見出し画像

【Weekly不満】「あだ名」「ワンオペ」。相手を思いやり一人にしないことが大切(~2022/6/5)

こんにちは。Insight Tech CEO 伊藤です。「声が届く世の中を創る」の実現に向けて不満買取センターを運営しています。

このnoteでの連載として「先週の生活者不満」をお届けしています。

この企画は毎週月曜~木曜日に放送されているJ-WAVE TOKYO MORINING RADIOの毎週木曜日のコーナー「データから導く<Better Life>」と連動しております。毎週ナビゲータの別所哲也さんに先週の生活者不満からみえる「Better Life」をお届け頂いています。是非ラジオもお聴きくださいね。


先週の生活者不満(~2022/6/5)

注目するのは「前の週と比較して増加が目立ったキーワード」。そのキーワードの出現件数を反映したワードクラウド(下図)をみると「先週はこんな不満が目立ったみたい」という理解ができます。

先週は持続化給付金の不正受給に関するニュースが話題となり、これについて不満が集中しました。不正受給への不満だけでなく、不正を排除・発見することができない申請手続きに対する不満も多く寄せられました。行政手続きにおけるデジタル化の遅れを嘆く声も目立ちました。

そのような中で今週は①「あだ名」、②「ワンオペ」に注目します。

あだ名はダメ、それだけでいいのかな

クラスメートを「あだ名」で呼んだり「呼び捨て」にしたりせずに「さん付け」にするよう指導する小学校が増えていることに注目が集まりました。

「あだ名」や「呼び捨て」がイジメに発展することがあるから、との背景がありますが、これには賛否両論のいろいろなモヤモヤが集まりました。

容姿等を連想させるようなイジメにつながる「あだ名」については良くない、言われた本人が傷つくことがあるような「あだ名」は避けるべきというのは共通認識としてあるようです。実際に「あだ名」で傷ついた経験がある方からの賛同の意見も寄せられています。

人の容姿等を連想させたりするのは確かに良くないですね。そのあだ名でコミュニケーションのつもりが、本人はすごく傷ついていると言う事もあります。(60代・愛知県)

小学校で、さん付け指導が当たり前。あだ名で呼ぶ事は、ないと言う指導は、とてもいいと思います。私は、あだ名でひどく傷つき辛い経験をしました。あだ名でいじめにも繋がります。今の小学生のさん付け指導これからも全国でやってほしい(50代・愛知県)

一方で、親近感を感じコミュニケーションを円滑にする「あだ名」も禁止されることへの抵抗感も聞かれました。
また、いじめにつながる「あだ名」を禁止することは必要だが、それだけで十分ではない、といういじめられたことがある方からの声も。

小学校であだ名禁止指導のニュース、親しく呼ぶニックネームも駄目なんだろうな。例えば、幸子をサッチンと呼ぶのも駄目なんだろうか。(60代・三重県)

学校で、あだ名で呼ぶ事、禁止って、校則、つくっている様だけど、いじめの、根本的原因は、そこじゃない気がする。私も、よく、変なあだ名で、いじめられたが、だからこそ、なんとなく、そう言える。(40代・兵庫県)

当たり前の話ではありますが、「あだ名」を禁止すればいじめがなくなる、というものではありません。乱暴で相手を傷つける「あだ名」がなぜいけないのかを生徒に伝えてほしい、との生活者の願いがうかがえます。

相手を思いやること、相手の気持ちを想像すること。このことを皆で理解し合うことこそが重要です。「あだ名」を禁止することは「相手を思いやること」の大切さを気づかせるきっかけ・手段だと思います。『なぜ「あだ名」を禁止するのか』を伝えるなかで、相手を思いやる気持ちが自然に育まれることを願ってやみません。



あなたの周りにもワンオペ、ありませんか

深夜営業・早朝営業をする飲食店で従業員一人が店舗の運営を行う、いわゆる「ワンオペ」が問題視されています。ワンオペで店舗を運営していたパート従業員が勤務中に亡くなられたことを受けて、改めて「ワンオペ」の危険性が指摘されています。(パート従業員の方のご冥福をお祈りいたします)

飲食店の「ワンオペ」制度は肉体的な負荷が高いことから廃止してほしい、との意見に加え、「ワンオペ」運営している店舗・企業は利用したくないという不満も見られ、「従業員の負担を思いやれる企業かどうか」が評価され、実際の購買に影響を与える重要な要因になっていることが分かります。

飲食店のワンオペ制度廃止したほうがいいと思う。さすがに1人はきつい気がする。(20代・愛知県)

飲食店でワンオペ従業員が死亡したが
どこのチェーン店でも人手が足りないなら営業しなくたっていいと思う。
無理に営業させててまで食べたいと思いません。(40代・愛知県)

ワンオペで仕事をやらすなんてあり得ない。最低でも3人~体制でお店をやって欲しいし、日とがいなければクローズして欲しい。従業員が可愛そう。(40代・東京都)

「あだ名」の不満でみられたように「相手の苦しみや負担を想像し対処できるか」が社会的な課題の論点になっていることが分かります。

また、「ワンオペ」は飲食店の店舗運営だけでなく、身近なところでも「負担」を生み出しているようです。家事や子育てを一人でこなさなければいけない、という意味合いでの「ワンオペ」です。

ワンオペで周りに知り合いもいない地域での子育ては孤独すぎる。育児サポート施設も車がないと通いにくいしベビーシッターも高すぎて利用できない。(30代・長崎県)

ワンオペ、1人で複数の子供を海水浴へ連れて行くのは難しい。プールや海水浴場でベビーシッターのような付き添い人のサービスなどがあればよいのに。(40代・徳島県)

自分が体調不良で余裕がない時のワンオペはとにかくしんどい。子どもの考えと私の考えが合わなくなった途端、子どもがめちゃくちゃわがままに感じてイライラする。急な体調不良でも頼れる仕組み・制度を作って欲しい。(30代・愛知県)

家庭のなかでの「ワンオペ」は身体的な負担感だけでなく、一人でこなすことによる孤独感ももたらしているようです。ここでもやはり、「家族の苦しみや負担を想像し対処できるか」が解決のための本質的課題になっています。


「あだ名」不満や「ワンオペ」不満は「相手のことを思いやり一人にさせない」ことが寛容で潤いある日々に不可欠であることを思い起させてくれます。それは、家庭の中や外、そして大人、子供を問わず普遍的に大切なものです。

当たり前のことですが、そのことを改めて気が付かせてくれる不満でした。皆さんの一週間が笑顔であふれるものになりますように。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?