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なぜ、いま、VoC経営なのか。#2 第1章 So Why?(総論)

Insight TechでCEOをしている伊藤友博(イトウトモヒロ)です。

私たちInsight Techは「声が届く世の中を創る」ことをビジョンに掲げビジネスをしています。「サイレントマジョリティ」や「声なき声」「届かない声」という概念を意志×知性×テクノロジーでブレークスルーし、声をビジネスに活かすかすことで競争力を高め、そして生活を豊かにする、そんなループが当たり前になる世の中にしていきたいと考えています。


このnoteは連載「なぜ、いま、VoC経営なのか。」の第2回をお届けします。

【前回#1ではこの連載の背景をお伝えしました。是非ご覧ください】

第1章 So Why? [総論]

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前回の#1序論では、いま多くの企業が「VoC経営」を意識し始めている実態についてお伝えしました(以下は#1序章 まとめの振り返りです)。

・VoC = Voice of Customer
・VoCデータ=一人ひとりのお問い合わせのログデータの総体
・VoC活用=CS(お客様満足度)の向上・クレーム撲滅ではない
・VoCから企業としての新しい価値を生み出そうとする企業が増えている
・その中で【経営レベル】での活用を【仕組み化】する流れが出つつある
・これが「VoC経営」として一部企業で経営戦略の柱になりつつある

本シリーズでは【VoC経営】を以下の通り定義しています。

ユーザーや生活者一人ひとりの声に耳を傾ける。
それを、一人ひとりの不満や期待に応えるために活かす。
加えて、寄せられた声の総体の中から経営課題を見出し改善するとともに、
その中から新たな価値創出の可能性(イノベーションの種)を見出し
ビジネスを強くし、生活者や社会に新たな価値を提供しようとする経営。

今回からは、「でも、なんでVoC経営なの?」「VoCって今までもキーワードとしてはよく聞いたけど今更なんで?」といった疑問に対して私なりに整理してみたいと思います。

”VoC経営が企業の中で重視されていることは分かった。So Why?”

経営を取り巻く環境が劇的に変わっています

大きな背景にあるのが「経営を取り巻く環境が大きく変わっている」ことであるのは言うまでもありません(すみません、ここまでは「当たり前の話」です)。

【規模の経済】や【過去の市場シェア】だけでは優位性を見出しにくい時代、【不確実性】が高まり明日のビジネスがどうなるか読みにくい時代、そのような中で【ライフスタイル】は多様化し、むしろ生活者のほうが【多くの情報】に触れ意思決定の主導権を握っている時代。
そして、【データ×AIドリブン】での【デジタルイノベーション】によって破壊的なイノベーションが起こる時代。

このnoteを読まれている皆さんであれば「当たり前」の変化です。

でも、これではSo Why?の答えになっていません。こういった大きな変化(メガトレンド)がなぜVoC経営の重要性を高めているのか。そのことに踏み込んで考えていきたいと思います。

So Why?をフレームワークで要素分解してみる

先に挙げたようなメガトレンドがどういった側面で【VoC経営】の重要性を高めているのか。私なりのフレームワークで整理してみたいと思います。

ここでは、企業と生活者・顧客との関係性にまつわるイシューを体系的に整理するための私なりに整理したフレームワーク(COMRECT:コムレクト)を用いて【VoC経営】が求められる理由を整理したいと思います。

COMRECT(コムレクト)
企業と生活者・顧客との関係性にまつわるイシューを体系的に整理するためのフレームワーク(伊藤考案)。両者の関係性を定義する5つの要素である①生活者・顧客(Consumer)、②その総体としての市場(Market)、③企業(Company)と④生活者・顧客との関係性(Relation)、そして企業が活動する上で活用できる⑤技術(Technology)の頭文字を連ねた造語。

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企業と生活者の関係が変わる。その変化への対応=VoC経営

下図をご覧ください。COMRECTのフレームワークに沿って、メガトレンドが企業と生活者の関係にどのように変化をもたらしているのかを体系化してみました。

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メガトレンドの影響を受けながら、以下の6点が【VoC経営】の重要性を高めていると考えます。

①顧客と企業との対面での接点が薄れている
②ダイレクトにフィードバック・提案できる時代
③プラスもマイナスも顧客自らが市場でシェアする
④もはやマス市場がない。スモールマスが新しい価値を生み出す
⑤技術革新によりVoCからホンネを捉えられるように
⑥スピーディな多産多死での事業創出が勝ち・価値パターンに

いかがでしょうか。
このような「変化」が「同時に」且つ「加速度的に」拡がりつつあるのが今この時代なのです。経営観点で見れば、産業革命に匹敵するほどの大きな変化とも言えます。非接触を中心とした「新しい生活様式」が求められていることもこの変化を加速させていることは言うまでもありません。

これら①~⑥に個別に対応していては効果は限定的にならざるを得ません。なぜならば①~⑥は決して独立した問題ではなく、相互に関係しているからであり、これに対応するためには、より本質的な目線で、強い意志を持ち、総合的な戦略をもって経営の方針をギアチェンジさせることが必要だと考えるのです。本質的な課題は「企業と生活者の関係が変わることへの対応」であり、これに対応するギアチェンジが求められているのです。

そのヒントが「生活者・顧客の声・想い」にあると考えます。つまり、「需要者・供給者の関係」から「価値共創のパートナーシップ」へと昇華させることが①~⑥に対応した経営だと言え、それこそが【VoC経営】の本質的な意義だと言えます。

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本日は総論としてここまでにします。次回以降は①~⑥のそれぞれについて具体的に深掘しながら、So Why?の解像度を高めていきたいと思います。

まとめ

・企業経営にまつわる環境は大きく劇的に変化している
  ①顧客と企業との対面での接点が薄れている
  ②ダイレクトにフィードバック・提案できる時代
  ③プラスもマイナスも顧客自らが市場でシェアする
  ④もはやマス市場がない。スモールマスが新しい価値を生み出す
  ⑤技術革新によりVoCからホンネを捉えられるように
  ⑥スピーディな多産多死での事業創出が勝ち・価値パターンに
・上記に共通する本質課題は「企業と生活者の関係が変わることへの対応」
・「価値共創のパートナーシップ」の段階に昇華させられるかが鍵
・そのヒントが「生活者・顧客の声・想い」にある


次回予告とお願い、です。

次回以降もこのnote連載「なぜ、いま、VoC経営なのか。」を楽しみにしていただけると幸いです(お仕事の繁忙度によりますが、週に1度の更新を目標に頑張ります笑)。

次回はVoC経営が求められる背景要因である①~⑥について皆さんと認識を共有できればと思います。

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では、また次回!



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