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小川榮太郎氏の異常な「自民信仰」は“似非保守発見器”だ!

 私はあまり興味が無かったが、小川榮太郎氏という保守界隈の雑誌によく寄稿している方が、何故か「岸田叩きをするな!」と騒いでいるらしい。
 今月17日にもFacebookで岸田叩きをすると「安倍氏が築いた自民党長期政権という遺産」が崩れる、と叫んでいる。
 過去のFacebookを見ると「岸田氏は現状で一番良いリーダー。問題はむしろ保守というのが私の実感」と、左翼の岸田首相の方が保守派よりも素晴らしいのだ、と力説している。このような人物は明らかに「保守」ではなく「反保守」なのだが、では何故自称保守はこのような人物を称えているのか。
 3月の投稿では「台湾有事と北海道有事、北朝鮮攻撃の複合的な日米安保破壊の可能性、少子化の進行が急激すぎる事、その中で岸田総理が非常によくやっておられる」と書いている。
 経口中絶薬を推進する一方、内密出産法制化は行わず、それどころか出産を希望する女性に偽造書類で堕胎強要した男を参院選で公認し(因みに、それが安倍首相暗殺成功の遠因となった)、まさに望まない妊娠をした女性に「半強制的堕胎」を強いている岸田首相が少子化対策を「非常によくやっておられる」というのは、一体どこの世界観にいるか理解できないが、恐らく自称保守が小川榮太郎氏や岸田自民党を支持する最大の理由は安全保障政策がタカ派であるから、という事であろう。
 岸田首相は確かに「防衛費増税」や「核共有の議論容認」と言った、かなりタカ派な政策を掲げている。しかしながら、軍拡も核武装もどちらも「保守」であることを証明するものではない。
 実際、左翼でタカ派な思想としてスターリン主義が存在しており、未だにスターリン主義を否定していない中国共産党はまさにタカ派で軍拡と核武装を推進している。また、アメリカ民主党も左派ではあるがタカ派だ。
 むしろ中絶推奨とタカ派の組み合わせは、中国共産党の計画出産政策やアメリカ民主党のプロチョイス路線を連想させる。つまり、岸田首相は明確に左翼であって、その岸田首相を批判する保守派について「問題」だと言う小川榮太郎氏は、明らかに「左翼」側、少なくとも「反保守」であることは言うまでもない。
 それでも小川榮太郎氏を自称保守が歓迎する恐らくは「本音」のレベルでの理由が、彼による「LGBT批判」であろう。小川榮太郎氏はかつて『新潮45』に次のような文章を寄稿した。

「SMAGとは何か。サドとマゾとお尻フェチ(Ass fetish)と痴漢(groper)を指す。私の造語だ。ふざけるなという奴がいたら許さない。LGBTも私のような伝統保守主義者から言わせれば充分ふざけた概念だからである。」
「触られる女のショックを思えというか。それならLGBT様が論壇の大通りを歩いている風景は私には死ぬほどショックだ、精神的苦痛の巨額の賠償金を払ってから口を利いてくれと言っておく。」

 この文章をリベラル派が「痴漢の権利を守れ」という内容であると要約すると、自称保守界隈は「それは誤読だ!」と反論、これにより小川榮太郎氏は一躍反LGBT論者の寵児となった経緯がある。
 しかしながら、「LGBT様が論壇の大通りを歩いている風景は私には死ぬほどショックだ、精神的苦痛の巨額の賠償金を払ってから口を利いてくれ」という言葉は、誰がどう考えてもLGBT差別の発言である。これを擁護するのは極めて難しい。
 もっとも、小川榮太郎氏の文章の最大の問題点は、そうした発言の善悪以前に意味不明な内容である、というところにある。
 例えば、痴漢と一緒にSMやお尻フェチを並べる意図が不明だ。数ある性癖から何故この4つが特記されているのか、まさか小川榮太郎氏の趣味を表しているものではないと信じたい。
 だいたい、「LGBT様が論壇の大通りを歩いている風景は私には死ぬほどショックだ」と言いながら「LGBT理解増進法」を制定した岸田首相を支持する矛盾は、どう説明するのか。ツッコミどころが多すぎて、最早小川榮太郎氏の言いたいことが判らないのである。
 もっとも、小川榮太郎氏が矛盾した言動をする理由は、だいたい推測できる。
 冒頭で紹介した発言から推察できるように、小川榮太郎氏はどうも「自民党長期政権」を守りたいと考えているようだ。
 今の日本には自民党以外にも保守政党は存在する。と言うよりも、国民民主党や参政党、祖国再生同盟、新党くにもり、維新政党新風、日本国民党、それに立憲民主党の重徳派、小沢派、泉グループは、少なくとも「岸田首相よりかは、右」側にある勢力である。
 そうした「非自民の保守派」ではなく「自民党長期政権」を支持するといい、そのために岸田政権を批判する保守派が「問題」とまで言うのであるから、小川榮太郎氏は「反保守」の立場から自民党を支持していると思われても仕方ないのである。
 こんな男を支持する自称保守は「似非保守」であることを自白しているようなものだ。かつてネット上ではバカしか信じないような文章を大真面目に拡散する人がいて、その文章に「バカ発見器」と命名されたが、今では小川榮太郎氏が「似非保守発見器」となっているようだ。


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