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35歳からのウソ日記62

2020年7月29日

気を抜いたらやられるぞ。

ここは戦場だ。

動け、動き続けるんだ。

止まってはいけない。

大丈夫、まだまだ勝機はある。

まだ戦いは始まったばかりだ。

私はできる!

そうやって自分で自分を鼓舞する。

結局のところひとりで戦わなくてはならない。

もちろん仲間はいるし、手助けもしてくれる。

しかし最終的には自分が気を抜かずに戦えるかにかかっている。

睡魔と。

睡眠不足のせいで常に死と隣り合わせかのように睡魔が隣り合わせでいる。

気を抜く一瞬を彼は見逃さない。

まずはまぶたを舞台の幕のようにゆっくりと下げてくる。

今日という1日が終わる時ならいいのだが、1日中いつでも終演しようとしてくるのだ。

まぶたが下がってくると、黒目も早いところ舞台からはけたいのか、まぶたの裏へと隠れに行く。

それに対抗する手立ては、目を見開く、そして両手で顔をピシャリと叩き目を覚まさせ、一言。

殴ったね、親父にも打たれたことないのに。

それかギューって実際に音が聞こえるくらいに目をギューっとつむり、それを思いっきり解放する勢いでパッと実際に音が聞こえるくらいにパッっと目を開ける。

コーヒーを飲んだり、エナジードリンクを飲んだりもする。

しかしこれらの対策は決して長持ちしない。

遠距離恋愛があまり長持ちしないのと同じで。

まぶたも恋もどちらも終演してしまう。

その後にやってくるのがコックリさんだ。

小学校くらいで流行ったやつではない。

まぶたが閉じられてしまった後は、頭がゆっくりとお辞儀するかのように降りていき、あるところでコックリとスピードを上げて落下する。

その反動で一度は目を覚ますが、それを繰り返してしまう。

いつスピードが上がり落下するか分からないという遊園地のアトラクションみたいだ。

小学校で流行った方のコックリさんをやっても、ね、む、い、の3文字が導かれるだけである。

あまりにもコックリさんを繰り返していると周りの人に寝てしまっているのがバレてしまう。

誰に何も言われていないのに寝てなかったアピールをする。

深く考え事をしていたかのような雰囲気やうーんみたいな声を出してみたり。

周りには100%バレているのでやめたほうがいい。

仕事が忙しすぎて寝不足ならまだしも、ただ遊びすぎて寝不足の場合は非難がすごいので気を抜けない。

雪山で遭難と一緒である。

寝たら終わりだ。

今日の私はまさに朝まで飲んでいたために寝不足のパターンだった。

しこたま眠い。

体も頭も働かない状態で、テキパキ動こうと努力するのは調理器具を何も持たずに美味しい料理を作ることくらい難しく感じる。

加えて時間の進みが遅い。

1年なんてあっという間だとしょっちゅう言っているのに、その内の365分の1日がこれほどにも長く感じるのかと本気で疑いたくなる。

もう私に残された作戦はとにかく動くこと。

仕事の効率などは無視して、とにかく動くこと。

それだけを徹底した。

その結果、途中で電池切れしてしまった。

寝不足により体力不足にもなっていたために、いつもよりパワーを使う動きをしているのが早めに電池切れに至らせた。

電池切れとはつまり寝てしまっていたのである。

肩をトントンと叩かれる。

次は肩を揺さぶられる。

そして頭を引っ叩かれる。

起きる。

そこには上司がいる。

寝てるんじゃないと怒られる。

私は言う。

殴ったね、親父にも打たれたことないのに。

睡魔に負けてすいませんだけは言いたくなかった。

それでは また あした で終わる今日 ということで。






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