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本場モロッコのあま〜いミントティー

日本ではティーバッグでしか馴染みがなかったミントティー、今年1月にモロッコに訪れて1日に2回はフレッシュなミントがたっぷり入った本場のモロッコミントティーをいただくことができた。

カサブランカに到着して開口一番に「ミントティー飲みたい!」、ちょっと食い気味に本場モロッコでミントティーを飲むのを心待ちにしていた。

ミントティーに実際にありつけたのは、2日目、カサブランカからフェズへ行く道中のメクネスのリヤドで昼食をとった時。リヤドのご主人が、重いミントティーセットを片手で運び、目の前でゆっくりと入れてくれる。ミントティーのポットはびっくりするくらい重くて、それにお湯もたっぷり入っているのだから女性が入れるのはなかなか難しい。それも入れるときは、空気をたっぷり入れるようにかなり高い位置からグラスに注がなければならない。

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「砂糖どうしますか?」とご主人、「モロッコの人はどれくらい入れますか」と聞いたらポットを埋め尽くすくらいの量だった。一瞬どれくらにするか考えたけど、まずは素材の味を楽しみたいという気持ちから、聞いておいてノンシュガーでいただいた。モロッコでは、たっぷり砂糖を入れて飲むのが好まれるけれど、糖尿病の人も多く、最近は控え目になってきてるという。

さて、丁寧に入れられた本場のミントティー、フレッシュハーブが惜しげもなく使われていて旅の疲れがスッキリとする味わいだった。モロッコは食料自給率が100%とのこと、フレッシュなハーブも市場でたくさん目にする。カサブランカからの道中も、オリーブ、レモン、ナッツ、野菜など、どこまでも農場が広がり、食料が豊かな国であるとしみじみと感じてた。贅沢にハーブを使えるモロッコならではの国民茶だと納得だ。

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モロッコのミントティーは、イギリスからモロッコの国王に中国茶葉(ガンパウダーと呼ばれる)贈呈されたのがきっかけでモロッコに広まり、モロッコで採れるフレッシュなミントが加わって今のスタイルとなっている。ミントの葉だけでできていると思っている人は少なくないはずだけど、ベースはガンパウダーだ。ミントが加わることで独特の香りを楽しめるお茶だ。

またモロッコのフェズでは、一般家庭に訪れてミントティーの作法を披露してもらった。ミントティーのベースはガンパウダーで、ハーブはミントだけでなくセージやゼラニウムなど他のハーブとブレンドするという。冬は体を温めるヨモギが好まれ、ヨモギを試してみたら、ミントティーよりさらに苦い独特の香りだった。ミントも砂糖も体を冷やす性質があり、モロッコでは夏場にミントティーがよく飲まれている。

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そして、ミントティーを作る工程でびっくりしたのが、大根のような砂糖の塊だ。かっちかちで、専用のハンマーやグラスでコンコンして割って入れなければならない。大根砂糖をなめてみると、普通の砂糖より甘さはマイルド。またこの大根砂糖は結婚のお祝いとしても贈呈されるとのこと。

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旅行中、ミントティーを何度も砂糖抜きで飲んでいたけど、旅の後半で通ったマラケシュのクッキングクラスの先生が、砂糖を加えることによりお茶にフレイバー(風味)が加わるんだと力説。郷に入っては郷に従え、モロッコスタイルの砂糖の量で、飲んでみた。「あまっ!」と思ったけど、先生に言われたからなのか、風味があって美味しく感じられた。

それからミントティーはノンシュガーではなく、ちょっぴり砂糖を加えて飲むようになった。









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