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大切な親戚、だけど比較したり急かされたりすると・・・ ほか(先週の不満:~2022/1/2)

こんにちは。Insight Tech CEO 伊藤です。「声が届く世の中を創る」の実現に向けて不満買取センターを運営しています。

このnoteでの連載として「先週の生活者不満」をお届けしています。

この企画は毎週月曜~木曜日に放送されているJ-WAVE TOKYO MORINING RADIOの毎週木曜日のコーナー「データから導く<Better Life>」と連動しております。毎週ナビゲータの別所哲也さんに先週の生活者不満からみえる「Better Life」をお届け頂いています。是非ラジオもお聴きくださいね。

先週の生活者不満(~2022/1/2)

注目するのは「前の週と比較して増加が目立ったキーワード」。そのキーワードの出現件数を反映したワードクラウド(下図)をみると「先週はこんな不満が目立ったみたい」という理解ができます。

先週は丁度を跨ぐ一週間だったこともあり、「年末」「お正月」「年末年始」といったキーワードが増加しました。
「福袋」「初売り」などお買い物関連の不満も多く寄せられました。大手百貨店が4日発表した初売りの売上高は前年比2~5割増えるなど、2022年の年明けの個人消費は好調な滑り出しとなったようです。

そのなかで今週は、①「餅」、②「親戚」、③「昨年」に注目します。

お餅にリスク&ストレスフリーを!

季節の食の風物詩として「餅」への不満が増加しました。具体的には・・・

毎年お餅を喉に詰まらせて救急搬送される人が多すぎる。最初から小さく切ったお餅を販売すれば、こういった事故も多少は減ると思う。(20代・茨城県)

小さく切ってあるお餅を販売して欲しい。お年寄りや子供用に便利。(40代・埼玉県)

といったように、「喉につまりにくくなるよう小さく切ったお餅を販売して欲しい」という要望の声が目立っています。残念ながら毎年お餅をのどに詰まらせる事故が発生していることもあり、折角の楽しい「お正月の食」を安心して楽しむことができる「リスクフリーな餅」への願望が強いようです。

それ以外にもお餅の調理・後片付けに関わる不満もたくさん寄せられました。例えば・・・

お皿にお餅がくっつくと、すぐに洗っても落とすのがとても大変で不満。つけ置きは菌の繁殖が不安でなるべくしたくないので、お餅がくっつかないお皿が欲しい。(40代・千葉県)

お正月なのでお餅を食べましたが、アルミホイルを焼いてトースターで焼くと、くっついてしまって上手くとれません。油を塗ったり、こまめにひっくり返してもくっついてしまいます。アルミホイルにくっつかないお餅を作って欲しいです。(30代・福島県)

水に浸してレンジでチンするだけでお餅が食べられるのは楽でいいけど、べちゃべちゃになる。(20代・奈良県)

等の不満の声。お餅がお皿にくっついてしまう、アルミホイルで焼くとくっついてしまう、レンジでチンするとべちゃべちゃになるといった不満。

この背景には「お餅の扱いにくさ」だけでなく「不慣れ故のストレス」があると考えられます。不慣れでも問題なく取り扱える商品や、お餅の調理をサポートする情報によって「ストレスフリーな餅」を実現したいというニーズがあることがうかがえます。


リスクフリー&ストレスフリーなお餅。
お餅は伝統的な食文化ですが、だからこそ、まだまだちょっとした「イノベーションの種」が隠れているかも知れません。

大切な親戚、だけど比較したり急かされたりすると・・・

昨年は叶えることが難しかった「帰省」ですが、今年は多くの方が年末年始で「帰省」し故郷で過ごしたようです。

それに伴い「親戚」が集まることができたことによって、嬉しさ反面、様々なモヤモヤが広がったようです。久しぶりの対面だったことがそのモヤモヤに拍車をかけているのかもしれません。

具体的には以下のような不満が寄せられました。

お年玉は親戚同士で価値観が違うため、相場が違い、大変。
自分たちがあげた金額よりも、もらった金額が少ないとガッカリくる。(40代・山口県)

