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【最終話 Day3阿寒の山々編】 阿寒摩周国立公園セブンサミッツ 〜国立公園内の山全部登るまで帰れマウンテン〜

第1話 計画編
第2話 前夜編
第3話 Day1 川湯・藻琴山・摩周編
第4話 Day2 弟子屈・阿寒横断編
と続けてついにDay3、最終話。

 さて、話を始める前にまず言っておきたい。
「私は7サミッツしていない。4サミッツだ。」

 第3話目のDay1ですでに西別岳をロストしているわけだが、どういうわけか最終日も2つの山の頂(サミット)をロストしている。はて、何があったのか。何か大変な事故でも発生したのだろうか。無事に全員ゴールできたのか。では、最終話スタート。

 【3日目の計画】
阿寒湖畔キャンプ場→ 雄阿寒岳登山口  バイク8km
雄阿寒岳登山口→ ピーク往復  ラン11km
雄阿寒岳登山口→ 雌阿寒岳湖畔コース登山口  バイク8km
雌阿寒岳登山口 → 雌阿寒岳ピーク → 阿寒富士 → 野中温泉 ラン15km 
トータル:バイク16km ラン26km  合計42km

 寄った場所やルートの全体感はコチラ↓


5:30 それぞれスタイルで迎える朝

 6/22(月)曇り空。朝の気温約8度。最高気温17度。麓の風、南風5〜9m。山頂上空1000m付近では10〜15mの風が予想される。そんな最終日のコンディション。

①朝4

 6:00の出発時間に合わせて準備を始める嶋田氏と反中氏。そして動画撮影をする深浦氏。ガサゴソと周囲の準備音で遅ばせながらゆっくりと目覚める私。

①朝2

 この体たらく。なんという体たらく。全くやる気が感じられない。出発する気がない。

 それもそのはず。本日最終日にも関わらず2つの山の頂(サミット)をロスト(というか挑戦すらしていない)している理由はこれだ。『面倒いから今日はもういいやダラダラ病』が発動したからなのであった。というと少し大げさにダラシない奴だな、となるわけだが実は前日の夜、膝の具合とコースタイムを考えて雄阿寒岳は完全パスする旨をメンバーたちに伝えていた。そして深浦氏も足の具合や帰りの運転(ニセコまで約7時間)の体力を考慮して私に同行することに。
 レースでも大会でもないし関門などない言ってしまえば『ただの遊び』。体力の差やスキルの差は臨機応変なスケジュール変更で全員が楽しめる方向に修正すればよいだけの話なのだ(というもっともらしい言い訳でいいだろうか)。

 この時点で本日の行程は『全行程クリアを目論むストイックペア』と『ゆっくり自然満喫まったりペア』に分かれての行動となった。

①朝1

 6:10「いってらっしゃ〜い!頑張ってね〜!」

①朝3

 というわけで『ストイックペア』と雌阿寒岳のピーク付近、もしくはゴールの野中温泉で合流する予定とした『まったりペア』。そうと決まればまったりな朝の時間をダラダラと楽しむだけだ。湯を沸かし味噌汁を飲み一服。これこそ旅の醍醐味じゃあありませんか(ストイックな行程はちと難しかった私。まぁ仕方がないというか想定内。それぞれがマイペースで楽しむのがきっと一番なのだ。)


9:00 それぞれのスタイルで遊ぶ阿寒の山

 標高1,371m「雄阿寒岳」を攻めるアスリートペア。

②阿寒ストイックチーム9

 5つめのサミット。獲る。

②阿寒ストイックチーム1

 その頃・・・

③阿寒ダラダラチーム1

 ダラダラと坂を登るまったりペア。

③阿寒ダラダラチーム3

 記念撮影もする余裕ぶり。複数人の旅だとついおだって(調子に乗っての意味)ボケだらけふざけっぱなしだが、2人になるとグッと深い話ができたのも良かった 。グッと深浦氏との距離が縮まった。一見イマドキ男子な深浦氏だが、熱く真面目に将来のビジョンを持っていることを知り、前職の学校の先生の話から、鹿児島の話、ニセコの話、教育と政治の話まで(笑)話に花が咲いた。

③阿寒ダラダラチーム2

 林道脇に咲き乱れるクリンソウ。時折立ち止まって花を楽しんだりするのもまったり視点の道中ならでは、とも言える。一方で・・・。

②阿寒ストイックチーム12

 雄阿寒岳をクリアし、エイドに立ち寄るストイックペア。阿寒湖といえば!とザリボナーラを食べたかったようだが、お店が営業しておらず再び「仙客」に。ここの担々麺は旨い。疲れた身体にガツっと染み入る味だ。

