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【先週の生活者不満】①安心して糖質OFFを、②バズる意味(~2023/3/19)

こんにちは。Insight Tech CEO 伊藤です。「声が届く世の中を創る」の実現に向けて不満買取センターを運営しています。

このnoteでの連載として「先週の生活者不満」をお届けしています。

この企画は毎週月曜~木曜日に放送されているJ-WAVE TOKYO MORINING RADIOの毎週木曜日のコーナー「データから導く<Better Life>」と連動しております。毎週ナビゲータの別所哲也さんに先週の生活者不満からみえる「Better Life」をお届け頂いています。是非ラジオもお聴きください。

先週の生活者不満(~2023/3/19)

注目するのは「前の週と比較して増加が目立ったキーワード」。そのキーワードの出現件数を反映したワードクラウド(下図)をみると「先週はこんな不満が目立ったみたい」という理解ができます。

先週は春の雨が降ったこともあり「雨」・「傘」に関する不満が多く寄せられました。そのほか、岸田内閣が推進する低所得向けの給付金政策に関しても多くの声が寄せられ、関心度の高さがうかがえる結果となりました。

そのような中、今週は①「糖質」、②「バズる」に注目します。
これらも先週増加が目立ったキーワードです。早速どんな不満だったのか見ていきましょう。

①安心して糖質OFFを

先週は「糖質」に関する不満が増加しました。春となり外出も増え服装も冬よりも薄着となる中で体重や体形への意識が高まっていることが背景にあるのか、食べ物に含まれる「糖質」について関心が高まってるようです。

アイスクリームやお煎餅など食事以外のおやつやデザートにも糖質カットのニーズが聞かれています。栄養も取りながら満足感を感じつつ糖類は抑制したい、という欲張りな生活者の想いがうかがえます。

週に1回、アイスクリームを食べる日を決めているがやっぱり糖質が気になる。糖質カットのアイスクリームは少ないのでもっと販売して欲しい(50代・愛知県)

お煎餅大好きな私。糖質オフのお煎餅がない!お煎餅屋さん糖質オフのお煎餅作ってくださーい!(60代・神奈川県)

また、体質などの関係で「糖質管理」が必要となる中で、食べ物のパッケージに糖質の記載がないものがある事への不満も聞かれました。
「食への安心」のなかに「糖質がどれほど含まれるのか理解して安心食べたい」との期待が含まれていることが分かります。

糖質管理したいけど、なかなか記載がなかったり、甘いものは糖質が高すぎたりで、なかなか難しい。妊娠糖尿病患者でも安心して食べれる甘いものがほしい。我慢ばかりでストレスになる(40代・大阪府)

食品の成分表示に糖質が無いのが不満。塩分表示はあるのだから、糖分・糖質の成分表示もあると良い(30代・宮城県)

このように糖質への関心が高まる中、3月15日に国民生活センターより「「糖質カット機能」で炊いたご飯は通常と比べ水分量が増えた分、同じ重さ当たりの糖質の割合は減ったものの、糖質の総量に大きな差はなかった」との発表がされました。

これに対して不満買取センターにも多くの不満・不安が寄せられました。
購入しようと思っていたが残念、という声に加え、実際に購入して利用している生活者からも「がっかり」との声が聞かれています。

糖質カット炊飯器、欲しいなと思っていたのに大差なかったんですね。残念です。買わなくてよかった。(40代・群馬県)

糖質カット炊飯器の一部が表示されたカット率を満たしていないというニュースに、満たしていない会社が表示を直したと言っていたが、すでに買った人への対応はないのか。欲しいと思っていたので、満たしていないものは買わないようにします。(30代・愛知県)

国民生活センターが、糖質カット炊飯器、糖質の総量に大差なしと公表。痩せられるかなと、買って使っているけど、糖質カットされてなかったのか。がっかり。(40代・静岡県)

「糖質カット」といういわば「付加的な+α機能」ではありますが、そこへの関心や期待が高まっているからこそ、大きながっかりが生まれています。

あらゆる商品・サービスにおいて、「最低限の機能」は当たり前のものにあるなかで、「+αの機能」がマーケティングの強みになる時代。生活者はこの「+αの機能」で商品やサービスを選んでいます。

つまり、「+αの機能」に対する「がっかり」「信頼低下」は、最低限の機能が欠如した場合と同様の影響を企業ブランドにもたらすと考えられます。

万が一、企業側が「最低限の機能は提供できているんだから・・」との甘い考えを持つと、生活者からの信頼を更に損なうことになりかねず、正しく誤解のない情報を迅速に伝えることが今まで以上に重要となります。


②バズる意味

SNSでバズるために不謹慎な動画をアップする事例が増えています。
路上生活者(ホームレス)の女性に嫌がらせをする動画を撮影してSNSにアップした10代女性がその動機について「SNSをバズらせたかった。自分のフォロワーが増えると思った」と語るなど、「バズる」意味が問われています。

これに対してZ世代と呼ばれるデジタルネイティブの20代から多くの不満が寄せられました「SNSでバズりたい」との思いが自己の承認欲求につながり善悪の判断よりも優先している事への危惧が拡がっています。

SNSでバズりたくて、他人に迷惑をかける人が増えている。常識を知って欲しい。(20代・北海道)

承認欲求なのか、SNSに迷惑行為をしている動画を載せて炎上させている若者が多い。悪いことでも何でもいいからバズらせて有名になりたいというのは異常だし、社会にとって大きな損害である。罰則を厳しくする、投稿サイトが動画を投稿できないように規制するなど、そのような行為ができないような対策をするべき。(20代・宮城県)

20代以外の世代からも多くの声が寄せられました。投稿が出来ないような仕組みや厳罰化によって、善悪の判断にゆだねる以上の規制や罰則が必要との意見も聞かれています。

SNSをバズらせるために嫌がらせするような行為にものすごい厳罰をして欲しい。もうこのようなことが起きないように。(60代・千葉県)

バズりたいとかフォロワー増やしたいとかそんな理由のためにやってはいけない事の区別もつかないってなんか価値観おかしくなってる。(40代・富山県)

ネットテロ動画、どうにかならないものか。バイトテロ動画から10年経つっていうのに、客テロ動画に不謹慎パロディ動画。バズったら、再生回数上がったら収益が出るネットの仕組み、考え直して欲しい。(40代・大阪府)

言うまでもなく、SNSによって個々人の個性や考えが世の中に広く発信でき、これが世の中にポジティブな影響を与え多くの人のチャンスを生み出してきました。ユーザー一人ひとりの価値観や自省・規律を前提に社会や生活に豊かさをもたらしてきた結果と言えます。

一方で、その反動として「注目されたい」という結果に意識が移ってしまい「注目をされることが収益・正義」との誤解・飛躍が生まれ、これが善悪の判断よりも「バズる」ことが優先されてしまうケースを生んでいます。

改めて「バズる」ことの意味を考え、世の中に自分を発信することの意味を考えるタイミングなのかもしれません。

SNSというツールに振り回されず、上手に付き合い、ポジティブな影響が伝播していくことを願ってやみません。

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Insight Tech 伊藤

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