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成人式、マスクしていると誰か分からない・・ほか(先週の不満:~2022/1/9)

こんにちは。Insight Tech CEO 伊藤です。「声が届く世の中を創る」の実現に向けて不満買取センターを運営しています。

このnoteでの連載として「先週の生活者不満」をお届けしています。

この企画は毎週月曜~木曜日に放送されているJ-WAVE TOKYO MORINING RADIOの毎週木曜日のコーナー「データから導く<Better Life>」と連動しております。毎週ナビゲータの別所哲也さんに先週の生活者不満からみえる「Better Life」をお届け頂いています。是非ラジオもお聴きくださいね。

先週の生活者不満(~2022/1/9)

注目するのは「前の週と比較して増加が目立ったキーワード」。そのキーワードの出現件数を反映したワードクラウド(下図)をみると「先週はこんな不満が目立ったみたい」という理解ができます。

先週はオミクロン株により新型コロナ感染者数が急増したことに関連して「感染者」「沖縄」「拡大」といったキーワードが急増しました。全国的な感染拡大に向かう中で様々な不安が不満となって顕れているようです。

そんななか、今週は①積雪、②七草粥、③成人に注目します。

積雪に弱い大都市・東京に「雪国マウント」?

1月6日に東京を含めた広い地域で大雪となり、都心でも10センチ程度の積雪が観測されました。積雪に伴い、転倒によるケガやスリップによる交通事故などの事故が多く発生し、「雪に不慣れな東京」であることが改めて露呈しました。そのことについて様々な不満が寄せられました。

今回の積雪ではとくに「首都圏住民の雪に対する意識や備え」が注目されました。この程度の積雪に不慣れであることに対して積雪が多い地方に住む人から批判が集まり、「雪国マウント」というコトバさえ生まれました。

これに対して、慣れていない事ゆえの不便や心配を素直に吐露する不満や、「雪国マウント」という概念自体を批判する不満が寄せられました。北海道に住む方からも「普段雪が降らない東京と比べても仕方ない」「慣れていないのは仕方ない」との声が寄せられています。


雪が降った。雪国の人たちだと大したことないんだろうけど、年に数回降るか降らないか、降っても滅多に積もらない地域で育った私には大問題。車の運転はもちろん、徒歩で出かけることもためらわれる。(40代・埼玉県)

1月6日、首都圏などで積雪があり、雪の模様や交通などへの影響はメディアでも大きく報じられていましたが、その中で「雪国マウント」という言葉をネット記事で見て、不満です。「雪国暮らしからしたらこの程度で大雪かよ。」などの指摘のことのようで、私も北海道在住なので気持ちはわかりますが、普段中々降らない東京と比べても仕方ないと思いますし、マウントをとることでもありません。(30代・北海道)

雪に対する備えや不慣れだからこその慎重な判断が必要なのは言うまでもないですが、「雪国マウント」というコトバで言語化してしまうとさらに地域間での批判や差別をもたらしかねないことを多くの生活者が理解しており、互いの地域の特徴を理解した発信や行動を求めていることが分かります。

一方で、積雪への更なる備えや対策が必要であるとの意見も多数寄せられました。例えば・・・

関東地方南部の各都県警は、積雪時の走行自動車のスタッドレスタイヤ、チェーン利用の確認を強化して欲しい。(30代・埼玉県)

積雪の影響で朝の通勤ラッシュ時間に渋滞がおきて、車がなかなか進まず、普段より早く出たのに遅刻してしまった。冬場は、度々ある事のため、時差出勤が可能な会社は、時差出勤を推奨してほしい。(20代・福島県)

コロナはテレワークが推奨されるのに、積雪の次の日は限りなく地面が凍結しているなか、ゆっくり歩いても滑るので転びそうでヒヤヒヤしながら出勤した。天候もテレワークする理由として認めて欲しい。(30代・東京都)

といった不満です。スタッドレスタイヤやチェーンの利用促進はもとより、会社側にも通勤のスタイルを柔軟に変更できる選択肢を用意して欲しいという意見です。頻繁に起こることでないからこそ、今回の積雪を振り返り、個人として、企業として、地域として出来ることがないかを洗い出し次の積雪に備えることが重要であると言えます。

七草粥を気軽に楽しみたい。でも七草って何?

