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【先週の生活者不満】①卒業式、「マスクなし」と言われても、②捨てられる牛乳、もったいない(~2023/3/5)

こんにちは。Insight Tech CEO 伊藤です。「声が届く世の中を創る」の実現に向けて不満買取センターを運営しています。

このnoteでの連載として「先週の生活者不満」をお届けしています。

この企画は毎週月曜~木曜日に放送されているJ-WAVE TOKYO MORINING RADIOの毎週木曜日のコーナー「データから導く<Better Life>」と連動しております。毎週ナビゲータの別所哲也さんに先週の生活者不満からみえる「Better Life」をお届け頂いています。是非ラジオもお聴きください。

先週の生活者不満(~2023/3/5)

注目するのは「前の週と比較して増加が目立ったキーワード」。そのキーワードの出現件数を反映したワードクラウド(下図)をみると「先週はこんな不満が目立ったみたい」という理解ができます。

先週は「花粉」「花粉症」「くしゃみ」と花粉症関連の不満が多く寄せられました。例年よりも多く花粉が飛沫している今年、花粉症の症状に悩む生活者が多いことが分かります。

そのような中、今週は①「卒業式」、40代女性で増加が目立った②「牛乳」に注目します。
これらも先週増加が目立ったキーワードです。早速どんな不満だったのか見ていきましょう。

①卒業式、「マスクなし」と言われても

先週は多くの学校で卒業式が行われました。3月13日からマスク着用が「個人の判断」となる直前ということもあり、「マスクなし卒業式」が各地で実施されました。

特に中学生や高校生の卒業式に関して、今年卒業を迎える世代は3年間コロナ禍だった世代であったため、彼らを不憫に思う声が多く寄せられました。

今年の高校を卒業する子たちはずっとマスク生活を強いられて素顔を見たのが卒業式のみとニュースでみた。、一番楽しい時期をマスク生活で過ごしていたということで本当に可哀想でしかない(30代・神奈川県)

全国的に高校の卒業式があったけど、コロナに振り回された高校生活で、不憫だったろうな(30代・大阪府)

親の世代だけでなく、卒業を迎える本人からも「想い出も何もない」との不満が寄せられており、ほかの世代では当たり前だった青春時代を十分に過ごせなかったことの影響の大きさが分かります。

とうとう明日は卒業式。三年間コロナ禍だった。想い出も何にもない。ふまんしかない。悲しくて悔しくてたまらない。三年間返してほしい(10代・東京都)

そして、卒業を迎える10代からの不満として特に目立ったのが「急に『マスクを外そう』と言われても」という戸惑いの声です。

学校や地域・親御さんからすれば「せっかくの卒業式。最後のハレの日くらいマスクなしで」との優しさではありますが、当の本人たちは「これまでずっとマスクだったのに恥ずかしい」「外せない人が悪い雰囲気になる」「い一人一人の意思に任せてほしい」との戸惑いを感じているようです。

卒業式はマスクを外すという命令、今更恥ずかしいので無くして欲しい(10代・東京都)

卒業式だからマスク外そうとかになると本当は外したく無い人が外さない事が悪いみたいな雰囲気になる。もうコロナどころか花粉症も肌荒れもあるしハッキリ言って外す事に抵抗しかない(30代・福岡県)

卒業式。マスク外すか外さないか、色々な案があると思うが、最終的には生徒一人一人の意思で決めさせるべき。(10代・大阪府)

卒業式にノーマスクで撮影するとか。やはり、恥ずかしいので嫌です(10代・東京都)

「マスク生活が当たり前だったのでマスクを外すのが恥ずかしい」「最後だけマスクを取れと言われても時間は取り戻せない」
10代の卒業生の不満の背景にはそんな繊細な気持ちが隠れているようです。

もちろん、彼等に限らず、多くの人が様々な制約を強いられてきており、「マスク」はその象徴ともいえます。今後、マスクの着用が個人の判断にゆだねられるのを前に、改めてそれぞれの立場を理解する寛容さが求められていると言えます。

②捨てられる牛乳、もったいない

国内の酪農危機が注目されています。2014年のバター不足問題を契機に国のサポートの中で酪農の大規模化が推し進められてきましたが、昨今の需要低迷によって牛乳の廃棄が余儀なくされており、このことに生活者から多くの不満が寄せられました。

特に40代女性において「牛乳」不満の増加が目立ちました。

多くは「捨てるならば安く売ればいいのに」という声です。いわゆる値上げラッシュのなかで牛乳を買い控えするシーンもあるようで、価格を下げれば需要が拡大するのでは、と考える生活者が多いようです。

牛乳捨てるくらいなら安く売ってくれればいいのにと思う。価格安定のために廃棄するというのは今の時代に合わない気がする。(40代・埼玉県)

牛乳あまって廃棄してるなら何で牛乳高くなってるんでしょうか?
安く売って頂ければみんな、助かると思います。(40代・埼玉県)

価格だけでなく、「加工品にすればよいのに」「酪農家から直接購入したい」などの要望も聞かれていますが、すぐに対応するには限界があるのが実情です。

酪農家問題のニュースが切ない。輸入に頼らず、国内の牛乳など、廃棄をしなくてよいように、チーズ等に加工したり。国内で、もっとシェア出来るようにして欲しいな。(40代・大阪府)

牛乳を廃棄するなら酪農家から直接購入したい。せっかく酪農家さんが苦労して育てている牛さんからの恵みの牛乳を廃棄するのはいたたまわれる。(40代・山梨県)

そのような中、「もっと工夫できるのでは」との前向きな不満も聞かれました。「牛乳を保温保冷できる水筒」や「牛乳を使ったレシピの共有」などを通じて、無理なく今までよりも牛乳を活用する工夫の声です。
確かに一人一人の意識や行動を変えることも必要とされているのかもしれません。

牛乳を入れて保温保冷できる水筒が無いこと。作って欲しい。あれば牛乳廃棄少し減らないかな。(40代・長野県)

牛乳は貴重な栄養源なのだから、みんなで工夫して新しいレシピや美味しくいただける工夫のアイデアをみんなで出し合えればいいのに。それが結果として需要をつくるし、栄養確保にもなるのでは。(40代・長野県)

農林水産省と一般社団法人 Jミルクが「牛乳でスマイルプロジェクト」を立ち上げ、企業の垣根を越えて牛乳の利用促進を図る試みが開始されています。皆でアイデアを出し合いながら食産業の持続可能性を高めることが求められる時代なんだと再確認できます。

先週のトレンドワードであった「昆虫食・コオロギ」に続き「食の持続可能性」に生活者が注目しています。
社会的な課題と自分たち一人一人の考え方や行動が結びついていることを理解し、今できることを行動に移すことが「次の安心」につながる。このことを今まで以上に自覚することが大切になりそうです。

皆様にとって穏やかな一週間となりますように!

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Insight Tech 伊藤

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