脳卒中後ウツ

隣人である、同じ片麻痺の、ヅラのオジサン(もうオジイちゃんかな?)、最近見かけないなぁ、どうしたんだろ?と思ってたところ、さっき、奥さんが庭仕事をしてたので、「旦那さん、お元気ですか?」と声をかけたら、ずっと部屋に引きこもったままだ、と聞いた。一日中、部屋にいて、何をするでもなくテレビを眺めていて、食事の時だけ、リビングに来るという。

70代(多分)の彼は、脳梗塞による左片麻痺(俺は脳出血による右片麻痺)で、前は、朝と夕方、必ず近所を散歩してて、たまにウォーキングする俺と出会うこともあった。

全てを聞いたわけじゃないので、わからないけど、脳卒中後のウツは、何年経っても、後遺症として発症することがあるらしい。「脳卒中後うつ病(PSD)」という名称もあるし。

やはり、重い麻痺が残った場合に、絶望的気分に陥ってウツ傾向、もしくはウツ病になってしまうのだろうか。

俺も、発症後の約8年間で、あからさまなウツ症状はないとは思うけど、これまでに数回、激しく号泣したり、訳もなく、気分が落ち込んだり、悲しくなったり、不安になったりはあった。誰でもあることかもしれないけど。

麻痺という障害が残ったことによる心の負担以外に、脳の神経ネットワークの具体的な障害によって、何らかの問題が起こってしまい、ウツ症状を引き起こすことも、もしかしたらあるかもしれない。

ウツ症状に陥ると、動けなくなるので、リハビリもやらなくなるし、体力も落ちるし、健康にも良くないし、ヘタすれば再発ってことになりかねない。

病院で、明らかにウツ病と判断されれば、薬を処方してもらうしかないかもしれないが、気分障害など、心に関することはハッキリとしない面も多くて、対処に困ることも多いだろう。

隣人のオジサンは、もう高齢となるので、このままいくと認知症やせん妄へと進むかもしれない。奥さんには、「この病気は、そういうことは頻繁にありますから、受け止めて、優しくしてあげてください」と話しといたが。

俺は、退院直後から、ムリしてでも、積極的に頻繁に外に出たのが幸いだったかもしれない。病院に行くのも、身内のクルマを利用せずに、独りで公共の交通機関を使って、周りに不如意の身体をさらして。

俺の麻痺は“ステージ3”というから重い方になると思うけど、杖を突いて、時にはミスをしたり、道に迷ったり、他人に迷惑をかけたり、転んだりもしたけど、「カッタリィなぁ」と思っても、ムリして外に出ることで、極端なウツになるヒマがなかったのではないか。

あとは、少しでもリハビリを習慣化させることと、積極的に本や映画等々、表現に接すること。片麻痺は個性だ!くらいに覚悟を決めること。

基本、「まあ、なんとかなるだろう、ならなきゃ死ねばイイ」と、バカでノーテンキだったからね(笑)。

☟途中にあった遺跡。住居跡?


脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。