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35歳からのウソ日記118『やられてもやり返さない、忍耐だ!』

2020年9月23日

私には兄がいる。

吾輩は猫である、みたいになっている。

いやなってない。

兄には名前がちゃんとある。

私の兄は東京の中央にある銀行で働いていて、名を直樹という。

数いるバンカーのうちの一人だ。

年齢より若く見え、爽やかな雰囲気の中に信念を持った目をしている。

幼い頃からスポーツを真面目に取り組んでいたために根性もある。

そして原田泰造さんのように曲がった事が大嫌いで、幼い頃から弟である私に厳しかった。

未成年の時にタバコや酒に手を出した私を親以上に叱りつけた。

家に帰ってくるのが遅い時も叱りつけた。

中学生の頃、家のマンションの前にあるコンビニでアダルトな雑誌をバレないように立ち読みしていたが、集中してしまった私は兄が隣にいるのに気がつかなかった。

家の近くのコンビニで立ち読みする私もバカであったが、兄はその時もお前はまだ中学生だろと叱りつけた。

そんな兄が私に教えてくれたことは忍耐である。

お前には忍耐が足りないからだとよく言われていた。

兄は忍耐を行動で私に示してくれていたのを覚えている。

やられてもやり返さない。

忍耐だ。

これが兄のモットーらしい。

兄弟喧嘩で言い合いになり、忍耐力がない私が殴っても殴り返してこないし、殴り返してこないから私も殴るのをやめてしまう。

2人でよくサッカーゲームのウイイレことウイニングイレブンで遊んでいて、新しいのが発売されるたびに買っていた。

その時に半分ずつお金を出し合うという約束だった。

というよりは兄が新しいのが出るとすぐに買ってきて、お前もやるんだから半分払えよと半ば強制で払わされることになる。

しかし全然払わない私に対して何も言ってこないので、結局払わなきゃと思わされる。

貸し方は少々強引だが、貸したお金はきっちりと回収している。

学生の頃からバンカーとしての芽を育てていたのかもしれない。

なんでそんなに忍耐は大事なのか聞いたことがある。

兄はその時に言った。

忍耐とは未来への希望なのだと。

もちろん曲がったことに対して耐えることは必要ないとも付け加えた。

人の成長に繋がるらしい。

兄弟喧嘩の時も殴り返さないことで、私が殴るのをやめさせることができた。

ゲームを買った時も、待つことで私がちゃんとお金を返すという決断をさせた。

私はそれから兄弟喧嘩になっても殴ることはしなくなったし、借りたお金はすぐに返すようになった。

兄の忍耐のおかげで私は確かに成長している。

未来のある人にお金を貸す仕事は兄にとって天職なのかもしれない。

兄にとって弟である私は未来のある人だと思ってくれていたことと、成長させてくれたことに感謝の気持ちでいっぱいである。

私はいつかこの感謝を何かしらの形で、倍返しする予定だ。

それでは また あした で終わる今日 ということで。






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