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35歳からのウソ日記91

2020年8月27日

朝目覚めると充電器に接続しておいた携帯電話が100%に戻っている。

自分が寝るときに充電器を携帯のお尻に差し込む。

なんとなく悪いなと思いながら。

置くだけで充電できるベッドを買ってあげようかなと思いながら結局買っていない時間がどれだけ経っただろうか。

一日中稼働し続けてくれる携帯電話は寝るときには残り10%以下になっていて瀕死状態だ。

人間と一緒だなと思う。

家に帰ってくる頃には大体残り10%以下の状態で玄関のドアを開けている。

残り10%でシャワーを浴びたり、ご飯を食べたり、お酒を嗜んだり。

これらの行為はある種の充電にもなりうる。

何%かを消費しながら、何%か充電しているのだろう。

どれくらいかは人間には分からない。

そしてその後におそらく1番の充電方法である睡眠へと向かう。

この充電の質をいかに高めるかが鍵であろう。

眠りから覚めて、携帯電話で時間を見る。

ついでに充電100%を目にする。

いいなぁ、と思う。

携帯電話は必ず100%まで一晩で回復できるのだ。

どんな使われ方をしても、一晩という時間は100%回復するには十分すぎる時間みたいである。

かと言って、100%に必ず戻れるからお尻に毎晩充電器を差し込みたくはない。

人間にはおそらく携帯電話にはないストレスという大邪魔者がいる。

果たして私たち人間はどれくらいまで回復できているのだろうか。

人によって充電方法は様々だろうし、それらに費やすベストな時間も違うだろう。

とりあえず今日起きた時の感覚に点数をつけてみた。

そこから明日の朝の感覚が今日とどれくらい違うかでまた点数をつける。

そうしたら、いつか100%にたどり着けるのではないかということだ。

これはM-1グランプリで審査員の方々がトップバッターのコンビに毎回のように言う基準点をつけるのと一緒である。

必ず聞くやつだ。

どれくらい必ずかというと、オリンピック選手がバラエティー番組で何かに挑戦したりする時に言う、「オリンピックの時より緊張してます。」くらいの確率だ。

意味は違うが、これも100%でなないだろうか。

今日の点数は10点。

二日酔いなので。

今日から点数をつけるべきではなかったなと後悔しつつ、でも明日は必ず今日よりは点数が高くなるだろうとポジティブになりつつ、10点でどうやって今日を乗り越えればいいのかを不安になりつつ、二日酔いの終わりが見えてきた時の嬉しさを期待しつつ、朝の食事が喉を通らないので充電ができないけど大丈夫かなと思いつつ、食べれた時の美味しさの感動を待ち望んでいる、今日この頃だ。

今日は省電力モードに切り替えて仕事に向かった。

こういうときは決まって時間の進みが遅い。

1年はあっという間だと言い出して何年も経つが、1時間がものすごく長い。

この感覚で1年過ごしたら地獄である。

本当の地獄はもっと地獄だろうけど。

なんとか今日という日を乗り越え、玄関のドアを開ける。

おそらく残り2%くらいだろう。

携帯電話は35%残っている。

私が省電力モードだったために携帯電話を使う回数が少なかったのだろう。

なんとなくムカついたので今日は充電器をお尻から差し込んだ上でコンセントからは抜いてやった。

その行為で最後の2%を使い果たし、私は眠りについたのである。

明日の私と携帯の点数は何点かなとドキドキしながら。

「オリンピックの時より緊張してます。」

寝言で言ってるに違いない。

それでは また あした で終わる今日 ということで。







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