35歳からのウソ日記116『4種のボケ』
2020年9月21日
家族の話である。
私の髪はとても長い上に、ヒゲも長く伸ばしているので、シャワーを浴びた後にしっかりと髪とヒゲを乾かさなくてはいけない。
シャワー後にすぐに乾かそうとするとドライヤーの時間が果てしなくかかるのでタオルを頭に巻きつけてしばし放置する。
巻き方はインドに行った時に習得したターバンのような巻き方。
私があらゆるタイプの帽子をかぶった中で1番似合うと思われる。
前世、もしくは少しだけカレーの血が流れているのではないだろうか。
好きな食べ物もカレーだ。
インド人にヒンディー語で話しかけられたこともある。
だが、見た目は全くと言ってインド人には似ていない。
間違えられても中国人でアルヨ。
中国人の血も流れているのかもしれないアルネ。
映画レッドクリフのエキストラで参加していた、人でめっちゃ似ている人もいた。
そんな私を見かねて、母はすごく吸収するハンドタオルを買ってくると言ってくれた。
その話を父と兄に話した。
35歳の息子でもまだまだ可愛いのであろう。
そんな可愛い息子は、みんなから怪しい宗教の教祖と呼ばれていることなど母は知らない。
そして2,3日後に通販で注文したハンドタオルが届いた時である。
母はそれを見て、
「なんだこれ?」
と言った。
頼んだことを忘れているのだ。
完全にボケている。
そこで父は、
「この前話してたばっかだろ。なんで覚えていないんだ?ボケが始まったのか?」
とバカにしていた。
うーんとバカにしていた。
その夜、母はもう寝ると父と兄に言って早めに寝ることにする。
もはやふて寝だ。
そして2,3分後に父が兄に、
「あれ?お母さんはどこに行ったんだ?」
と言った。
寝ると言われたことを忘れているのだ。
完全にハゲている。
間違えた。
完全にボケている。
あれだけ母をバカにしていた父がその日の夜に同じようにボケていた。
これはまずいと思った兄が、母をわざわざ起こして、
「2人とも一気にボケるのはやめてくれ!2人も一緒に面倒みきれないぞ!そういうボケが冗談ですまない年齢になってるんだからな!」
と全裸で言ってました。
違う意味で、
ボケていた。
そんな家族全員に幼い頃からツッコミ続けていた私はお笑いという道を歩くという人生最大のボケをしたつもりだったが、誰にもツッコまれなかったので、約4年という短くない年月を経て自ら辞める。
私の人生で1番長いノリツッコミだったと思っている。
しかしそう思っている人は私以外にはいない。
私にはお笑いの血は流れていなかったみたいだ。
そんな私は今、母がくれたタオルを頭に巻きつけてカレーを仕込んでいる。
完
それでは また あした で終わる今日 ということで。
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