【先週の不満買取】だますような広告はうんざり & レシートは重要なライフログ(~2022/7/17週)
こんにちは。Insight Tech CEO 伊藤です。「声が届く世の中を創る」の実現に向けて不満買取センターを運営しています。
このnoteでの連載として「先週の生活者不満」をお届けしています。
この企画は毎週月曜~木曜日に放送されているJ-WAVE TOKYO MORINING RADIOの毎週木曜日のコーナー「データから導く<Better Life>」と連動しております。毎週ナビゲータの別所哲也さんに先週の生活者不満からみえる「Better Life」をお届け頂いています。是非ラジオもお聴きください。
先週の生活者不満(~2022/7/17)
注目するのは「前の週と比較して増加が目立ったキーワード」。そのキーワードの出現件数を反映したワードクラウド(下図)をみると「先週はこんな不満が目立ったみたい」という理解ができます。
先週も安倍元首相が凶弾に倒れたことに伴う話題にまつわる不満が目立ちました。宗教と政治の関係や国葬を執り行うことへの是非について多くの声が寄せられました。
今週注目するのは①「おとり広告」、40代男性で増加した②「レシート」です。これらも先週増加が目立ちました。どのような不満なのか、早速見ていきましょう。
だますような「おとり広告」はうんざり
先週、回転ずしチェーンの一部店舗にて、実態とは異なる店舗広告が掲出され、混乱が生まれました。店舗での割引キャンペーンを知らせる店頭販促(POP)の告知物を誤って開始前に掲示していたことによるもので、告知物を見て商品を注文した顧客へ返金対応を進める、との対応が取られました。
このトラブルについて、多くの不満が寄せられました。被害にあった当事者からの不満ではなく、意図はなかったとしても結果として「おとり広告」のようになってしまったことに対する「不信感」が示された声が多く、当事者だけでなく、生活者における同社のブランドを大きく毀損したことがうかがえます。
実際、「もう行かない」という気持ちになったとの不満が極めて多く、いわゆる「離反」につながっていることが分かります。マーケティング上、大きなダメージを負う出来事だったと言えそうです。
そして、多くの不満で「信用」「信頼」というキーワードが見られました。今回のような「マーケティングの失敗」は、故意でなかったとしても、短期的な売上減少だけでなく、その企業、場合によってはその業界への「信用」「信頼」を低下させることが分かります。
マーケティングやプロモーションだけでなく、その企業が提供している商品そのものへの「信用」「信頼」までも揺らいでしまう大きなインパクトがありそうです。
生活者は都度の商品選択やサービス利用において「WHY(なぜ?)」を求めるようになっており、「商品・サービスを買う」だけでなく「その企業と付き合う」ことを意識して、「納得して選ぶ」傾向が強まっています。そのような中で、今回のようなトラブルは、「商品・サービスが良ければよい」「返金すればよい」だけでは済まされない影響をもたらしそうです。
企業におけるマーケティングにおいて「正直であること」「信用できること」「パートナーであること」が求められていると言えます。
レシートは重要なライフログ
40代男性において「レシート」についての不満の声が増加しました。なぜこのタイミングで「レシート」の不満が増加したのか、見てみましょう。
増加が目立つ「レシート不満」。その多くは「レシートをきっちりと受け取りたい」という声のようです。キャッシュレス決済が進む中で少し意外なようですが、背景には「外出が増えてお店でモノを買うことが増えた」ことや「日用品の値上がりが続いていること」がありそうです。
このような背景で、「日々のお買い物のログをきっちりと管理したい」という欲求が高まっているのかもしれません。
「日々のお買い物のログをきっちりと管理したい」という欲求はレシートだけに限らないようです。例えば交通系カードで決済してしまうと、スマホ等でログとして見られるのは決済額全体になってしまい、商品の内訳が見られない、といった「かゆいところに手が届かない」といったモヤモヤが存在しているようです。
また、レシートをいちいち撮影しなければいけないのも不満のようで、ワンストップで手間なく、商品単位の購入履歴をのこしたい、という期待があるようです。
既に多くの家計簿アプリが登場していますが、①どんな決済方法でも得られる情報を同じに、②商品単位での価格を記録化したい、③すべて手間なく自動的に蓄積される仕組みが欲しい、という欲求があり、現在の家計簿アプリでは満たされないようです。
お買い物の履歴をライフログとして残したいとする欲求が増加していることは「物価の高まりが続く中で家計を注視しておく必要」が高まっていることを意味するのかもしれません。
家計ライフログとしてのレシートに限らず、「世の中のマクロ的な動きによって自分や世帯がどのような影響を受けているのか」を可視化するサービスに対するニーズがありそうです。
まとめ
今週注目した「①おとり広告」、「②レシート」に共通するのは、「賢い消費者でありたい」と思う気持ちではないでしょうか。「自分で納得して」「付き合いたいと思う企業と関わりたい」「世の中の変化にきちんと対応できる購買者でありたい」。そんな前向きな気持ちを理解し、生活者のパートナーとして向き合い、共に価値を生み出すスタンスが企業に求められていると言えそうです。
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