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35歳からのウソ日記100『シゲキックスを求めてお遍路へ』

2020年9月5日

見た目で判断するな。

これは見た目で判断している人の口癖かもしれない。

私はよくこの言葉を口にするが、見た目で判断を誓って本当にしない。

人は皆、見た目と中身の違いを感じたことはたくさんあるのではないだろうか。

見た目がイカついのに、優しいというのがよくあるパターンだと思われる。

それの代表が生姜だ。

見た目はあんなに歪な形でイカついのに、風邪かなと思った時は誰もが助けを求め、体調を良い方向に向かわせてくれる優しいやつである。

心ではないが体を内側から温めてくれる優しいやつである。

悩みがある時に説教してくれるお坊さんのような存在なのかもしれない。

占いっていうと少しばかりギャンブル性を含んでいる気がしてしっくりこない。

生姜は必ず良い方向に導いてくれるのだから。

小さい頃はすられている生姜しか知らず、すられる前の生姜を見たときの驚きは今でも覚えている。

アマゾンにしか生息していない植物の根みたいなやつである。

しかし、豚肉や豆腐、はちみつに野菜、そうめんやスムージーなど相性のいいものだらけ。

めっちゃ友達多い人みたいだ。

広く浅いタイプではなく、広く深いという稀にしかみないタイプのやつである。

生姜みたいな人になってみたいと思い、四国八十八ヶ所の寺院を回るお遍路さんというのにチャレンジしてみた。

やってみることで何かを変えたいという強い気持ちで。

インドに行くと人生観が変わるとよく言われていたのと一緒である。

ちなみに私はインドに人生を見つめ直しに1ヶ月ほど行ったことがある。

初めての一人旅で初めての海外旅行だったので、刺激はものすごく、シゲキックスを食べた時と同じくらいの衝撃だった。

文化の違いという言葉では簡潔に言いすぎているほどのカルチャーショックを受けた。

その結果、私の人生観は特に変わらなかった。

変わらなかったのかい。

その経験あるのに、お遍路さんで何かを変えたくて四国行くんかい。

人は同じことを繰り返してしまうものだ。

どこかでお遍路さんならシゲキックスを味わわせてくれるのではと期待してもいたのだろう。

私が高知県にいるときに知ったのだが、日本で生姜が多く生産されているのが高知県だということ。

これはすでに何かのお導きではないかと心が踊る。

踊ったおかげで体が温まる。

生姜と同じ効用を感じる。

さすが生姜の生産地である高知県。

高知県にはお遍路で回る寺が16ほどあり、15回って最後の寺に向かう途中で、生姜を祀っている神社があった。

生姜の神でもいるのだろうか。

気になったので足を運んでみた。

私が知っているような神社ではなく、いかにも胡散臭い作りの神社であった。

しかし見た目で判断してはいけない。

生姜を祀っているくらいだから、そういう意味も込められているに違いない。

胡散臭さに惑わされずに、しっかりとお祈りをすれば、私も晴れて生姜のような人になれるかもしれない。

生姜神社という文字が胡散臭く書かれている鳥居をくぐる。

惑わされるな、これは1つの精神を試されているのだ。

くぐった後に何気なくその鳥居を振り返った。

表には生姜神社と書かれていたが、裏には別の文字が書かれていた。

「ジンジャー神社」

私はお参りをせずに駆け足で立ち去った。

私は見た目で判断することに決めた。

それでは また あした で終わる今日 ということで。


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