見出し画像

人前で話す時、上がらなくなる方法

≪アンカーリング≫

☆「アンカーリング」で「すばらしい体験」を
  自由に使えるようにする

好きなメロディーを聴いた時やお気に入りの風景の写真を見た時に、
一瞬にして自分にとっての特別な感情や思い出が、
あふれ出てくるような再体験をしたことはありませんか。

このような生理学的な状態に結びついて、
ある感情を引き起こすきっかけとなるようなスイッチ、
つまりメロディーや写真のことを「アンカー」と呼びます。

ある特定の感情を引き起こすものは、
どんなものでもアンカーになります。

アンカーは、「反復と(時には1回でも)ある特定の同じ感情」を
結びつくことによって生まれます。
そして、深く強く感情を適切なタイミングで「意識的に」
呼び出すことのできるスキルが「アンカーリング」と呼ばれるものです。

もともとアンカーとは、英語でanchor錨(いかり)という意味です。
船を停泊させる時に錨をおろして、船を港に留めておくように、
自分の体や脳の中に、ある感情を意識的に固定させると考えてください。

【アンカーリング】の方法

<ステップ1>
上がってしまうある特定の状況を一つ選ぶ

椅子を一つ用意ください。
その椅子に座って体を楽にします。

大勢の人前で話をすることになっている、ある場面を選んで下さい。
たとえば、会社の30人以上の管理職の前でなにか報告会でも
行なうというような状況を考えて下さい。


<ステップ2>
自分が望むような理想的な状態を決める

次に、その場面で望むいい状態をイメージし、
それを固定するスイッチを決めます。

このスイッチは自然なものとは違って、
自分で意図的に使いやすいものにします。

たとえば、親指と人差し指で輪を作るとか、
右手で左手の手首を握るとか、いつでも簡単に自分でやれるものにします。

そこまで準備できたら、まず自分が望むある特定のプラスの感情を探します
直感でいいです。
「自分の過去のよい思い出」探しの旅に出るようなつもりで、
「人前で話す時には、こんな状態、こんな気持ちでいたい」
という特定のある感情を探してみて下さい。

それを探すのにあわてる必要はありません。
上がってしまうのでなく、
「こんな感情でいれたらいいなー」というような状態を、
ゆっくり探してほしいのです。

たとえば、自信に満ちた状態、リラックスしている状態、
勇気がわいてくるような状態、プライドが高まってくるような状態など、
自分が気に入る状態を探して下さい。

それが、決まったら、次のステップに移ります。

選んだ「お気に入りの状態」を、
自分の今までの人生のさまざまな体験の中から、
もっとも人前に立つという状況に近かった体験を
時間をかけて探して下さい。

似たような体験が何かあるでしょう。
それらの中から、一番はっきりとしていて、
感情の強いものを一つ選んで下さい。

時には、いくら考えてもよい状態が浮かばないという方も
いるかもしれません。
その時は、自分の周りにいる人で、講演がうまい人とか、
とにかく話がおもしろい人とかを選んでもいいのです。
選ぶものに「何か特定の強い感情」があればけっこうです。

やりやすければ眼を閉じて下さい。
自分が決めたお気に入りの感情や状態を、過去のいろいろな体験の中から、
一番ぴったりするものをゆっくり探して下さい。
明確で強い感情であればあるほどいいのです。

たとえば、学生の頃に成績が優秀だったことを大勢の人の前で公表された時
とても嬉しかったとか、マラソン大会に参加してなんとか完走した
大きな達成感を感じたとか、そんな出来事を探して下さい。


<ステップ3>
理想的な状態を呼び起こすための特別のスイッチ

このようなプラスの感情、明確で強いある感情が見つかったら、
その時の充実感、わくわくする気持ち、すがすがしい気持ち、
感動的な興奮、ゆったりと温泉でリラックスするなどを、
十分に思い出して浸ってほしいのです。

そして、先に決めたスイッチにその感情を結びつけます。
スイッチが「親指と人差し指のまるい輪」なら指に力を入れ、
スイッチが「手首をつかむこと」ならつかんでいる手に少し力をいれて、
いい状態の目印でも作るよなつもりでそのスイッチに結びつけて下さい。

そのようにすることで、十分にいい状態がスイッチに固定されます。
自分が決めたスイッチに少し力を入れたら、
同時に「錨」をおろすイメージをしながら、
自分の気持ちに深く入るようにするとうまくいくと思います。

うまく固定できたなと思ったところで力を抜いて、
もとの状態にもどってください。
これで、「アンカーリング」がされているはずですが、
念のためアンカーがうまくできているかどうかテストをします。


<ステップ4>
スイッチができているかのテストをします

では、椅子から立ち上がって、数歩歩いて窓の外を眺めたり、
天井の照明器具を見たりして下さい。
これは、今の状態(時に、少しだけ催眠状態になることがあります)から、
違う状態に気持ちを切り替える意味があります。
(「ブレイク」といいます)

この「ブレイク」は、とても簡単なスキルの一つですが、
もっと高度なスキルを使う時にも、しばしば使います。
今の状態に引きずられないようにしたい時や、
中立的な状態にもどる時に使います。

では、椅子に座って気持ちが落ち着いたら、いよいよテストを開始します。

ゆっくりと自分のスイッチをいれてください。
「アンカーを点火する」といいますが、
スイッチをいれたら自分の体の中に起きてくる変化に注目を向けて下さい。

ある人はゆっくり、ある人はすぐに自分がアンカーしたいい感情が
体にわき上がってくるはずです。

そのいい状態を十分に味わって下さい。
いざという時に、その状態を維持・持続させるのが、
このスキルの重要なポイントです。

もし、テストがうまくいかなかったら、
最初からスイッチを作るのをやり直して下さい。
それでもうまくいかない時は、
友人の助けを借りて誘導してもらうといいと思います。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

このアンカーがあれば、今後は人前で話をしなくてはいけない時、
あなたは今までとはまったく違う方法で対応できるのです。
話をする前に、自分だけがわかるやり方で、スイッチをいれて、
新しい状態で話をして下さい。

また、途中で緊張が高まった時は、
そのつどスイッチをいれればいいのです。


~30代女性のための心と体の健康アドバイザー~


この記事が参加している募集

#習慣にしていること

130,911件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?