お年玉の価格設定。親戚間で統一しないと、めんどくさくなるが、こっちの親戚、あっちの親戚といろいろあるから、全国的に統一できたらいいし、気持ちの問題なんだからあげたい金額でっていうのでも良い。とにかく、ケチとか太っ腹とか大人が子供の前で言うのは良くない。(40代・静岡県)

親戚同士でのお年玉のやり取りに関する不満です。それぞれの価値観や基準で金額を決めてしまうと不公平感や不信感が出てしまう、という意見です。

親しい仲であれば事前にお年玉の金額を話し合って決めることもできると思いますが、親戚とはいえ、それが難しい場合もあるようで、「全国統一の基準(目安)」があると便利になるのかもしれません。

「親戚とはすっきりとした気持ちで付き合いたく、お互いに変に気を遣いたくない。けれどどこまでざっくばらんになっていのか分からない」という複雑な生活者の心理の存在がうかがえます。

その他にも20代・30代からは以下のような不満が寄せられました。自分のライフステージや世帯について親戚間で比較されたり、話題にされることへ抵抗感がある、との声です。

お正月の親戚の集まり、いとこもきょうだいもみんな早くに結婚して子どももたくさんいるので、独身には人権がない。独身というだけで参加しづらい雰囲気があるので、いろんな立場の人がもっと生きやすい世の中になってほしい。(30代・兵庫県)

親戚の子に自分の家の子供と同じような年齢の子がいると色々比べてしまう。そんな自分に嫌気が差す。(30代・埼玉県)

普通の連休なら嬉しいけど、
お正月だから親戚の集まりとかイヤミ言われたり、周りの人と比べられたり、気が重い。休みだけど休みじゃないような感覚。。(20代・宮崎県)

ライフスタイルや価値観の多様化がすすみ、もはや標準的なライフコースや世帯のカタチは定義できない時代。多くの人はそんなことは理解しているなかではありますが、いざ「親戚」という関係性では、その「身近さ」故に、ある一定の「尺度」や「型」に当てはめた比較や会話がされていることも多いのかもしれません。

代えがたい存在である「親戚」。その絆を強め、末永いものとするためにも相互の価値観や生き方を尊重し合い、その前提でオープンに語り合えるスタイルへのアップデートが求められていると考えます。


今年こそは昨年と比べて前向きな一年にしたい!

「昨年」というキーワードも増加しました。
年末年始を跨ぐ一週間だったこともあり、「昨年」を振り返りながら今年の抱負や希望を表明する声が目立ちました

多くは以下のように「個人としての振り返りと反省」に基づく自分や自らがもたらした状況への不満を吐露する声です。「今年こそは!」という前向きな意気込みの顕れとも読み取れます。

昨年中にしなければならないことが片付かなかったこと。仕事もプライベートも。(30代・長崎県)

そして、2022年お正月の不満を象徴するのは、「社会・世の中と自分との関係性を俯瞰しながら語られる生活者の希望」です。

例えば、

今年も昨年に引き続きコロナ自粛が続いた不自由で不満だらけの年だった。来年こそは、誰もが行動制限されずマスクも外して、外食や旅行を人目も憚らず気兼ねなく楽しむことが当たり前の年になって欲しい。(50代・北海道)

昨年もコロナの一年だった。ずっとマスクして外出が当たり前だった。今年は、コロナに振り回されない一年を過ごしたい。マスク無しになるのは、いつになるのか?医療従事者に負担を掛けたくないです。(40代・愛知県)

のように、「コロナの一年」と「昨年」を振り返りつつも、今までの当たり前が戻る一年になってほしい、医療従事者に負担が関わらない一年になってほしい、と自分と社会とを密接に関連させて希望を語る声が多いことに驚かされます。

新型コロナ感染症以外にも、以下のような声が聞かれました。

昨年、国連気候変動枠組条約第26回締約国会議(COP26)が開催されたが、世界各国が真剣に気候変動の克服に取り組んで欲しい。(40代・埼玉県)

社会課題と自分の生活の関係性を「俯瞰的」に捉える目線。そんな目線を持ちつつ、自分自身が社会や世の中を前向きに変化させる一人になりたいと「自分事化」された生活者

そんな生活者のポジティブな不満が2022年を前向きに変化・進化させイノベーションをもたらすことを願ってやみません。

最後に、本年もどうぞよろしくお願い致します!

伊藤

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