僕の暮らした街に、また『春と雨』が来る。
河津桜が咲いていた。もう春目前なのだろう。15℃以上の暖かい日が続いて、曇り空が広がって雨が降る日が多くなった。春先に降る雨を『春散らしの雨』ともいうらしい。天気予報を見たら卒業式の日も雨らしい。
僕は子供の頃、雨が好きじゃ無かった。外に遊びに行けなくなるし、癖毛なので髪がまとまらない。天気によって体調に影響が出やすい体質なので、頭の中までジトジトしている気分になる。
それが大人になって、雨が嫌いではなくなった。イベントがある日や外に出なくてはならない日なら少し嫌にはなるが、それでも嫌いまではいかなくなった。昨日の夜も夕方から雨が降り出し、風も強くなり、雷まで響き始めた。昔は不安で仕方なかったのに、今ではその雷雨が夏の風鈴のように心地良い。台風が来ると少しワクワクする子供みたいな気持ちだと思う。
それと気持ちに余裕を持てるようになったのかもしれない。カメラを撮るようになってから季節を楽しみ、慈しみ、惜しむようになった気がする。特に地元では余り感じなかったが、京都に来てから季節の移ろいを感じやすくなった。夏には山や川へ、秋は紅葉、冬は雪を、そして春は桜を。僕の暮らしたこの街は季節によってイベントを行う。コロナになってから、めっきりそのイベントは減ってしまったが、いつかそのイベントがまた戻って来て昔のような日々が来るような気がする。
季節の移ろいのように1年後か5年後かは分からないけど、止まない雨が無いようにまたこの街に『春と雨』が来るのだろう。何度も繰り返した来たように形を変えながら、それでも続いていく。僕はこの街から出て行く、何もない地元に帰ってそこからまた別の場所へ出て行く。
何処にいても、春が来て雨が来るなら自分自身も移ろい続けていく存在なのかもしれない。形を変えて、それでも何処かを目指す。やりたい事が沢山ある。全部出来るか分からないけど、この季節と共に変わっていきたい。
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