③阿寒ダラダラチーム4

 一方でまったりペア、雌阿寒岳登山開始。

③阿寒ダラダラチーム7

 まったりペアが稜線にでるころ・・・

②阿寒ストイックチーム5

 ストイックペア、雌阿寒岳登山開始。この格好を見よ。走る人の正装だ。本気だ。この時たしか12:00頃。

③阿寒ダラダラチーム5

 ガスっている稜線を歩きを楽しむまったりペア。
 「宇宙みたいだね〜。ふふふ。」

③阿寒ダラダラチーム6

「うふふ。花が綺麗だねぇ〜。」

③阿寒ダラダラチーム11

 キャッキャッ。まったりペア「風も強いしなんも見えんから、阿寒富士もパスしよっかぁ〜(本来の旅の目的はどこへやら)」。というわけで13:30に雌阿寒岳ピーク。そして早々に下山。

③阿寒ダラダラチーム8

 下山時は雌阿寒岳の北西面。南からの強風で山が壁となり、風をかわしている場所だけスッポリと下界が見える。なかなか好天に恵まれない今回の旅としては思い出に残る1シーンだった。

③阿寒ダラダラチーム9

 あとはテンポよく下り(私のスローペースに合わせてくれる深浦氏)・・・。

③阿寒ダラダラチーム10

 阿寒の山は樹林帯の中も気持ち良い。

④下山後1

 だらだらペア。15:50に下山。これにて改訂版スケジュール全行程終了!その頃ストイックペアはというと・・・。

②阿寒ストイックチーム11

 見よ。このストイックな振る舞い。

②阿寒ストイックチーム3

 ストイックな補給。

②阿寒ストイックチーム6

 うおおおおおおお!(私の勝手なイメージ)阿寒富士のザレ場を駆けあがる嶋田氏。

②阿寒ストイックチーム2

 この手ブレが激しさを物語る。

②阿寒ストイックチーム10

 うらぁあああああ!(私の勝手なイメージ)雌阿寒岳ピークへの稜線を駆けあがる反中氏。

②阿寒ストイックチーム7

 風速10〜15m。この表情が激しさを物語る。うおおおおぉおおぉぉぉぉお!このあと一気に下るストイックチーム。


17:30 それぞれの下山から全員集合

④下山後2

 はい。全員下山。記念撮影。雄阿寒岳も阿寒富士もパスしたまったりペアの約1時間半後に全ピークを経て下山するもんだから恐るべし。ストイックペアの凄さとまったりペアのだらだら具合、おわかりいただけるだろうか。
 さらに言うとこの写真のときの中央2名(深浦氏・私)は野中温泉を堪能さっぱり済み。左右の2名(嶋田氏と反中氏)は下山直後。おまけに野中温泉の日帰りは17:00終了で温泉お預けという現実を叩きつけられた時の1枚だ。とにもかくにも全員が無事、怪我もなく、笑顔なのかひきつった顔なのかは知らないが、野中温泉にゴールすることができた。

【3日目の結果】
反中・嶋田
 42km(Bike: 16km/Run: 26km)
 行動時間11時間 累積上昇(標高)2943m 
深浦・國分
 19km(Bike: 8km/Run: 11km)
 行動時間7.5時間
【3日間全行程の結果】
反中・嶋田
 総距離184km(Bike:126km/Run:58km)7サミッツクリア
深浦
 総距離160km(Bike:118km/Run:42km)5サミッツ
國分
 総距離155km(Bike:118km/Run:37km)4サミッツ

 結果は以上だ。結果はバラバラだが全力で遊んだこと、その過程に意味があるのだ。山の神様ありがとう。


18:00 さぁ!あとは帰るだけ!

 3日間にわたるまぁまぁストイックな旅を終え、車に乗り込み安堵の表情を見せる一行。

④下山後6

 早速腹ごしらえで、またまた阿寒コタンに立ち寄る。

④下山後7

 スープカリー木多郎倶楽部 阿寒湖店 『丸木舟』で最後の晩餐スープカレーを食し、

④下山後3

 雌阿寒岳湖畔コース登山口にデポした自転車をピックアップし、

④下山後4

 これにて終了。一路川湯へ。そしてみんなでさっぱりしに池の湯へ。池の湯で疲れと汗を流した一行だが、札幌ニセコ組はすぐさま帰るという超強行スケジュール・・・。そこまでして遊ぶエネルギー、まったく感服である。


旅のまとめ

 さて、「阿寒摩周国立公園セブンサミッツ 〜国立公園内の山全部登るまで帰れマウンテン〜」いかがだっただろうか。結果的に私は「〜全部登らなくても帰ってきちゃったゴメンナサイン〜」なのだが、それぞれが全力で遊び倒した旅だった。そしてあらためて自分が普段住んでいる阿寒摩周国立公園というフィールドの懐の深さを実感した。
 スポットスポットはいわゆる『いつもの場所』なのだが、それらを1本で繋ぐことで『いつもの場所』が『ちょっとチャレンジングな冒険』へと昇華する面白さがあった。この手の思考は好きだ。そして今、コロナご時世に必要な思考とも言える。例えば星野リゾートが提言している『マイクロツーリズム』は有名な話だが、ここでの我々の旅のこともそれに肖って『マイクロアドベンチャー』とでも言っておこうか。※う〜ん我ながら上手いこと言ったかな〜この言葉はまだないかな〜とか思ってあとから調べると、やはりすでに言葉としてあったようだ。参考までにリンクを貼っておく。

