳句を作り始めた。最初の1本目は時間がかかったけれど、その後は比較的スルスルと作れたようで、子どものクリエイティビティには絶対叶わないな、と思った記憶がある。

もう、書いた原稿はどこかへ行ってしまったけれど、どの句も中々映画的な、風情のある句だったように記憶している。

俳句から物語へ

そうこうしているうちに、俳句は飽きたのか、今度はお話を書く、と言って、覚えたばかりのiPadを駆使して書き始めた。

それまで作文などほとんど書いたことはなかったし、読書と言っても絵本くらいしか読んだことがなかった。なのに、凄い勢いで書き始め、あっという間に原稿用紙5、6枚になっていた。

これは一体どういうことなんだろう、と思った。

「俳句」という極端に短かい文章を綴ろうとすることは、実は長文を超高速で脳内編集しているってことなのかもしれない。

例えば何かを表現しようとした時、それを五七五にまとめようとすれば、相当文字を削らなければならないはずだ。ひたすら削りまくっているうちに、長文を書きたい欲求がムクムクと生まれてきたのかもしれない。俳句という「型」によって限定されたことにより、内圧が高まったとも言えるだろう。

というような感じで長女は、その後お話を書くのが好きになり、徐々に読書にものめり込んでいった。

「地方の怪物」の勉強法

ところで、先日、偶然教えてもらった記事にこんなのがあった。

私がいつも大手の塾なんかで、腑に落ちないなーと思っていたことだった。「この方法でやってさえいれば、志望校合格間違いなし」という感じで、全てお膳立てされ、当の本人はただそこに乗っかってさえいればいい。

サービスとしては素晴らしいが、こと学習や学びに関して言えば、これって意味あんの?と言いたくなる。自分で最適な勉強方法を開拓するってことがないと、受験勉強の意味って皆無だと思う。(そもそも受験というシステム自体どうなんだ、という話はさておき)

なぜこの記事を引き合いに出してきたかというと、長女が百人一首→俳句→物語→読書と、独自路線かつ自然発生的に文学を学習することになったことと、共通点があると思ったからだ。

地方の怪物にしても、長女にしても、オリジナルな方法を自分で見つけ、もしくは模索していきながら、自然発生的に最適な方法を選んでいる。そういう方法の見つけ方自体が、クリエイティビティを高めてくれる機会であり、大人になって最も役に立つ能力だと思う。

子供を信頼し、任せる

子どもを育てるには、なんといってもその子の生命力を全面的に信頼することが大前提だと思う。それがなければ、どんなにいいことをしてあげても、多分何にもならない。これは、子どもの自己肯定感にも大いに影響する。

長女に関しては、そもそも自分で考えざるを得ない「野放し教育」があった上で、学校のカリキュラムから一旦離れて、やりたいようにやってもらったのが良かったのかな、と今は思っている。

ということで、お子さんが長文が書けない、読めないとお嘆きの親御さん、一度騙されたと思って、俳句づくりを試してみてはいかがでしょうか(笑)


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?