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パルトニー橋 映画レ・ミゼラブルで使用の18世紀建築 バース編④

バース第四弾は、バースの大人気観光スポットのパルトニー橋をご紹介します。


 こちらがパルトニー橋です!いや~綺麗ですね~。
この日は天気も良かったので水面がキラキラ輝いていました。

パルトニー橋の場所

 パルトニー橋はバース中心部の東側にあり、以前ご紹介したローマンバスからも、歩いて5分程度で行けます。バースに来たなら絶対に見ておきたい大人気スポットです!

人気の理由は?

 橋自体も美しいですが、なんといってもこの水の流れが圧巻です!段差によって、滝のように川の水が吸い込まれていくような様子を、思わずじーっと見続けていました。(確かこの日の前日は雨だったので、水流がいつもより激しかったです。)
 そして、もう一つの人気の理由は、なんといっても、この橋が映画「レ・ミゼラブル」で登場するからではないでしょうか。物語後半、クライマックスに向けての大事なシーンで登場します。ロンドンではウエストエンドで毎日ミュージカルも行われており、その人気は実に高く、橋のまわりはいつも観光客で賑わっています。

前日の雨で流木が引っかかっています。

パルトニー橋の概要

 パルトニー橋はジョージア建築で、18世紀を代表する建築の一つです。橋の上は道路になっていますが、両サイドにお店がずらーっと並んでいます。橋の両サイドに建物がある橋は、世界に4つしかないそうです。4つのうちの貴重な1つなので、建築に興味がある方にはたまらない貴重なデザインとなっております。ちなみにあと3つの橋は、イタリアに2つとドイツにあるそうです。

 橋の下を流れる川はエイボン川といい、この川によって隔てられていた街の中心部と向こう岸を繋ぐために、この橋が建てられました。このエイボン川、ローマンバスで、ローマ人が作った排水管がいまだに使用されているとご紹介しましたが、その排水先がこちらのエイボン川です。(こちらの記事
おお~、ここまで流れてくるのか~。ローマ人すごいな~とまた感動。見えないところでストーリーが繋がっていて面白いですね。

パルトニー橋の歴史

 さてパルトニー橋の歴史を見ていきましょう。パルトニー橋は1774年に完成しました。ロイヤルクレセントが完成したのが1775年ですから、当時のバースは目まぐるしく開拓が進んでいたようですね。(ロイヤルクレセントについてはこちらをどうぞ)それまでは川をボートで渡っていましたが、街の中心地と向こう側を繋ぎたいという地主の要望から建設が始まりました。

大地主のパルトニー家

 橋の向こう側の土地は、橋の名前にもなっているパルトニー家が所有していました。このパルトニー家、当時バース周辺の土地のうちおよそ600エーカーを所有していました。600エーカーとは??規模が大きすぎて全然わからん!笑 ということで調べてみました!
 100エーカーが東京ドームの約8.5個分、つまり600エーカーは東京ドーム約51個分になります。大きすぎてまだわかりませんね。笑 100エーカーはディズニーシーを一周歩いたぐらいの広さらしいです。これは行ったことある方には少しわかりやすいですね。ディズニーシーを約6個ぐらい所有していたと考えると、え?いや、めちゃくちゃすごい地主じゃないですか!笑 そして、プーさんの100エーカーの森はあれぐらいの広さなんですね。プーさんのびのび育ってるなー。

建築家ロバート・アダムズ

 パルトニー家のウィリアム・パルトニーさんは自分の土地と街を繋げるため、お友達の建築家ロバート・アダムズさんに橋の設計を依頼しました。
 1769年に建設が始まり、イタリアのパッラーディオ様式でデザインされ、ジョージア建築として建てられます。パッラーディオ様式てなんやねん?と思われた方、私も思いました。笑
 要はイタリアのデザインなのですが、アダムズさんがイタリアに行った際にデザインに感銘を受け、そこからインスピレーション得たようです。きっと旅行に行って、うわ~!すごーい!きれーい!僕もこれ作りたーい!みたいな感じかなと勝手に想像しました。わかる、わかるよ、その感動する気持ち!ジョージア建築は、ロイヤルクレセントの記事でもご紹介しましたが、18世紀のイギリスの主要な建築のことですね。

燃え上がる東西対決

 ウィリアムさんは、ロイヤルクレセントを建設した西のジョンウッド親子に対抗して、アダムズさんに、今までにないような目を引くデザインにしてほしいと依頼していたようです。なんだその東西対決は。きっと、バチバチだったんですねえ笑
 しかし、そう考えたら大成功じゃないでしょうか。川のデザイン、橋の下の円になっている形や橋自体が建物になっているあたり、唯一無二のとても素敵なデザインになっています。

橋の名付け親

 パルトニー橋の名前の由来は、ウィリアムさん自身が命名したのかと思いきや、名付けたのは奥様のフランシス・パルトニーさんです。うーん、奥さんもなかなかやりますね。やり手なのか、嬉しくてつい!なのか、後者だと少し可愛いですね。

あとがき

 橋に沿って散歩するのも風情があっておすすめです。景色を満喫した後は、是非、橋の上のお店をご覧になってくださいね。お茶やランチをするのも素敵かも。

 今回もそうですが、バースの主要な建物が同時代に設計されており、17世紀から18世紀にかけて目まぐるしく変わる街の様子が目に浮かびました。歴史を感じられる街、バースはとても素敵なところです。
 個人的には、バースでローマンバスの次に外せないスポットかと思います。川の流れる音もよく聞こえて、本当に素敵なのでぜひ訪れてみてくださいね。「レ・ミゼラブル」を観てから行くと、感動が2倍になります!

 さて、長くなったバース編ですが次回で最後にしようかなと思っております。次回は伝統的なティールームをご紹介します。ここまで読んでくださって、本当にありがとうございました!


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