なぜ本を読むのか
本を読んでて、ふと自分は何で本を読むのだろうと一丁前に考えた。
読書は趣味で目的なんてないんだが、知識を得て学び見聞を広めるため?…。実は読書で得た知識なんてすぐ忘れるし、ほとんど役になんか立たない。せいぜい他人に知識をひけらかすくらいのことだ。
数多ある本好きの人に比べれば全然大したことないが、文学では三島由紀夫をはじめ川端、太宰、谷崎、芥川、坂口、武田泰淳、森鴎外、泉鏡花、安部公房、内田百間等は文庫で出てるものは、ほとんど全作品を読破した。
でも、小説ってのは合わないとだんだん読むのが苦痛になってくる。せっかく買ったから読まないともったいないと貧乏性でノルマになってくる。
大好きな三島は別にして、タイトルと大体こんな感じだったなぁくらいで、筋なんてほとんど忘れてる。でも、読んだ瞬間にでも面白かったと感動すれば別にそれでイイと思う。
脳出血になって障害を負ったことで、脳をダイレクトに意識し始めたというか、自分の脳の可能性を試してみたいというか、やっぱりトコトン「考える」ためかもしれない。
小説でも、興味深いジャンルのノンフィクションでも、俺だったらこうする、こう考える、こんな人がいるんだ、へー、そうかぁ、なるほど〜、もっと違う考え方はないかなぁ、なんてね。
人は一生のうちにどのくらいの本を読むのかわからないが、人生で繰り返し読みたくなるほど影響を与えてくれる本なんてせいぜい2、3冊だろう。
若い時読んで、つまんねーなって本でも、中年になって改めて読むとなんだこんなに面白かったのかとなる本も多いし。
すぐ忘れちゃうんだが、時間を忘れて心酔でき、読んで自分は変わったと勘違いさせてくれる本を読みたいものだね。
脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。