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「目上の人が苦手」の克服方法

≪スキル2≫ リソースフル
≪スキル3≫ 分離と連合


☆「リソース(resource)」とは、
 「望むものを手に入れるのに役に立つもの」のこと

目上の人が苦手だという人が少なからずいらっしゃいます。
職場の同僚ならまったく平気なのに、
上司と話す時になると緊張してしまうというわけです。

このような苦手意識を克服するのに、
「リソース」という考え方を使うことができます。

自分が望むものを手に入れる力は、「自分の中にある」
あるいは、「自分で作り出すことができる」

目上の人とのコミュニケーションが苦にならないようにする力は、
自分の中にあるということです。
そのような能力や、それを可能にするもののことを
「リソース」といいます。

リソースは、人によりまた状況によって違います。
たとえば、誰かに親切にもらったことだとか、
小学生の時に先生からほめられた体験とか、
自分のいろいろな能力、親友や友人、先輩、後輩、
仕事を通じた人脈、趣味や特技、時にはお金と、
実にさまざまです。

このようなリソースに満ちあふれた状態を、「リソースフル」といいます。

何か問題を解決したいと願う時には、
この「リソースフル」な状態を活用します。


「リソースフル」な状態にする方法
「分離と連合」の方法

☆よい状態のほうに、より多く「連合」する

誰か、自分にとって、とても大切な人とか、
とても楽しく過ごせた特定の具体的なある一つの出来事や場面を、
思い浮かべてみて下さい。

たとえば、自分の仕事を決めるのに影響を与えた人だとか、恋人だとか、
会社での場面なら「入社式」などがその例になるかもしれません。

なんでもいいのです。
自分にとって何かとても大切な人や、
いい思い出になっているものを探して下さい。

必要なら目を閉じてその場面の、映像を思い出して下さい。
何が見えるでしょうか?
そして、何か聞こえてくる話し声や、周りの音声がないでしょうか?
その時、どんな気持ちだったのでしょうか?

一つひとつの状況の視覚、聴覚、触運動覚をありありと思い浮かべることで
あなたの気持ちが少しずつ変化することを体験していただけましたか?

そして、その時に体験する「実感」を深めて下さい。
このような状態を、「連合(Association)」と呼びます。
何か問題に直面した時でも、気持ちを切り替えて、
「リソースフル」な状態に上手に「連合」できれば、
それだけ早く問題解決に近づくことができます。

ところが、私たち(の脳)は、
「よくない状態のほうにより多く連合しがち」なのです。

つまり、しばしば反対の行動をとってしまうことが多いのです。

ですから今日からは、意識的によい状態に連合する時間を増やして下さい。
そうすることで、あなたの気分は、大きく変わってきます。


☆「分離」とは、自分自身をより大きな状況の一部としてとらえることです

目上の人(上司、先生)とのコミュニケーションが苦手というのは、
よく考えるとずいぶんあいまいな表現です。
第一、目上の人とのコミュニケーションがうまくいったことは、
今までに一度もなかったのでしょうか?

もし、一度もなかったとしても、それだけで
よいコミュニケーションをする能力がないと決めつけないで下さい。
なにが、うまくいくのを妨げているのでしょうか?
このような考え方で、自分のやっていることを客観的に見ることを、
「分離(Dissociation)」といいます。

「分離」ができるようになると、
周りの人々と自分についての「気づき」や「洞察」を得ることができます。
そのため、「分離」をするだけでも問題が解決し、
望ましい状態が手に入ることがあります。

問題を抱えて恐怖や不安の状態にはまり込んで悩んでいる状態は、
問題に「連合」していることになります。
この状態にいるかぎり、身動きがとれないために問題を困難にします。
そこで、そこから一歩離れて、
まるで第三者の立場で自分を眺めるのが「分離」です。


☆「連合」の反対である、「分離」を体験してみましょう

「分離」にはいくつかやり方がありますが、
およそ次のような練習をすることで体験できます。

(1)まずどこかに立って下さい
(2)次に少し離れたところに同じ格好をして立っている自分を想像します
(3)自分を自分が見ているという感覚なのですが、
 いってみれば鏡の中の自分を見ていることをイメージできればいいのです

また、別のやり方ですが、目の前にスクリーンをイメージして、

(1)そのスクリーンに自分を映し出してください
(2)今日の朝ごはんを食べている自分を映写しながら、
 「今、彼(彼女)は、ご飯を食べました。そして、今度はみそ汁を飲んで
  います」というように、テレビ中継をするようにして自分のやっている
  ことを第三者のように描写して下さい


☆目上の人(上司、先生)とのコミュニケーションの苦手意識に
 どう応用するか?

それでは、この「分離」を使って、目上の人とのコミュニケーションの
苦手意識をどのように克服するかを考えてみたいと思います。

では、あなたの特定の上司を選んで下さい。
選んだら、「分離」を使って、その上司の姿と上司と一緒にいる
自分をイメージして下さい。

やりやすければ、コミュニケーションに苦しんでいる、
困っているあなたの様子を、上司とともにスクリーンに映し出して下さい。
スクリーンの中のあなたは、何をしているでしょう?

スクリーンの中の「分離」された自分をよく観察して下さい。
困っているあなたには、どのようなリソース(役に立つ経験)が
必要でしょうか?
なにがあればこの事態を乗り越えることができるでしょうか?

離れたところから見ると、何があれば、あるいはどうすれば
この状況をいいものにできるかという
リソースが意外と見つかるものなのです。
少し時間をかけて、スクリーンの中の彼(彼女)に
何か「アドバイスできること」を探して下さい。

何か役に立つリソースが思いついたら、それをスクリーンの中の
彼(彼女)に伝えて、そのリソースを使って、
上司と何か話してみるようにすすめてください。

そして、そのリソースをどのように使って、どのような行動に出るか、
十分見守って下さい。さあ、何が起こるでしょう。

それを使うことで、上司とうまくコミュニケーションがとれたでしょうか?
上司の反応はいかがでしょうか?
「苦手意識」に悩むことなくコミュニケーションがとれたでしょうか?

もし、うまくいったのなら、それは実際の場面でもうまくいくのです。
ある人は、イメージの中でさえうまくいったことが
信じられないと言いました。

考えてみれば、その人は今までいつも上がっていたのですから、
当然かもしれません。
そこで、もしイメージの中でうまくいったら、
念のため次のような確認をしましょう。

その新しい方法による新しい状況は、あなたにとって現実の状況の中で、
何か不都合が起こらないでしょうか?
なにも問題が起こらなければ、それを使う十分な価値があります。
そこで今度は、スクリーンの中で使った経験を
本当の自分に「連合」させて下さい。

スクリーンの中で、うまくいったその経験を、
本当の自分の体で実感するようなイメージをして、
うまくいく時の体の感覚を確かに感じて下さい。

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その「連合」感覚こそが、次にあなたが上司に会った時、
「苦手意識」なく良好なコミュニケーションを可能にしてくれるのです。


~30代女性のための心と体の健康アドバイザー~




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