・・・それからもう1つ。

異なるスタイルに、あえて挑戦したからこそわかること。

 私はトレイルランナーでもなければマラソンなど普段からしているわけではない。ある程度のアドベンチャーは少しばかりこなしているし好きだが、いわゆる”走る系”のストイックな旅の行程を組むタイプではないのだ。どちらかと言えば目的が撮影だったり、滑走だったり、のんびり旅したりと、たまにストイック系もするが、基本そういった傾向が多めだ。それでもあえてジャンルが異なる分野に足をつっこむことで新しく見えてくる世界もあるし、そうでなくともより自分の世界がシャープになったり再認識できることだろう。私の場合、今回は後者だが人によっては新しい扉が開けることも少なくない。

 大人になると、今まで自分で作り上げた自分に対するイメージで、ある程度想定通りに動いてしまうことも多いのではないだろうか。いわゆる固定概念というやつだ。私もそうだが、ついそうやって初めから自分の可能性を自分で決めてしまったりしがちだが、何事も実際に経験して身体で感じて確かめること。改めてこの旅から学ぶことができた。遊び方の多様性を知って、体感して、そこからさらに自分の遊びを深く見つめることができる。要するにこのプロセスが重要だ。
 
 こうして山や川、湖、海、アウトドアフィールドで遊ぶと様々な面が見えてくる。少し脱線するが、先日アウトドアウェブメディアの先駆けでもある「akimama」の代表滝沢氏のお話を聴く機会があり、そこで私も激しく同感、納得、感銘を受けた言葉や話があるので、それを私なりの解釈や言葉も添えてこの連載の締めくくりとしたい。

山に登ると『俯瞰力』が身に付く。
山は一見、社会や俗世とは対極のようだが、実は社会に対して大変応用がきく。山はその力が身に付く。

 どういうことか。例えばだが、今回の旅に置き換える

・3日間どんな天気か?
・どんあ行程でどれくらいの時間がかかるか?
・天候はどうか?
・どんな道具が必要になるか?
・もしもパンクしたら?事故がおきたら?おきないようにするには?
・食事はどこでとれる?買い物は?
・途中変更可能な行程か?万が一の時のエスケープルートは?

 つまり冒険に出る前には必ず計画してシュミレーションする。計画の綿密度や実行度はその冒険の内容によるがそれでも計画なしに冒険はありえないと行っていいだろう。行程やらギアのことやら、毎回必ず反省点があり、次回の旅に反映、アップデートされる。つまり勝手にPDCAサイクルがみにつく。1人旅でなければメンバーと打ち合わせ、相談し、決定する。報連相の力かもしれない。そして山に入り頂にたつ。川から橋と街を眺める。下界を眺め、行き交う人を見て、考える。普段の生活とのギャップ、対比。自然のこと、動物のこと。家族のこと、お世話になっている人のこと。つまりは生かされていること。誰しも考える。きっとそれは日常生活と異なる思考。俯瞰で今の状況を見つめ、物事を捉える力が身に付く。山や冒険を通じて様々な能力が身につくのだ。

 少々言葉足らずかもしれないが、要するにこんな感じだ。何だかどこぞのビジネス書のような辛気臭く面倒臭い内容になってしまったような気がするが、別にそんなつもりは毛頭ない。ただ、自然で思いっきり遊ぶこと。それは極限状態に近い辛い冒険からも、どんなダラけた冒険からも、いつの間にか勝手に学ぶことができていたのかもしれない。akimamaの滝沢氏の言葉に、そう自分で納得したし、激しく共感したという話だ。

 例えば別にちょっとしたことからで良いと思うのだ。コーヒーを外で飲んでみる。近所の山に登る。その辺の散策路を歩いてみる。ささやかな事かもしれないが、きっとそれが初めてのことであればあるほど、計画して実行して考えて次回に活かす。きっと自然や社会、そして自分自身のことを考えたりする。すごく当たり前のことを言っているかもしれないが・・・。フィールドで遊んで勝手に学ぶ。それはとても豊かなことだと思うのだ。歩く。走る。泳ぐ。漕ぐ。乗る。撮る。寝る。食べる。ただボケっとする。なんでもいい。ぜひ、野で、山で、アウトドアフィールドで、遊んでほしい。

 最後に。今回の冒険に関わったお店、人、日頃からお世話になっている方々、そして行動を共にしたメンバーに感謝の気持ちを改めて伝え、筆を置く。ありがとうございました。

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屈斜路湖周辺でのプライベートアウトドアツアーや写真撮影・動画撮影を中心とした活動を行いながら、豊かなライフワークスタイルの追求・研究をしています。(WEB)https://www.saru-tomokikokubun.com/