見出し画像

35歳からのウソ日記128『韓国風反省の仕方』

2020年10月3日

マッサージを受けにいった。

そして聞こえてきた他の客の声。

「これはすごい気持ちいい、プロの技に違いないね。」

「コリアすげーキムチいい、プロの技にチゲーねー。」

韓国ドラマにハマっている私にはこう聞こえていた。

同じ客がまた何か言っている。

「次はそうくるか、すんごい気持ちいいよ。」

「次はソウルくるか、スンドゥブキムチいいよ。」

韓国の家庭の冷蔵庫には必ずあると聞く自家製のキムチと同じように、キムチが必ず聞こえてくる。

店員さんはそれに対して、

「ありがとうございます。」

「カムサハムニダ。」

こう聞こえてはいない。

さすがに韓国人でもない限り訳した言葉には聞こえてこないだろう。

日本人の私にはムニダ。

日本人の私には無理だ、だ。

こういう現象はハマっている人あるあるだと信じたい。

先ほどの客が帰り際に「サンキュー!気持ちよかった。」と体だけでなく、心もほぐれたのか何故か英語で感謝を告げて帰っていった。

もちろん私には「サンチュ!キムチよかった。」と焼肉屋でサンチュのおかわりを頼む客のように聞こえる。

私はマッサージを終え、体も軽くなったところで食事に行くことにした。

当たり前のように韓国料理屋に足を運ぶ。

最近では休みのたびに美味しい韓国料理屋を探し歩いている。

韓国料理はとにかく辛い。

韓国で食べる韓国料理ほど辛くはないが、辛い味付けは好きだが辛さにそこまで強くない私にとっては日本で食べる韓国料理も辛い。

ご存知の方もいると思うが、韓国の人たちは辛さにめっぽう強い。

やせ我慢してるだろと思うくらい辛いのが平気で、これくらいは全然辛くないと辛い料理を食べて豪語している。

なので私も全然大丈夫という顔をしながら辛い韓国料理と対峙し続けている。

食べ続けていると辛さにどんどん慣れてくるもので、最初は辛くて辛くて口から火が出るような、次の日は肛門から火が出るような料理も今では食べられるようになった。

そして辛口なものばかりに目がいくようになっていることに気がつく。

ビールでも辛口、日本酒でも辛口、コメンテーターでも辛口が好きになっている。

さらには自分までもが辛口な発言を周りにするようになってしまった。

マッサージ屋でも前の方が良かったとか出してくれたお茶が熱すぎるなどと辛口なことを言っている。

韓国ドラマから優しさという大切さを学び心を暖かく、豊かにしてもらったというのに。

恩を仇で返すというのはこういうことなのかもしれない。

「コリア参ったな。」

私がそれに気がついたときにそう一言つぶやいたのだ。


それでは また あした で終わる今日 ということで。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?