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パンの不満を解析! ヘビーユーザー化へのカギは「食感」と「添加物」

こんにちは。Insight Tech CEO 伊藤です。「声が届く世の中を創る」の実現に向けて不満買取センターを運営しています。

このnoteでは、私たちが保有する3,500万件の不満データ(不満が書かれたテキストデータ)を自由に解析できる「不満ファインダー」を用いて、「パンの不満」から見えるマーケティングのカギを炙り出します。

パンへの不満は尽きない!

早速、不満ファインダーを用いて「パンの不満」がどれくらいあるか見てみましょう。検索してみると、なんと、14.8万件にも上る「パンの不満」が見つかりました。


不満ファインダー データセット登録画面

「パンの不満」の推移を時系列でみても、減少することはなく、日々多くの「パン不満」が寄せられていることを踏まえると「パンへの不満は尽きない」ことが分かります。

不満ファインダー 時系列画面

尽きることのない「パンの不満」。言い換えれば「不満」の本質を捉えることでマーケティングのチャンスが見つかるかもしれません。

パン3大不満は「量」「価格」「味」

不満の1件1件に書かれている内容がパンのどんな要素に対する声なのかを分類すると、「パンの不満」として最も多いのは「量」。次いで「価格」「味」と続きます。「味」が最上位ではないのが意外ですね。

この傾向は時系列でみても大きな変化は見られません。

不満ファインダー 時系列画面

パンに対しては、味だけでなく、コストパフォーマンスや満腹感が重視されていると言えます。

離反に繋がるのは「食感」と「原材料」

では、どのような不満が「もうこの商品買わない!」という離反に繋がっているのでしょうか。不満を投稿してもらう際に回答されている「今後の購入への影響」に関する結果と組み合わせてみていきましょう。

「食感」不満は離反率70%!

不満の「量(横軸)」と「離反への影響度(縦軸)」で見ると、「食感」についての不満は件数も相応あり、離反率が全体平均よりも高い70%となっています。つまり、食感に不満を感じた生活者の7割が「もう買わない!」と感じてしまっているのです。これはマーケティング上の課題と言えます。

不満ファインダー 優先課題

実際に不満の声を見てみると、「パン自体の食感」だけでなく、「具材・トッピングと合わせたパン全体としての食感」が重視されていることが分かります。

パンが柔らかすぎて食べにくかったです。もう少し固い方がいいと思いました。

大粒のくるみが入っていて甘味のあるパンで美味しかったですが、くるみの食感があまりなくて大きさよりも量があると良いかなと感じました。

つぶあん&ホイップクリームが甘いパン好きにはたまらない。出来たら小豆をもう少し固くしてもらいたい。

具材やトッピングを含めて「パンを食べる」という行為の中で体験できる食感を設計する。そんなきめ細かさがパンに求められているのではないでしょうか。

「添加物」不満は離反率79%!

「添加物」に関する不満は更に離反率が高く79%です。「食感」と比べると不満の量は少ないですが、離反率が極めて高く、健康意識が高まる中で「添加物」を気にする層に対して適切なラインナップを提供することは避けられない選択肢となりそうです。

不満ファインダー 優先課題

スーパーのパン売場には添加物たくさん使っている低価格のものがほとんど。身体に安心食材を探してスーパーにいくが、選択肢が少なすぎる。オーガニックコーナーを作ってほしい。

子どものパンに添加物やややこしそうな材料を入れないでほしい。

天然酵母で添加物もないのが気に入っている。あさごはんや昼ごはんに食べられるような惣菜パンもあると嬉しい。

家族で毎日おいしく食べたい。だからこそ安心して食べられるよう添加物には配慮したい、という期待の高さ故の不満と言えそうです。言い換えれば、この期待に応えることで継続的な購入に繋げられるのではないでしょうか。

「食感」と「添加物」が「ヘビーユーザー化」のカギ

「離反」を抑え、継続的に購入してもらうための課題として「食感」「添加物」に注目しました。この不満を抱える層はどんな人たちなのでしょうか?

「食感」に不満を感じる層の多くは「その商品を買ったのは初めて」としています。「初めて買ったけど食感が気に入らないからもう買わない」というシーンです。

一方で、「添加物」に不満を感じる層の多くは「自分でたまに買う」としています。つまり、「たまにはいいけど、添加物があるならこれ以上は食べたくはないな」というシーンです。

不満ファインダー 定量クロス集計

つまり、「食感」はトライアルユーザーの定着化、「添加物」は高頻度化への障壁になっている可能性があります。

まとめ

パン3大不満は「量」「価格」「味」でしたが、離反に繋がりやすいのは「食感」と「添加物」。

「量」や「価格」を変えることよりも、「食感」と「添加物」に関わる不満を解消することの方が、トライアルユーザーを定着化・高頻度化させ、「ヘビーユーザー化」に繋げることができると考えられます。

このnoteがよりよいパンづくりを通じて、生活者の皆さんの豊かなパンライフの実現に繋がれば、そんなにうれしいことはありません。

不満ファインダーは生活者の不満からビジネスチャンスを炙り出す

このように「不満ファインダー」は生活者の不満のビッグデータから多面的な分析を通じて優先課題・事業機会を炙り出せる唯一の分析ツールです。ご関心がおありでしたらお気軽にお問い合わせください。

私たちInsight Techは「声が届く世の中を創る」の実現に向け、「不満はイノベーションの種」と信じ、これからも生活者の声に耳を傾けて参ります。

不満ファインダー



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