心のリハビリになる新しい趣味を始めました
好きなものがわからなかった私だが、最近興味が出てきたものがある。
それは、きれいなものを見ること。
数年前の私は、美術館や美術展にまるで興味がなく、足を運ぶなんてことはしなかった。
なのに、突然アートに興味を持ったのだ。
興味を持ち始めたきっかけはわからない。
まるでパキッと世界が変わったように、アートに興味のある私になった。
たまたま出かけていた先で好きなアーティストの個展があり、その場でチケットを買って観るなど、これまでしなかった行動を突然するようにもなった。
それからしばらくして、突然私はジェルネイルを始めた。
過去に自分でやった経験のあるマニキュアと違って、ジェルネイルは素人でもアートが作りやすい。
それがアートに興味がある私に、ピタッとはまったのだ。
今ではすっかり日々を潤す趣味になっている。
季節に合わせてデザインを色々変えるのも楽しい。
私の場合、ジェルネイルはおしゃれ枠ではなく、アート枠なので、派手なデザインも多い。
しかも、始めて数ヶ月の素人なので、技術が足りず、歪である。
これを見た知人は、どうかしちゃったのかと思っているかもしれない。
また、通りすがりの人たちは、いい歳してみっともないと思っているかもしれない。
しかし、私は決めたのだ。
私の好きなように生きると。
誰に何を思われようと、好きなようにやるのだと。
思えば、子どもが小さい頃は、何かに没頭するなど、とてもできなかった。
今もなお、子どもたちが起きている時間にネイルなど、気が散ってできない。
それでも、このタイミングで突然この趣味に目覚めたということには、何か意味があるのだろうと感じる。
自分のために時間を使うということができないと、この趣味は成り立たない。
おしゃれという、なくても良い贅沢なことにお金をかけるということも、自分を大切にできなかった私にはハードルが高かった。
素人でも手軽に出来るジェルネイルは、100円ショップでも入手できる。
貧乏根性が染み付いている私でも、トライしやすかったのもまた僥倖だった。
季節に合わせて増えていく色を見るのも楽しい。
子どもたちが寝静まった夜中に、自分のための時間を取る。
新しいデザインに変えると、朝気づいた子どもたちが、かわいいと褒めてくれる。
だんだん上手になってきたねと、上達ぶりも褒めてくれる。
うちの子どもたちは、なかなかの褒め上手だ。
ものを捨てられない私にとって、自分の爪に施すというのも相性が良かった。
爪に施すので、しばらくするとボロボロになるし、剥がれてくる。
きれいを保てても、爪が伸びれば切らなくてはいけない。
つまり、他のアート作品と違って、残す必要がない。
容赦なく捨てられるのだ。
技術が無さすぎて、同じデザインにすることは決してできないが、どんどん新しいデザインに挑戦できるのも良い。
ジェルネイルは心のリハビリだ。
私が今までできなかったことを、できる範囲で挑戦させてくれる。
今はまだ、上手な人の真似をしたり、ただ、やってみたいという衝動だけで動いていたりするが、いつか自分で素敵なデザインを作れるようになりたいと思う。
これはただの趣味の話だが、好きなものややりたいことが分からなかった私には、大きな大きな一歩なのである。
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