続いて、七草粥への不満も増加しました。

七草粥:1月7日の人日(じんじつ)の節句の行事食。その日の朝に「春の七草」が入ったおかゆを食べると、1年間を無病息災で過ごせるとされています。春の七草は、歌でおなじみ「せり・なずな・ごぎょう・はこべら・ほとけのざ・すずな・すずしろ」の7種。

お正月後の行事食である七草粥。具体的にどんな不満が寄せられたのか見てみましょう。主に60代以上の世代からは以下のような不満が寄せられました。

七草粥が今年は食べられなかった。お天気が悪くてスーパーまで行けなかったからですが、コンビニでレトルト七草粥が売っていたら良かったのに!と思いました。(60代・埼玉県)

七草粥を買い損ねて昨日食べられなかった。そして今日買いに行ったけれどやはりもう無かった、残念。(60代・愛知県)

春の七草粥があるが、飽きてしまうので、洋風の七草粥や中華風七草粥などが出来てほしいです。(70代・愛媛県)

季節の行事食として七草粥をきちんと頂きたい、という想いがありつつも、品切れ等で買い損ねてしまったという不満や、もっと気軽に色々なバリエーションで楽しみたいという声が多く寄せられました。
60代以上の方にとって七草粥は季節を彩る食事として大切な存在であり、便利に自分らしく楽しみたいというニーズが存在するようです。

一方で以下のような声も。

七草粥用に七草がパックに入ったセットを購入。どれがどれなのか、子どもにはわかりづらくて不満。パックの表に小さく七草の名前とイラストがあった。パックの中身とイラストを照らし合せようとしたが、子どもにはわかりづらかった。割高だったのに残念。内容物はなるべくイラストの絵に近づけてほしい。(40代・栃木県)

七草を買って七草粥を作ろうと思い7種類がちゃんと揃っているか確認しようとしたのだが七草を説明するイラストと文字が小さすぎてルーペを使わないと読めなかったのが不満です。もう少し大きい印刷をするか説明の紙を1枚入れて欲しいです。(60代・愛知県)

七草粥を頂くにあたり、「七草とは何か?」を理解したいけど分からない、という不満です。外出を自粛する人も多い中で、七草粥を通じて「季節の変化」を愛でながら日本の食文化に向き合い楽しみたいという欲求が存在するようです。
外出が抑制されるなかで季節の変化を感じにくい昨今。改めて「季節」と「食」の関係について、背景にある文化や歴史を含めて関心が高まっているのかもしれません。


成人式、マスクしていると誰か分からない・・

1/10(月)は成人の日でした。ことし成人式を迎えた新成人の皆様、おめでとうございます。昨年よりは新型コロナ感染症の感染者は少ない時期とはいえ、オミクロン株によってふたたび感染者数が増加する基調になる中で、一部地域では成人式の中止や延期が相次ぎました。

そんな成人式に関わる不満が多く寄せられています。

多かったのが、「中止」になったことで成人式に参加することが出来なくなった新成人を可哀想に思う声。人生の門出ともいえる成人の日をしっかりとお祝いしてあげたい、という先輩・親世代からの声が中心です。

ニュースで成人式が中止になったところもあると聞いた。でも中止ではなくて延期でも良かったのではないでしょうか?楽しみにしていた人はかわいそう。中には21歳の人たちが延期して今年開催したところもあるようです。(30代・福島県)

一生に一度の成人式もできない子達が可哀想。振袖を着て撮影くらいはさせてあげたらいいのに(30代・富山県)

参加した親世代や新成人からは式の運営の仕方について不満が寄せられました。

感染症対策もあり、複数回に分けて開催されたことで友達と会いにくくなったことや、マスクをしているからお互いに認識しづらくなったことなど折角の日の喜びを仲間と共有出来ない事への不満が寄せられています。

こうしてみると、成人式は自分の成人を祝う機会としてだけでなく、お互いの道を進んでいる仲間との再会・会話の機会としての期待が高いことが分かります。そんな再会・会話の機会をスムースに創ることが出来る仕掛けが求められています。

成人式。2回に分けられていた。お友達と会いたいのに、時間が違うので、待たないといけない。(50代・山口県)

成人式で、みんなマスクをしていて、さらに外見も変わっていて、ほとんどの人を認識できなかったり。マスクをしていると人を認識しづらくなる。早くマスクのない生活に戻りたい。(20代・愛知県)

成人式。せっかくの振袖なのにみんなマスク... 受付で透明のフェイスシールドを配ってくれたら良かった(+_;)(50代・宮城県)

そして、最後に、新成人の心身のケアを求める声。

成人式、心身共に万全な状態で行きたかったです。新成人の心と体のケアを来年以降よろしくお願いします。(20代・愛知県)

今年新成人を迎えた世代の多くは、コロナ禍によって大学入学式が中止になったり、オンラインが前提での授業になったりと大学生活を十分に満喫できず、仲間もつくりにくいという「大学2年生問題」に該当する世代です。

コロナ禍の影響を大きく受けている世代。新成人として社会で存分に羽ばたけるよう、成人の日後も社会的なサポートが求められている世代と言えます。

新成人の皆さん、改めて、おめでとうございます。
皆さんの活躍を願っています。

皆さんの不満がポジティブに変換され素敵な毎日が送れますように。

伊藤

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