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段階的なリーダーシップの活用



はじめに

今回は段階的なリーダーシップについて考えていきたいと思います。

その前にまずは、段階的なリーダーシップというものがどんなものか理解しなければなりません。前回のお話の中で、リーダーシップとは「周りに影響を与えること」と紹介しました。(前回の記事は下記リンクよりご確認ください)

周りに影響を与えると言っても、受け手がどのように感じるかによって影響の度合いも変わってきますし、「影響」は良くも悪くも機能します。

人を動かす立場にある管理職や指導者、監督やコーチなど”指導をする側”の人は、自身の指示や指導によって、受け手を「良い方向」に導くためにリーダーシップを発揮することを心がけていると思いますが、段階的にリーダーシップを発揮することを理解すれば、よりスムーズな組織運営や組織の強化に繋がると思います。

では、その段階的なリーダーシップがどのようなものか、ご紹介したいと思います。


リーダーシップ

教示型リーダーシップ

どのような組織も最初は0からスタートします。新たな方向に舵取りをする時、組織のメンバーの向上心や、やる気を刺激するためには

  • リーダーがどのような考えを持っているのか

  • 組織としてどのような目標を掲げるのか

  • 目標達成のためにどんな取り組みを行なっていくのか

ということを明確に提示することが必要となります。
「そんなこと分かっているよ!」と思った方もいらっしゃるかもしれませんが、それら考えや目標を提示した後はメンバーとどのような関わり方をしているでしょうか?

新たな方向に向かう場合、組織や個人の習熟度が高まるまでに多くの時間を有します。教示型リーダーシップは、個人のスキルアップを目的として、細かな指示や目標を提示し、遂行させる中で本人に仕事や役割を完了させ、経験値を上げていくというようなイメージです。
この時期には、上の者や指導者はあまりサポートや手助けを行わず、各個人が成功体験と失敗体験の中から今後に必要なスキルを身につけていくことが望ましいです。しかしながら、何事もやる気が無ければ習熟度は高まりません。やるべきことをしっかりと提示した上で個人のやる気を引き出すための言葉掛けを積極的に行いリーダーが今後の方針などを”教示”していけば、必ずや短期間で大きな効果が得られるはずです。

説得型リーダーシップ

説得型リーダーシップは、教示型リーダーシップよりもコーチングの要素が強くなります。簡潔に説明すると、「意欲はあるが何をすれば良いか分からなくなっている」段階のメンバーや個人に対して、人間関係を構築しながら発揮するリーダーシップと言えます。
教示型リーダーシップと同様に細やかな気配りや管理体制も必要となりますが、目的や目標、やるべき内容をより具体的に指示共有することでメンバーの責任感などにも良い影響を与えることが期待できます。
さらに、より積極的なコミュニケーションを取ることによって組織やメンバーの意欲や成長度合いにも良い影響を与えていくと思います。

リーダーが教示型リーダーシップを発揮しながら組織やメンバーの成長を感じた時には、次は説得型リーダーシップへと段階を進めていくことが望ましいでしょう。

参加型リーダーシップ

組織や個人の習熟度が高くなっていけば、各個人にも責任感が芽生え始め、組織の運営自体はスムーズになります。しかし、そこからもう一つ成長するためには、個人が課題を見つけ解決する力を高めたり、自分自身に自信を持つことが重要となってきます。
参加型のリーダーシップは、組織や個人の成長の度合いが高くなってきた時に起こり得る問題に対して、リーダーが関係性を重視しながらサポートをしていくリーダーシップの形です。このように組織が成長し習熟してきた時には、リーダーの本質が問われると私は思います。

委譲型(委任型)リーダーシップ

委譲型(委任型)リーダーシップは、メンバーに運営を任せるということになります。そうは言っても、全てを任せるという意味ではなく、メンバーの主体性を見守る、サポートするといった意味合いでの任せるということです。委譲型(委任型)リーダーシップを発揮するべき場面では、組織や個人は習熟しきった状態であると言えます。必要以上に指示を出すことは、主体性に蓋をしてしまうことにも繋がりかねませんし、責任あるリーダーは状況を把握し見守ることを徹底することが望ましいです。


個性はそれぞれ

終わりに

このように、リーダーシップは組織や個人の「習熟具合」に応じて段階的に変化させていくことで強固なチームワークや主体性の向上に繋がります。現代スポーツの現場では、往々にして教示的に指導していくことが技術向上の近道であると考え、自ら考えさせるのではなく全てを説明し、機械的に練習をすることで技術が身に付くという偏った考えを持った指導事例も耳にすることがあります。確かに、全てを説明した方が簡単な場面もありますし、恐怖で支配すれば、練習の見かけ上は体裁が整っているように見えるかもしれません。
しかし、真のリーダーシップやコーチングは受け手に「良い影響」を与えることによって組織一人ひとりを自立させ、その後の人生を豊かにしていくための土台を作ってあげるものだと思います。


チームを創り上げることは非常に時間がかかりますし、また、すべての人が目指す「良いチーム」という概念は人によって千差万別です。
私自身も、もちろんそうですが、もし、今この記事を見てくれているあなたが管理職や指導者、または上の立場と言われる人であるならば、是非段階的なリーダーシップを使い分けていただいて「良いチーム」を作るための一つのきっかけとしていただければ幸いです。

私もまだまだ道半ばですが、現場に活きるグッドコーチとリーダーシップを探求していきたいと思います。

5年後10年後のビジョンを見据えて

ではまた!




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